警告: 過去のバックアップを復元します。プレビューとソース内容に問題なければ「ページの更新」を押下してください。
追加実装されたエリア会話の2年目分まとめ(2021/9/30~2022/9/29)
+ | 編集者向けテンプレート |
全て開く
●マップ名●
全て開く
初音ミク「●」,名前,名前
初音ミク「●」,名前,名前
|
絵名 | 相変わらず、ここは何もないね |
瑞希 | あはは。でも、人はたくさん増えたよね~ |
奏 | うん、最初はミクだけだったしね |
絵名 | ほんとだね。でもリンが来て、メイコが来て、ルカが来て……。 そのたびに、なんだかんだあったなぁ |
瑞希 | だねー。それに、ちょっとずつだけど、 まふゆにも変化が出てきてるみたいだね |
まふゆ | ……そう、なのかな |
絵名 | まあ、『わからない』ばっかりじゃなくなってきてるしね |
奏 | うん。まふゆにとっては、すごく大事なことだと思う |
奏 | だから、これからも思ったこととか、感じたこととか、 何かあったらわたし達に教えてほしいな |
まふゆ | ……わかった |
??? | いっちゃん、だーれだ? |
一歌 | わ……。声は穂波だけど……。 目隠ししてるのは咲希でしょ? |
穂波 | あ、やっぱりわかっちゃった? |
志歩 | まあ、そりゃわかるでしょ |
咲希 | ええー! でもでも! 声はともかく、 なんで目隠ししてるのアタシだってわかったの!? |
一歌 | 咲希の手って、他の人よりちょっとあったかいから。 それに、志歩がこういうことすると思えないし |
穂波 | そういえば咲希ちゃん、ちょっと平熱高いもんね |
咲希 | そうだけど、それでバレちゃうなんて……! |
咲希 | もー、しほちゃんが協力してくれたら、 いたずら成功したのにー |
志歩 | あーはいはい。ていうか、いたずらする意味あるの? |
咲希 | あるよー! まずいっちゃんが、びっくりしてくれるでしょ? そしたらだませたアタシ達もやったねっ!てなるじゃん! |
一歌 | もう、びっくりさせなくていいから |
咲希 | とか言って、ぜーんぜん驚いてなかったくせに~ |
志歩 | ほら、おしゃべりはそこまで。 そろそろ練習に行くよ |
穂波 | そうだね。セカイでミクちゃん達も待ってるし |
一歌 | うん。行こう! |
みのり | ……もうすぐ生配信の時間だ。 今日こそ段取り間違えないように、しっかりやらなくちゃ |
えむ | なんだかブルーなみのりちゃんに、 突撃わんだほーいっ☆ |
みのり | ひょえっ!? え、えむちゃん!? |
えむ | えへへっ☆ びっくりさせちゃってごめんね! |
えむ | いっつもにこにこ笑顔なのに、 今日はしょんぼりどよーんだったから、 何かあったのかなって思って |
みのり | 心配してくれてありがとう、えむちゃん |
みのり | 実はこの前、生配信で段取りを間違えちゃって。 だから今日は間違えちゃダメだって思って、 ちょっと緊張してたんだ |
えむ | そっかぁ……。でも、お顔がしょんぼりブルーなのは、 もったいないよ! みんなが見たいのは、きっとみのりちゃんの笑顔だもんっ☆ |
みのり | えむちゃん……。 うん、ありがとう! |
みのり | よし! わたしはみんなに希望を届けるアイドルなんだから、 もあもあ笑顔でがんばるぞー! |
えむ | よかったー、もういつものみのりちゃんだね♪ あたしも応援してるねーっ☆ |
みのり | うん! ありがとう、えむちゃん! |
みのり | あ、見て寧々ちゃん! これから、新人アイドルのデビューイベントがあるみたいだよ! |
寧々 | へえ。CDショップって、そんなこともやるんだ |
みのり | うん! 他にも握手会とか、 季節ごとにミニライブもやったりするんだよ |
寧々 | そうなんだ……。 ――あ、人がどっとステージのほうに向かって行ったね |
みのり | イベントが始まるのかも! 寧々ちゃん、せっかくだから見ていかない? |
寧々 | あ……い、いいよ。 こういうの見たことないし |
みのり | やったー! すごく盛り上がると思うよ! さっき移動してった人達、デビューを楽しみにしてた ファンの人達だと思うから! |
寧々 | そうなんだ。どんな感じになるんだろ。楽しみだな |
こはね | 草薙さんって、小さい頃から歌とお芝居をやってたんだよね? |
寧々 | うん。昔、『人魚姫』の舞台を見た時に、 主演の俳優さんの歌にすごく感動して、 わたしもあんな風になれたらって、憧れたんだ |
こはね | あっ! その気持ち、ちょっとわかるかも |
こはね | 私も、ストリート音楽を始めたのは、 今チームで一緒に歌ってる子の歌がきっかけだったから |
寧々 | それって、白石さんのこと? |
こはね | うん! 歌を聴いて、 こんな曲があるんだっていうのもびっくりしたけど、 杏ちゃんの歌声にもすっごく胸がドキドキしたの |
寧々 | ドキドキか……。わたしも、憧れの俳優さんの歌を聴いた時、 そんな感じだったな |
こはね | ふふ、その出会いがあって 今の私達がいるって思うと、歌ってすごいよね |
寧々 | うん。本当にそうだね |
杏 | ねえ、ちょっと提案があるんだけどさ。 今度の練習、二人一組で相棒をシャッフルしてやってみない? |
彰人 | シャッフル? |
杏 | そう! たとえば、私と彰人か冬弥が組んで、 こはねともどっちかが組んで練習する、みたいな感じ! |
冬弥 | なるほど。ハモリがある時はそういう組み合わせで 練習することもあったが…… |
こはね | うん、普段はあんまりやらないよね |
杏 | 実はさ、こはねの友達と一緒に練習した時に思ったんだけど、 普段と違う相手と練習するとなんか新鮮っていうか、 新しい発見とかありそうなんだよね! |
こはね | あ、それわかるかも! 私も、みのりちゃん達と練習して、 いろいろ気づけたこともあるし |
冬弥 | たしかにそういう意味では、 普段と違う練習というのもいいかもしれないな |
彰人 | だな。練習するのに変わりはねえし。 やってみるか |
杏 | やった! じゃあ、まず誰と誰が組むか決めないとね! |
みのり | えー、皆さん! 右手に見えるのがフェニックスコースターです! |
愛莉 | 思いきり看板にそう書いてあるから、 言われなくてもわかってるわよ |
雫 | みのりちゃん、とっても張りきってるわね |
遥 | 4人でフェニランに来れたのがよっぽど嬉しいみたいだね |
愛莉 | 気持ちはわかるけど、今日は一応、 ファンフェスタお疲れさま会なのよ? |
雫 | そうねえ。それなのに、主役のみのりちゃんに 案内してもらっちゃっていいのかしら? |
遥 | いいんじゃないかな。……ほら |
みのり | えへへっ。この日のために、 こはねちゃんと作ったガイドブックもあるし、 今日はめいっぱい楽しんでもらおーっと! |
遥 | ふふ。本人はすごく楽しんでるみたいだよ |
愛莉 | そうみたいね。じゃあ、みのりに楽しんでもらうためにも、 わたし達もめいっぱい楽しみましょうか |
雫 | ええ、そうね! |
えむ | あれ? 寧々ちゃん、ネネロボちゃんは? 今日、一緒じゃないの? |
寧々 | あ、うん。ちょっと動きがカクカクする時があって、 類に預けて、見てもらってるところだから |
司 | なに? それで、ネネロボは大丈夫なのか? |
類 | ああ。2、3日もあれば修理できるよ |
司 | そうか。よかった |
えむ | でも直るまでは、会えないんだよね~ |
寧々 | ほんの2、3日でしょ |
えむ | そうだけど~ |
司 | それなら、ネネロボの復帰祝いについて考えながら待つ というのはどうだ? |
類 | フフ。これからメンテするのに、気が早いね |
寧々 | でも、ネネロボも喜んでくれるかも |
えむ | うん! よーし、ネネロボちゃんが戻ってきた時に、 びっくりするようなパーティーにしちゃおーう♪ |
寧々 | ふふ。そうだね |
寧々 | えっと……。みんな、いらっしゃい |
みのり | ショーに招待してくれてありがとう、寧々ちゃん! わたし、すっごく楽しみにしてたんだ! |
こはね | 私も! 新作って草薙さんから聞いてたし、 昨日の夜はワクワクして眠れなかったよ |
一歌 | ふふ。こはね、もともと草薙さん達のショーのファンだもんね |
一歌 | あ、そうだ。草薙さん、ショーの見どころを聞いてもいいかな? せっかくだから、いろいろ勉強させてもらいたくて |
みのり | あ、わたしも聞きたい聞きたーい! |
寧々 | 今回のショーは、ミュージカル色が強いから、 見どころは歌かな |
一歌 | ミュージカルってことは、セリフを歌うところもあるよね。 歌詞作りや作曲の参考になるかも |
寧々 | あと……衣装とダンスの振り付けも結構こだわったから、 そこも、見てくれたら嬉しいな |
みのり | おおー! 歌とダンスに、衣装に振り付け! アイドルにぴったりな内容だね。 勉強させてもらいます! |
こはね | ふふ。私は歌が楽しみだな。 草薙さんも他の人達も、すっごく上手だから |
寧々 | (みんな、すごく期待してくれてる……) |
寧々 | (……よし。ちゃんと応えられるように頑張らなくちゃ) |
ミク | ねえ、杏。サンドイッチを作ってみたんだけど、 食べてみてくれない? |
杏 | えっ! ミクの手作り!? |
ミク | そう。ほらだいぶ前に、 料理、やってみたら?って杏が言ってたでしょ。 |
ミク | メイコに相談したら、まずは包丁に慣れるところからって、 サンドイッチを教えてもらったの |
杏 | あの話、覚えててくれたんだ! 嬉しいなぁ。じゃあ、遠慮なくもらうね! |
杏 | はむ……。ん、美味しいよ。 野菜もシャキッとしてるし、からしマヨネーズもいい感じ |
ミク | よかった。実は、杏にあげても大丈夫って、 メイコが言ってくれるまで何十個も作ったんだ |
杏 | え、そんなに!? |
ミク | うん。あ、作ったやつはほとんど カイト達に食べてもらったから、食材は無駄にしてないよ |
杏 | そ、そっか…… |
杏 | (サンドイッチって、 作るの失敗するような料理じゃないんだけど……。 何があったんだろう) |
KAITO | ふぅ……お腹いっぱい。 しばらくサンドイッチはいらないかな…… |
MEIKO | ごめんね。ミクのサンドイッチ作りに協力してもらっちゃって。 まさか、あんなに不器用だと思わなくて…… |
KAITO | あはは……。からしマヨネーズをパンに塗るんじゃなくて、 パンをからしマヨネーズに浸そうとした時は、 さすがにドキッとしたなぁ |
MEIKO | ええ……包丁も、まさかあんな風に 振り下ろして切ろうとすると思ってなかったし…… |
MEIKO | でも、今まで興味を持たなかった料理をやってみたいだなんて、 きっとミクも、あの子達から影響を受けてるのね |
KAITO | だろうね。ミクが一番、あの子達のそばにいたんだから |
MEIKO | ええ。ひょっとしたら、 また他のことにも挑戦したいって言いだすかもね |
KAITO | 案外、料理を極めたいって言いだすかも |
MEIKO | それは……。 ……いえ。もしそうなったら、しっかり応援するわ |
レン | あ、杏! ちょうどいいところに! ちょっと協力してくれない!? |
リン | 今からわたし達が交互に歌うから、 どっちが良かったか審判してほしいの! |
杏 | いいけど……。 ……ひょっとして、ふたりともケンカ中? |
リン | レンが悪いんだよ! わたしが、 ここのパートはこうしたほうがいいよって、 教えてあげてるのに! |
レン | オレにはオレのやりたい歌いかたがあるんだってばー! |
杏 | あー、はいはい! ふたりとも落ち着いて |
杏 | えっと、歌いかたで意見が食い違っちゃったから、 歌を実際に私が聴いて、 どっちがいいか決着をつけるって感じなんだね? |
リン・レン | 『うん!』 |
杏 | ……そんなに大事そうなこと、私が審判していいの? それで、ちゃんと納得できそう? |
レン | うん、大丈夫! |
リン | お願い、杏ちゃん! |
杏 | わかった! なら、私も真剣に聴くね! |
冬弥 | 飲むたびに思うが、 メイコさんのコーヒーは本当に美味しいな |
杏 | そうだね。でも、うちのコーヒーとの味の違いが、 あんまりわかってないんだよね |
杏 | メイコさんがいれてくれるコーヒーのほうが フルーティーな感じするんだけど……。 冬弥からすると、どういうところが違うように感じるの? |
冬弥 | そうだな……。白石の言うとおり、 メイコさんがいれてくれるコーヒーはフルーティーで、 それをより引き出す為に、浅煎りになっているんだろうな |
冬弥 | 逆に謙さんのコーヒーのほうは深煎りで、 苦みが引き立つように工夫されていると思う |
杏 | 言われてみればたしかに…… |
杏 | ありがとう、冬弥! コーヒーのこと、まだ全然わかってなくてさ。 すっごく助かる! |
冬弥 | いや。俺はただ好きなだけだからな。 詳しい話は、メイコさんや謙さんに聞くのがいいと思うぞ |
杏 | そうなんだけどさ。わかりやすく説明してくれるし、 お客さんの立場の感想とかも聞きたかったんだよね! |
冬弥 | そうか。役に立てたのなら、何よりだ |
彰人 | おい。今日の練習少し遅れる |
杏 | オッケー! けどなんで…… |
杏 | あ、わかった。英語の補習でしょー! |
彰人 | は? ちげーよ。バイトのヘルプ |
杏 | なんだ、そっちかぁ。 うちのクラスにも何人か補習受ける子いたから、 絶対それだと思ったのに |
彰人 | 人のこと笑ってられんのか? 古文、抜き打ちテストがあるとかって噂聞いたぞ |
杏 | げっ、それほんと!? ヤバい……勉強しておこーっと |
杏 | あ、彰人と冬弥じゃん! ちょうどよかった! もし時間あったら、ショッピングモール一緒に行かない? |
彰人 | は? ショッピングモール? |
こはね | 実は、ショッピングモールでやるのど自慢大会に、 私、エントリーしてて…… |
冬弥 | 小豆沢が? |
彰人 | お前なぁ。なんでまたそんなもんに…… |
こはね | えっと、優勝賞品が温泉旅行なんだけど、 お母さん旅行に行きたがってたし、 優勝してプレゼントしてあげたいなって思って |
杏 | というわけで、 親孝行なこはねの勇姿を見に行くところってわけ! |
冬弥 | なるほど。では俺達も応援しに行こう |
彰人 | おい、冬弥! |
杏 | よーし! こはね、私達がついてるから、思いっきり歌っちゃって! |
こはね | うん! |
彰人 | オレはまだ行くって言ってねえだろうが……ったく |
彰人 | おい、負けたら承知しねえからな |
こはね | う、うん! 絶対優勝して、温泉旅行もらうね! |
杏 | へえ、今度ここのライブハウスで、 ワンマンライブあるんだ……って、見てこはね! |
こはね | あ、この人達、 このあいだの対戦イベントで一緒に出てたチームだね |
杏 | そうそう! かなり強敵だったよねー。 判定も、ギリギリで勝てたっていうか…… |
杏 | ねえ、こはね! このライブ見に行ってみない? 敵情視察的な感じで! |
こはね | うん! 行きたい! |
杏 | じゃあ決まり! よーし、まずはチケットをゲットしないとね! |
ルカ | ふぁ……ねえ、カイトくん? あの雲の上には、行けるのかしら? |
KAITO | 雲の上? そうだね……空飛ぶ汽車でも 雲の高さまでは行けないから、難しいと思うよ |
ルカ | あら~、残念。きっとぽかぽかふわふわで、 と~っても気持ちよく眠れると思ったのに…… |
KAITO | はは。雲の上で眠るのは、 たしかに気持ちよさそうだね |
KAITO | んー、ふわふわの生地を集めて、 白い雲みたいなクッションを作るのもいいかもしれないね |
KAITO | そうすれば、雲の上を舞台にしたショーも作れるし |
ルカ | 素敵ねえ~。ふわふわのクッションで眠れるし、 楽しいショーもできて…… |
ルカ | ふふっ……想像したら、なんだか気持ちよくなって……。 すー……すー…… |
KAITO | ふふ。ルカも期待してくれているみたいだし、 試しに作ってみようかな |
類 | カイトさん、劇団にいるぬいぐるみ達だけど、 全員、把握しているのかい? |
KAITO | もちろん。ただ、似てる子もいるから、 最初はたまに間違えてしまっていたよ |
類 | けれど、僕が把握しているだけでも 相当な数のぬいぐるみがいるはず……。 それを全部把握しているなんて、さすがだね |
KAITO | みんなそれぞれ個性があるからね。 それに、得意なことや苦手なことも違うんだよ |
類 | そこまでしっかり把握しているんだね…… |
類 | それに、ぬいぐるみの一体一体に 個性があるなんて、このセカイという場所は本当にすごいな |
KAITO | セカイがすごいというよりは、 想いの持ち主である司くんが、すごいんだと思うよ |
KAITO | ぬいぐるみみんなに個性があるのも、 司くんと関わりがあるんだろうしね |
類 | そういえば、即興劇の時にぬいぐるみを役者に見立てて、 足りない人数を補っていた、という話は聞いたことがあるよ |
KAITO | つまり、司くんの中ではそれぞれのぬいぐるみに キャラ付けが施されていた、ということかな |
類 | フフ。知れば知るほど、ここは興味深いねえ |
類 | ――ぬいぐるみくん、協力してくれてありがとう。 気をつけて帰るんだよ |
ミク | あっ☆ 類くんだ~! |
リン | わーい♪ 遊びに来てくれたのー? |
類 | やあ、ミクくん、リンくん。 実は、このセカイにいるぬいぐるみ達が どうやって動いているのか気になっていてね |
類 | ときどき時間を見つけては ぬいぐるみくんに協力してもらって、 調べさせてもらってるんだ |
リン | そうだったんだー! ねえねえ、調べるって、どうやるの? |
類 | 本当は分解するのが一番早そうなんだけど、 さすがにそれはできないから、なでさせてもらっているよ |
類 | (まあ、それでわかるのも体の中に、 何も埋めこまれてはなさそう、ということだけだけどね) |
ミク | よしよししてあげるのが、調べるなの? |
類 | そうだよ。それならぬいぐるみ達も怖くないみたいだしね。 むしろ、もっとなでてほしいって、 進んで研究に協力してくれるんだ |
ミク | わあっ! じゃあきっと、 類くんのなでなでが上手なんだね♪ |
ミク | 類くん、ミクのこともなでなでして~? |
リン | あっ、ずるーい! リンもリンもっ! |
類 | フフ、上手かどうかはわからないけれど、 じゃあ、順番にね |
類 | やあ、司くん! |
司 | オレはやらんぞ |
類 | おや? 僕はまだ何も言っていないよ? |
司 | 顔を見ればわかる。 また無理難題を持ってきたとな |
類 | フフ。残念ながら違うよ。 次の休み、寧々やえむくんを連れて ちょっと出かけないか、というお誘いさ |
司 | む、出かける? どこにだ? |
類 | リアル脱出ゲームさ。 最近、ストーリー性がいいと話題の脱出ゲームがあってね |
類 | 様式は違うけれど、あれも一種のショー。 いい勉強になると思うし、どうかな? ああでも、『オレはやらん』と言っていたっけ…… |
司 | う……話も聞かずに悪かった。 オレもぜひ、行かせてもらおう |
類 | フフ、そうでなくちゃね。 じゃあ、チケットが取れたらまた連絡するよ |
司 | ああ、頼んだぞ! |
寧々 | ……あれ、類? 何か撮ってるみたいだけど、どうしたの? |
類 | これかい? ネネロボが、より人間らしい仕草や動きを 習得できるように、人の動きを録画しているんだよ |
寧々 | 人間らしい仕草や動き……? たとえば? |
類 | 気持ちが弾んでスキップをするとか、 落ちこんでいる友人の肩を叩いて慰めるとか、かな |
寧々 | スキップは……まあ、コサックダンスできるし、 いけそうな気がするけど…… |
寧々 | 落ちこんでる人の肩を叩くのはムリじゃない? 頭身的に |
類 | 大丈夫。届くように、ネネロボが浮けばいいんだから |
寧々 | 浮けばって……。 勝手に変な機能つけないでよ? |
えむ | みんなでお出かけ、わっくわっく~♪ ねえねえ、早く行こうよ! |
司 | こら、えむ! 前を見て歩け! あ、いや待て、勝手に行くんじゃない! |
寧々 | ……はあ。相変わらずうるさいんだから。ていうか、 ショーの衣装を探しに来たってこと忘れないでよ? |
えむ | はーい♪ |
司 | だから、勝手に行くんじゃなーい! |
司 | おい寧々、オレはあいつを連れ戻しに……ん? そういえば、類はどうした |
寧々 | え? さっきはすぐ隣に……って、いない? |
司 | まったく! あいつまで一体どこに……あ |
類 | ――へえ、このゴリラのお面、 なかなかのリアリティだね……。 何かしらショーに使えるかもしれない |
類 | それにこっちの、手を入れると噛まれる ジョーズの貯金箱のクオリティも素晴らしい。 これを、人がまるっとおさまるようなサイズにしたら―― |
えむの声 | あれれー? みんなどこ行っちゃったの? |
司 | ……こういう時は、オレ達がしっかりせねばな |
寧々 | うん、ほんとに…… |
司 | よし。オレはえむを捕まえに行くから、 お前はあいつを引きずってきてくれ |
寧々 | りょーかい |
えむ | 類くん類くん! 次のショーだけど、 森にお花畑を作ってる妖精さんのお話なんてどうかな? |
類 | 妖精か……いいね、面白そうだ。 ちなみに、ストーリーの案はあるのかな? |
えむ | うん! 人間にいたずらされて羽を失くしちゃった妖精さんが 人間の子供に助けてもらって、だんだんお友達になって、 ぽかぽかーってした気持ちになって、羽が元に戻るの! |
えむ | それで、妖精さんはその人間の友達と一緒に お花畑を完成させるの! |
類 | ふむ……。妖精の羽は、人間の子供と 心を通わせたことで治るのかな? |
えむ | そうだよ♪ えへへ、さっすが類くん! |
えむ | どうかな? おもしろいお話になりそうかな? |
類 | ああ。これだけの種があれば、 司くんが、それはもうみんなが笑顔になるような 素晴らしい花畑にしてくれるよ |
えむ | ……そうだね! あたし、司くんにも相談してくる! |
類 | ああ、頼むよ |
リン | やっほー、カイト兄っ! おしゃべりしに来たよっ☆ |
KAITO | ……俺は特に、話すことはないけど…… |
リン | えーっ? でもでもっ、 あたしはカイト兄と話すこといっぱいあるよ♪ たとえば…… |
リン | じゃっじゃーんっ☆ いっちー達が今度練習し始める、曲の楽譜だよ?♪ |
KAITO | ……話って、音楽の話か |
リン | えへへっ、それならカイト兄も おしゃべりしてくれるって思ってっ☆ |
リン | ねっ、ふたりで弾いてみながら、 予習しておこうよ♪ |
KAITO | うん……それなら、いいよ |
リン | やったーっ☆ カイト兄、マジありがとー! |
KAITO | ……ルカは、あの子達をバンドの結成前から見てるんだよね。 最初は、すごくぎくしゃくしてたって、本当? |
ルカ | ふふ。今のあの子達からすると、 ちょっと信じられないわよね |
ルカ | でも本当に、セカイに来始めた頃のあの子達は、 すれ違ってしまっていたの |
KAITO | ……そうだったんだ |
ルカ | それでも、ちゃんと自分達の想いと向きあって、 本当の想いを見つけてくれたわ |
ルカ | 強いわよね、あの子達 |
KAITO | ……そうだね。なんとなく感じる。 4人で一緒にいられる場所にいたい、 つながっていたいっていう感じが…… |
KAITO | ……あの子達の演奏が、 これからどんな風になっていくのか楽しみだな |
ミク | ……このセカイも、だいぶ人が増えて賑やかになったな。 まあ、ちょっと元気すぎる子も中にはいるけど |
リンの声 | イエ?イ! ミクぴょん、いる?? |
ミク | ふふ、噂をすれば…… |
リン | あれれ? ミクぴょん、なんか今笑ってた? なんでなんで? |
ミク | なんでもない。 それより、用事があったんじゃないの? |
リン | てへっ☆ そうだったー! あのね、ルカ姉とめーこ姉が一緒にセッションしよーだって♪ |
ミク | オッケー! 今行くよ |
MEIKO | あ、いたいた! カイト、一緒に屋上に来てくれない? |
KAITO | ……屋上? |
MEIKO | 咲希とリンが、カイトの歓迎会をするぞって、 張りきってるんだよね |
KAITO | え……。別に、そんなのいいのに |
MEIKO | そんなこと言わないの |
KAITO | 本当は、もっと早くやる予定だったんだけど、 カイトがここや咲希達に慣れるまで待とうって、 様子を見てくれてたんだから |
KAITO | ……そう、だったんだ |
MEIKO | さあ、主役がいないとパーティーが始まらないんだから! 行くよ、カイト! |
KAITO | ……わかった。じゃあ、ちょっとだけ顔出そうかな |
咲希 | あっ! あいり先輩! こんにちはー! |
愛莉 | あら、天馬さんじゃない。 今日も元気いっぱいね! |
咲希 | はい! あ、そうだ! このあいだの配信見ました! |
咲希 | 普段のご飯の話、すっごく楽しかったです! あいり先輩のおうちは和食が多いって初めて知れたし、 ちょっと意外でした! |
愛莉 | ふふ。わたし達のメンバーの中だと、 雰囲気的には、雫の家が一番和食多そうよね。 でも実際、あそこは和食と洋食半分ずつくらいみたいね |
咲希 | あ、きっとしほちゃんがハンバーグみたいな 洋食のほうが好きだからですね! |
愛莉 | たしかに、好きな食べ物が和食か洋食かで分かれそうね! そうだ。あなたのおうちはどう? |
咲希 | えっ! う、うちですか!? |
咲希 | えっと、うちはお兄ちゃんがいっぱい食べるので、 和食洋食っていうより焼肉とか生姜焼きみたいな、 スタミナがつく感じのお肉系のご飯が多いかもしれないです |
愛莉 | へえ、そうなのね! やっぱり家によって、食べてるものって変わるのね |
雫 | あら、しぃちゃん、穂波ちゃん! 今からバンドの練習? |
志歩 | うん。……って、なんでくっついてくるの。 外ではやめてって、いつも言ってるでしょ |
穂波 | ふふっ。志歩ちゃんと雫先輩、本当に仲がいいね |
志歩 | いや、どう見ても一方的でしょ |
志歩 | ほら、さっさと離れて。 そっちも、ダンスとかの練習あるんじゃないの? |
雫 | そうね……。遅れたらいけないし、そろそろ行くわ |
雫 | 穂波ちゃん、また今度美化委員会で会いましょ? それで、しぃちゃんのこといっぱい聞かせてね |
穂波 | はい、任せてください |
志歩 | ……ねえ、前から気になってたけど、美化委員の時ってどんな話するわけ? |
穂波 | そんなにたいしたことじゃないよ。 練習中に志歩ちゃんがこういうことを言ってくれて、 すごく勉強になった、とかそういうのだよ |
志歩 | 穂波だしヘタなこと言わないとは思ってたけど……。 まあ、それくらいならいいか |
愛莉 | じゃあ、雫。そこで待ってて。 このハンドタオルだけ買ってくるから |
雫 | うん。じゃあ待ってるあいだ、 路地にある雑貨屋さんにいるね |
愛莉 | あっ、ちょっと! 雫、ストップ! |
雫 | え? |
愛莉 | え?じゃないわよ。 アンタはすぐ迷子になるでしょうが! |
愛莉 | だから、大人しくここで待ってなさい! で、わたしが戻ったらそこの雑貨屋さんに一緒に行きましょ? |
雫 | そうね。愛莉ちゃんと一緒に見たほうが楽しそう。 じゃあ、ここで待ってるね |
ミク | ……メイコ |
MEIKO | ミク……? ……どうかした? |
ミク | メイコは……まだ遠くから、まふゆ達を見守るの? |
MEIKO | そのつもりよ |
ミク | そっか…… |
MEIKO | ……何か、不都合でもあるかしら |
ミク | わたしは、ないよ。 でも……メイコは、それでいいの? |
MEIKO | ええ、もちろん。 私はこの在りかたを変えるつもりはないわ |
リン | あ…… |
リン | ……今日はケンカしてないんだ? |
ルカ | あら……、ケンカなんていつもしてないわよ? |
MEIKO | ……そうね。ルカにとっては、ただのじゃれ合いでしょうし |
ルカ | ええ。可愛いでしょう? |
MEIKO | そうは思えないけど? |
リン | ………… |
リン | (……やっぱり、ケンカしてるのかも?) |
リン | ……まだ? |
絵名 | 全然まだ。ほら、じっとしてて |
瑞希 | あ、絵名。またリンの絵を描いてるの? 見せて、見せて! |
絵名 | ちょっと、まだできてないんだからのぞかないでよ |
瑞希 | えー。ちょっとくらい見せてくれてもいいのに |
絵名 | 今はダメ。リンが我慢してくれてるあいだに ラフ終わらせないといけないんだから、あとにして |
瑞希 | ちぇー |
瑞希 | リン、モデルを引き受けてあげたんだね |
リン | ……ここに座ってるだけでいいって言われたから |
リン | でも、動くとうるさい |
絵名 | 当たり前でしょ。デッサンが狂っちゃうし |
瑞希 | あはは。じゃあ、絵名がラフを描き終わるまで、 暇つぶしにちょっと話してようよ |
リン | ……いいよ |
瑞希 | ねえ、絵名! ボクも協力するからさ、 あとでその絵、ちゃーんと見せてね! |
絵名 | 瑞希……。 わかった、じゃあリンのご機嫌取りよろしくね |
瑞希 | ……あ、メイコ。最近、よく会うね~ |
瑞希 | 別に、お互い探してるわけじゃないのに、 なんでだろうね? |
MEIKO | 瑞希が前よりも、よくここに来るようになったからでしょ? |
瑞希 | あはは……。それは、まあそうだよね |
瑞希 | なんか、こっちのほうが居心地よくて…… |
MEIKO | 居心地がいいなら、いればいいわ。 私には関係ないから |
瑞希 | あ…… |
瑞希 | 居心地がいいなら、いればいい……か |
瑞希 | (ありがとう、メイコ) |
瑞希 | 奏、まふゆ、聞いてよー! 絵名ってばひどいんだよ! |
奏 | え、どうしたの? |
瑞希 | ふたりで映画見たんだけど、ボクめちゃくちゃ感動してたのに 隣でスンって顔しててさー |
瑞希 | おもしろくなかったかなって、心配になって聞いたら……。 ネタバレ見て知ってたって言うんだよ!? |
絵名 | 見たくて見たんじゃないし。 口コミサイトに評判見にいったらネタバレ踏んじゃったの |
奏 | あー……。あるね。そういうこと |
瑞希 | もー、ネタバレ見ちゃう危険あるってわかってるんだから、 見なきゃいいのに |
絵名 | 軽く予習していこうと思っただけだってばー |
まふゆ | ……学校の予習はめんどくさいとか その場で理解すればいいって、 よくナイトコードで言ってるのに |
絵名 | それとこれとは別。お金と時間使うんだから、 最大限楽しみたいでしょ |
まふゆ | でもネタバレ見て、瑞希みたいに感動できなかったんでしょ? |
絵名 | う…… |
瑞希 | やーい、絵名のドジっ子~ |
絵名 | うるさい |
奏 | うう……。まぶしい……目が、焼ける…… |
瑞希 | あはは……。目が慣れるまで、ボクの影に入ってたら? |
奏 | そうしようかな…… |
瑞希 | そういえば奏ってさ、お日さま浴びて ポカポカ気持ちいいなぁって、思うことない? |
奏 | 昔はあったと思うけど……。今は全然かな |
瑞希 | うーん、カーテン閉めっぱなしの生活に 慣れすぎちゃってるんだね~ |
瑞希 | それにしても、太陽がまぶしくて目が焼ける~なんて、 吸血鬼みたいだね |
奏 | ……ひょっとして、前世がそうだったのかも? |
瑞希 | あははっ! かもしれないね! |
瑞希 | あれ、まふゆだ! やっほー♪ どこかに出かけてたの? |
まふゆ | ……予備校 |
瑞希 | あ、そっか! 週末はいつもそうだったね。 ちなみに、今日は何を勉強したの? |
まふゆ | 今日は数学の強化日だったから、1日ずっと数学 |
まふゆ | 三角関数から始まって、指数関数と対数関数、 あとは微分と積分。それから?? |
瑞希 | ス、ストップストップ! ありがとう、もう大丈夫…… |
瑞希 | (ひぇ……そんなに数字つめこんだら、 ボク絶対、知恵熱出ちゃうよ!) |
瑞希 | そういえばこの辺だったっけ? 弟くん達と会ったのって |
絵名 | そうだね。あれ、ほんとびっくりした |
瑞希 | だね! けど、奏に弟くんを紹介できてよかったな~。 ほら、まふゆにはちょっと前にたまたま会って紹介してたし、 あとは奏だけだったから |
絵名 | ていうか、なんでそんなに彰人のこと紹介したがるわけ? |
瑞希 | ん~。やっぱり、絵名の反応がおもしろいから? |
絵名 | 言うと思った……。こっちは猫かぶってる彰人見ると、 なんかムズムズするから嫌なんだけど |
瑞希 | あはははは! 今のウゲーって顔、 弟くんが奏に自己紹介した時のこと思いだすな~♪ |
絵名 | ちょっと、瑞希! 人の顔見て笑いすぎだから! |
穂波 | あ、宵崎さん! こんにちは……って、 どうしたんですか? なんだかお疲れみたいですけど…… |
奏 | あ……今日、サークルの新曲アップの 打ち上げがあるって忘れてて……徹夜しちゃって |
穂波 | ……そうだったんですね |
穂波 | よかったら、温かいお茶を飲みながらひと息つきませんか? すぐ近くに、のんびりできるカフェがあるんです |
奏 | ……今は帰る気力もないし、そうしようかな |
穂波 | ありがとうございます。 それじゃあ、行きましょうか |
レン | そういえば、楽器が置いてある教室をのぞいたんだけど、 やたら星のシールが貼ってあるシンセがあったんだよな |
リン | あ、それあたしがよく使ってるやつ |
レン | やっぱりリンのか。 あのシール、どんな意味があるんだ? |
リン | あ、あれ? サッキーがくれたからデコってみたんだ♪ |
リン | でも、なんかあのシールを貼ってから、 シンセの音がキラキラって聴こえる感じがするんだよねー♪ |
レン | キラキラって……本当か? |
リン | ホントホント! 一緒に演奏すればきっとわかるよ! ほら、行こっ! |
レン | え? お、おい、引っ張るなって! |
レン | なあ、穂波。この曲なんだけど…… |
穂波 | あ、これ……。前の練習でわたしがリズムを取れなくて、 うまく叩けなかった曲だ…… |
レン | 実はオレも苦戦しててさ。 練習やってるうちにわけわかんなくなっちゃったんだ |
レン | 本当はできるやつに聞くのがいいんだろうけど……。 なんかちょっと悔しいじゃん? |
レン | だから一緒に練習して、 次の練習までには完璧にできるようになってやろうよ |
穂波 | うん、そうだね! 一緒に頑張ろう、レンくん! |
レン | なあカイト。ここにあるCDの中で、 カイトのオススメってどれ? |
KAITO | …………。これ、かな…… |
レン | へえ、オススメポイントは? |
KAITO | ……技術が高いし、バンドとして、まとまりもいい……と思う |
KAITO | 志歩がベーシストを目指すきっかけになったバンドの CDだから……聴いてみて |
レン | すごい、ベタ褒めじゃん! サンキュー、カイト。これ聴いてみるよ! |
レン | この学校、なかなか広くて探検のしがいがあるじゃん |
レン | えーっと、屋上にはさっき行ったし……。 あ、見つけた教室を全部のぞいていくか! |
レン | 何があるか楽しみだな! |
咲希 | ねえ、知ってる? 最近公開された、4人の女子高生達がバンドを組んで、 プロを目指すっていう映画! |
穂波 | あ、それCMで見たことあるかも。 たしか、アメリカで実際にあったお話をもとにしてるんだよね? |
咲希 | そうそう! しかも、上手になっていく感じを リアルに出すために、演奏未経験のキャストを わざわざ選んだって! |
一歌 | え……その映画のCMなら私も見たことあるけど、 未経験な感じ全然しなかったよ |
咲希 | うん! 本当すごいよね! ねえ、参考にもなるかもしれないし、みんなで見に行かない? |
志歩 | まあいいんじゃない? いい刺激にもなりそうだし |
咲希 | やったー! しほちゃんからお許しがでたー! |
一歌 | じゃあ、今度の練習の前に見に行くのはどう? |
穂波 | あ、いいね! 映画を見てわたし達も頑張るぞ っていう気持ちで練習できそう |
志歩 | じゃあ、そうしようか |
咲希 | わーい! みんなありがとう♪ えへへ、楽しみだなあ |
志歩 | 穂波……。うん、期待してる |
一歌 | 穂波のお弁当、彩りもよく考えられてて、すごいね |
一歌 | 自分で作ろうとすると、冷凍食品ばっかり使っちゃって、 厚焼き卵くらいしか、明るい色がないんだよね |
穂波 | 朝、お弁当用に何か作ろうと思うと、 結構大変だもんね |
穂波 | あ、もし苦手じゃなかったら、マリネとかオススメだよ。 お野菜を酢で漬けておくだけでできるし、 彩りもすごく鮮やかになるよ |
一歌 | 酢で漬けるだけか。それなら私でもできそうだし、 朝バタバタしなくてよさそうだね |
一歌 | 穂波、そのマリネのこともっと教えてほしいな |
穂波 | うん! まず、オススメの野菜はパプリカだよ。 甘みも出るし、色もすごく綺麗だから。それから―― |
咲希 | ほなちゃん、さっき買ったラメ入りのアイシャドウなんだけど、 それ使って、ほなちゃんにもメイクしていい? |
穂波 | えっ、わたしに? |
咲希 | うん! 友達とのおそろいメイクっていうのがしてみたくて! お願い……! |
穂波 | ふふ、いいよ。 おそろいメイク、わたしも興味あるから |
咲希 | 本当!? ありがとう、ほなちゃん! えへへ、がんばってかわいくメイクするね♪ |
穂波 | あっ、志歩ちゃん! これからバイト? |
志歩 | うん。今日出演予定だったグループに、 欠員が出たらしくて。トラとして弾くことになったんだ |
穂波 | そうなんだ…… |
穂波 | いつも思うけど、すごいね。 初めて一緒に演奏するバンドの人達もいるんだよね |
志歩 | でも、向こうもこっちが対応できる範囲で 考えてくれるし |
志歩 | それに、いろいろなバンドと組ませてもらうことで、 演奏とか、音を合わせる技術も上がるからね |
穂波 | そっか……そうやって志歩ちゃんは 演奏の腕を磨いてきたんだね |
志歩 | まあね。あと最近は、それぞれのバンドが 大事にしてることとかも聞くようにしてる |
志歩 | 4人で、もっといいバンドにしていけるようにしたいから |
穂波 | 志歩ちゃん…… |
穂波 | 志歩ちゃん! わたしももっともっとうまくなって、 志歩ちゃん達を支えられるように、きっとなるから |
志歩 | 穂波……。うん、期待してる |
遥 | ――よし。これで次に私達が配信する『振りコピチャレンジ』、 だいたい決まったね |
みのり | うん! 遥ちゃん、考えるの手伝ってくれてありがとう! |
ルカ | あら~、なんだかおもしろそうな企画ね。 どういう企画なの? |
みのり | えっと、配信を見てくれてるみんなに、 わたし達に振りコピしてほしい曲をアンケートして―― |
みのり | 一番になった曲の振り付けを持ち時間10分で覚えて、 誰が一番正確に覚えられたかを競う企画だよ |
遥 | 前に一度、みのりが挑戦してくれたんだけど、 いい緊張感や臨場感出て、見てくれてるみんなも きっとドキドキしながら見ててくれたと思うんだ |
みのり | あの時は失敗しちゃったけど、 でも、趣味を振りコピっていってる以上、No.1は譲らないよ! |
ルカ | ふふっ。これは白熱した勝負になりそうね。 楽しみだわ♪ |
ミク | ………… |
こはね | あれ? ミクちゃん、悩みごと? |
ミク | そういうわけじゃないんだけど…… |
ミク | このあいだ、サンドイッチを作る手伝いをしたのに、 やらせてもらったのがパンに具を挟むことだけだったんだよね |
ミク | もっといろんなことがしたかったのに |
杏 | (あはは……。メイコさん、 包丁は持たせたくなかったんだな……) |
こはね | んー。役割を分担して、 流れ作業でやったほうが早いから、かな? |
ミク | ああ、なるほど。 のんびりしてるとパン、パサパサになったりするしね |
杏 | (多分、違う……!) |
こはね | ちょっとしたことでもすごく助かるんだよって、 うちのお母さんも言ってたから、 メイコさんはすごく助かったと思うな |
ミク | ……サンドイッチ作り終わったあと メイコも、ものすごくほっとした感じだったし、 たしかに、役には立ててたのかも |
杏 | (それも多分違う……! でも……) |
杏 | (言えないーーーっ!!) |
こはね | みのりちゃん、お父さんの知り合いが 動物園のチケットをくれたんだけど、 よかったら一緒に行かない? |
みのり | ええっ、いいの!? ありがとう! 動物園なんて久しぶりだよ! |
こはね | うん、私も! あ、実はその動物園、 ヘビのふれあいコーナーもあるみたいなんだ |
みのり | へ、ヘビ!? それって、首に巻いたりするやつ……? |
こはね | ううん、日本で一番小さなヘビとのふれあいコーナーだよ。 小指よりも細くて、手のひらに乗るくらい小さいんだって |
みのり | わあ、そんなに小さいヘビがいるんだ! それなら怖くないし、わたしも興味あるかも! |
みのり | えへへ、他にどんな動物がいるのか調べておこーっと! |
こはね | 遥ちゃんって、毎日トレーニングをしてるって本当? |
遥 | うん。朝と夜にランニングしたり、 家では筋トレもしたりしてるよ |
こはね | わあ……みのりちゃんが言ってたとおり、 なんだかスポーツ選手みたい |
こはね | やっぱり、アイドルとして必要なことだから、だよね |
遥 | うん、私はね。体力的にはもちろんだし、 キレのあるダンスをするのにも必要だと思うから |
遥 | あとはインナーマッスルかな。 声量が増すし、肩とのどの力を抜いて リラックスした状態で歌えるようになるから |
こはね | なるほど……。私ももっと歌うまくなりたいし、 筋トレしてみようかな…… |
こはね | でも、ちゃんと続けられるか心配だな |
遥 | 無理に筋トレを始めなくても、ロングブレスの練習や ストレッチしながらの腹式呼吸とか、 意識する方法はいろいろあるよ |
遥 | だから、こはねにあった方法で試してみてほしいな |
遥 | (杏に『私の可愛い相棒がバキバキになっちゃう』って 文句言われるような気もするし……) |
こはね | うん、いろいろ調べてみるね! ありがとう、遥ちゃん |
杏 | ――それでこはねのすごいところは、 初心者ではかなり大変な量の練習を、 最初の頃からきっちりこなしてきてるところでさ! |
こはね | あ、杏ちゃん。恥ずかしいから、そのへんで…… |
遥 | ふふ。こはねのことを話しだすと、杏は止まらなくなるね |
みのり | (……こはねちゃん、いいなあ。 わたしも、遥ちゃんが堂々と誇れるような 仲間になれてたら……) |
杏 | ――あ、そうだ! せっかくだしさ、 遥が感じるみのりちゃんのいいところも、教えてよ |
みのり | えっ、杏ちゃん……!? い、いきなりそんな! |
遥 | もちろんいいよ。まず……、みのりは明るくて、 いつも笑顔だから見てるこっちも笑顔になれるの。 それから―― |
みのり | あ、あわわわわわっ……! |
みのり | は、遥ちゃんストーップ! それ以上ほめられたら、爆発しちゃうよーっ! |
みのり | おかしいなぁ……。たしかこの辺りに…… |
杏 | あれ、みのりちゃんじゃん! 道に迷っちゃった? |
みのり | 杏ちゃん! 実は、『Smile&Animais』っていう ペット用品のお店を探してるんだけど…… |
杏 | あー、その店なら知ってるよ! 店長さん、うちの父さんのカフェの常連だし |
みのり | えっ、ほ、本当!? |
杏 | うん。場所も知ってるし、案内するね! あ、ついでに、近道も教えてあげる! |
みのり | わあ、ありがとう! この辺り、細い路地とかもあって入りくんでるし助かるよ! |
みのり | (こはねちゃんから、杏ちゃんは顔が広くて この辺りにも詳しいって聞いてたけど……) |
みのり | (きっと、お父さんのカフェを手伝ってるからなんだね! 頼りになるなあ) |
遥 | そういえば昔は、ゲームセンターでもたまに勝負してたね |
杏 | あ、懐かしい! 格闘ゲームもだけど、 どっちがたくさん落とせるかって、 お菓子を落とすゲームでもよく勝負したねー! |
遥 | うん。でもだいたい途中で、食べたいお菓子を落とすのに 集中しちゃうんだよね |
杏 | そうそう! で、お互い戦利品を交換したりね! |
遥 | ……話をしてたら、やりたくなってきちゃったな。 ちょっとやってく? |
杏 | そうだね! 行こっ! |
ミク | ルカ~、もうすぐショーの時間だよーっ☆ |
ルカ | ぐ……ぐぐっ? |
ミク | え? んー、今のは、 『お客さんいっぱい来てくれてる?』って聞いたの? |
ルカ | ぐぐー……ぐっ? |
ミク | むむむ~、違ったみたい |
ミク | ルカの寝言、だいぶわかるようになってきたけど、 これは新しい言葉なのかも! |
ミク | よーし! メイコにも聞いてもらおうっと♪ ――おーい、メイコー! |
レン | ううー……。主人公が仲間を助けるシーン、どうしようかな。 天井から降りてくる……だと変だよねえ |
リン | ――レ~ンっ! こっち向いて、あーんして♪ |
レン | え? あーん……ふぇっ!? な、何これ!? 口の中でしゅわしゅわパチパチするーっ! |
リン | えへへ、えむちゃんがくれたお菓子だよ♪ レンってば、さっきからずーっと悩んで、 難しい顔してたからおすそわけー! |
レン | ありがと、リン! びっくりしたけど、 おいしかったし、すっごい口の中が楽しかった! |
レン | あ……。なんだろう、なんだかすっごくいいアイディアが あとちょっとで出てきそうな気がする! |
リン | きっと、もっとしゅわしゅわパチパチが必要なんだよ! まだあるから、いっぱいしゅわしゅわパチパチして! |
レン | わかった! よーし、絶対いいアイディア思いつくぞー! |
MEIKO | ねえ、カイト! 次にやるショーで使うセットのことで 話したいんだけど、いいかしら? |
KAITO | あ、もしかして超巨大ブランコのことかい? それなら、なんとか作れるように 必要な物を集めてるところだよ |
MEIKO | そう! それについて話したかったの! すごいわ、カイト。どうしてわかったの? |
KAITO | メイコが一生懸命、設計図を作っているのを見ていたからね。 打診があったらすぐ作業に取りかかれるようにって 思っていたんだ |
MEIKO | さっすがカイトだわ! 頼りになるー♪ |
MEIKO | そこまで先読みされてるってことは、その超巨大ブランコで 360度大回転からの大ジャンプを カイトに決めて欲しいってことも、バレちゃってるわね~ |
KAITO | え……。 あれ、君やミクがやるんじゃなくて僕がやるのかい!? |
冬弥 | 神代先輩と司先輩、今日も先生がたに追いかけられていましたね。 何かあったんですか? |
類 | フフ、次のショーの演出で 地面を爆発させたいシーンがあるんだけれど、 学校以外にいい地面がある場所がなくてね |
類 | だけど、青柳くんには悪いことをしたね。 尊敬する司くんが先生達に追いかけられる様は、 あまり見たくはないものだろうし |
冬弥 | あ……いえ、俺はなんだか大変そうだなと思うくらいなので、 気にしないでください |
冬弥 | それに司先輩は、巻きこまれないより 巻きこまれるほうを選ぶと思います。 仲間が関わっていることですしね |
類 | フフ、そうだろうねえ |
類 | (遠慮したらしたで『手加減しただろ』と怒られてしまうし、 こちらも喜んで巻きこませてもらおうかな) |
司 | そういえば、彰人。 お前にもきょうだいがいるそうだな? |
彰人 | え? まあ一応…… |
司 | きょうだいはいいよな! 大切な人の笑顔が見られるだけで、疲れも吹き飛ぶしな! |
彰人 | いや、うちはそういうのないっすね |
司 | なぬ!? ……もしや、複雑な家庭事情でもあるのか!? |
彰人 | 別にそういうわけでもないっすけど……。 単純に性格の違いとか、 姉と弟と、兄と妹の違いじゃないっすかね |
司 | なるほど……。ちなみに、関係は良好なんだな? |
彰人 | コンビニにパシらされること以外はわりと |
司 | そ、そうか。ふむ……きょうだいにも いろいろな在りかたがあるわけだな |
司 | 冬弥、今度時間がある時にでも、久しぶりに我が家に来ないか? |
冬弥 | えっ。それは嬉しいですが、何かあったんですか? |
司 | 実はな、近々あるストリートミュージシャンの一生を 題材にしたミュージカルが上演されるんだが…… |
司 | 見に行く前に、お前からストリート音楽について、 聞いておきたくてな |
冬弥 | あるストリートミュージシャンの一生……。 そのミュージカル、俺も興味があります |
司 | お、では話を聞いたあと、その足で劇場に行くのもいいな! |
冬弥 | はい。あ、それとストリート音楽の知識なら、 彰人のほうがすごいので、 彰人からも聞いたほうがいいと思うのですが…… |
司 | おお、そうなのか! ではぜひ話を聞きたいな。 そのほうが知識も深まって、よりミュージカルも楽しめそうだ |
冬弥 | わかりました。 それじゃあ彰人にも声をかけてみますね |
類 | おや、東雲くんじゃないか。 君も購買からの帰りかい? |
彰人 | え、そうっすけど…… |
類 | なるほど。じゃあ、ものは相談だけれど―― そちらのメロンパンとこのチキンサラダを交換しないかい? |
彰人 | 別にいいですけど。 センパイ、メロンパン好きなんすか? |
類 | いや、別に。 単純に、僕は野菜全般がダメでね |
彰人 | は? じゃあなんでチキンサラダなんか買ったんすか |
類 | さあ、なぜだろうね? |
類 | フフ。東雲くんが交換に応じてくれて助かったよ。 では―― |
彰人 | ……あの人、マジで何考えてんのかわかんねえ |
彰人 | いや、ひょっとして……何も考えてない、のか? |
リン | ねえねえ、いっちー! いっちーがやってる学級委員ってすごいらしいじゃん! |
リン | あたしについてこい!みたいな感じで、 クラスのみんなを引っ張ってくって、サッキーから聞いたよ♪ |
一歌 | えーっと、間違ってはないんだけど、 そこまでリーダーシップを発揮するようなものじゃないよ |
レン | そっかー。一歌がみんなを引っ張ってくとこ 見てみたかったのに |
リン | だねー……。あ、じゃあさ! お試し的な感じで、 『私についてこい』キリッってやってみてほしいなー! |
レン | お、いいね! キリッのところは決め顔でよろしく! |
一歌 | えっ!? えっと…… |
一歌 | わ……『私についてこい』!! |
レン | いいね、かっこいいじゃん! |
リン | だね! これはみんなにも見せてあげないと! ねえねえ、みんなー! |
一歌 | あっ! リ、リン、それはダメ……! |
ルカ | あら……。いい香りがすると思ったら、 ミクとまふゆでティータイム中だったのね |
まふゆ | ルカも飲む? |
ルカ | ええ、いただこうかしら |
ミク | ルカ、どれがいい? ローズにオレンジ……あと、アップルとピーチもあるよ |
ルカ | じゃあローズにするわ。 だけど珍しいわね、ティータイムだなんて |
ミク | ……まふゆ、前は味がした物も、 どんな味か、思いだせなくなってる |
ミク | だから……わたしが教えて、 思いだす手伝いをしようと思って…… |
ルカ | そう……。それなら、ごちそうになるお礼に 私も思いだす手伝いをしようかしら |
まふゆ | うん。……ありがとう、ルカ |
まふゆ | 星乃さん、委員会活動にもだいぶ慣れてきたね。 今日の話しあいで出してくれた意見、すごく良かったよ |
一歌 | ありがとうございます。 ……一応、自分で立候補して学級委員になったので、 これくらいは役に立たないと |
まふゆ | 立候補だったんだね。私と同じで、クラスの子や 先生に薦められてなったのかなって思ってた |
一歌 | あ、でもそんなにかっこいい感じじゃないんです。 誰もやる人がいなかったから……。 それに私、その時はまだバンドもやってなかったので |
まふゆ | ふふ。理由はなんであれ、 自分の意思で手を挙げるってすごいことだと思うな |
まふゆ | 星乃さんは責任感もあるし、気づかいもできるから、 学級委員にすごく向いてると思う。 これからもよろしくね |
一歌 | 朝比奈先輩……。 はい、よろしくお願いします! |
まふゆ | (……部活の話しあいで、昼休み潰れたな。 購買に行く時間もないし、ごはんは別に食べなくてもいいか) |
一歌 | 朝比奈先輩、こんにちは。 今から購買に行くんですか? |
まふゆ | そのつもりだったけど……。 チャイム鳴っちゃいそうだから、教室に戻るところだよ |
一歌 | ひょっとして、お昼買えてないんですか? だったら、これどうぞ! |
まふゆ | ……焼きそばパン? |
一歌 | はい、とっても美味しいんですよ! いつも2、3個買っているので、よかったら……って、そうだ。 先輩、こういう総菜パンって好きじゃなかったりしますか? |
まふゆ | ううん、そんなことないよ。 じゃあ、お言葉に甘えてもらっちゃおうかな |
一歌 | よかった……! ぜひ食べてみてください |
まふゆ | ふふ。ありがとう、星乃さん。 大事に味わって食べるね |
穂波 | あの、朝比奈先輩。 ちょっと相談があるんですが…… |
穂波 | 先輩みたいにみんなから頼りにされるようになるには、 どうしたらいいんでしょうか? |
まふゆ | え? 望月さんは十分、 周りから頼りにされてると思うけど…… |
穂波 | ……そうでしょうか? |
まふゆ | うん。特に奏なんて、 望月さんが家事代行をしてくれてなかったら、 きっと体を壊しちゃってただろうしね |
まふゆ | 大丈夫。望月さんはすごくしっかりしてるし、 頼りになる人だと思う。だから、自信持っていいんじゃないかな |
穂波 | ……! はい、ありがとうございます。朝比奈先輩 |
穂波 | (一歌ちゃんから、先輩のことを尊敬してる1年生が たくさんいるって聞いたことあったけど……) |
穂波 | (朝比奈先輩に言われると、本当に大丈夫かもって思える。 ……尊敬する子が多いのもわかるな) |
奏 | ………… |
一歌 | (あ……。試聴コーナーにいるの宵崎さんだ) |
奏 | ……サビの前のコード進行、なんだか不思議だな。 でもここをよくある進行に変えてしまうと、 この曲の世界観が崩れる―― |
奏 | 耳馴染みはあまりないけど、曲の世界観を印象づけるために あえてこういう進行にしてるんだろうな。あとは…… |
一歌 | …………あ、あの、宵崎さん |
奏 | ……わっ! ほ、星乃さん? |
一歌 | 驚かせてしまってすみません。 すごく真剣に曲を聴かれてたので、 声をかけるのやめようかとも思ったんですが…… |
一歌 | えっと……全部口に出して言われてたので、 一応、教えておいたほうがいいのかなって…… |
奏 | ぜ、全部? えっと……恥ずかしいところ見られちゃったね |
一歌 | ふふ。周りには誰もいなかったので、大丈夫ですよ |
一歌 | (照れた宵崎さん、可愛いな) |
一歌 | あっ! こんにちは、宵崎さん |
奏 | 星乃さん? えっと、こんにちは…… |
一歌 | (思わず声掛けちゃったけど、えっと……) |
奏 | (な、何か言ったほうがいいんだろうけど……。 どうしよう……) |
一歌 | えっと……宵崎さんはお出かけですか? |
奏 | あ、うん。ちょっと用事があって。 ……星乃さんも? |
一歌 | は、はい。私はバイトに行くところです |
奏 | そっか…… |
一歌・奏 | 『…………』 |
一歌・奏 | (会話が続かない……) |
穂波 | あっ、宵崎さん! こんにちは |
奏 | うん、こんにちは。 えっと……すごい量の荷物だね |
穂波 | これですか? 大掃除のための掃除用品なんです。 本当は寒くなる前にやったほうがいいんですけど、 バタバタしていて準備が遅くなっちゃって |
穂波 | あ。今度お邪魔した時、 宵崎さんのおうちも大掃除させていただきますね。 ぴかぴかにするので、楽しみにしていてください |
奏 | わかった。いつもありがとう、望月さん |
愛莉 | ワン、ツー、スリー、フォー! ……みのり! もっと両手大きく広げて! |
みのり | はい……っ! ワン、ツー、スリー、フォーっ! |
愛莉 | (……前に比べて、体力はついてきてるかしら。 振り付けも小さくならず大きく、を意識できてるみたいだし) |
愛莉 | (でも、これじゃあまだまだ。 本格的なライブを通しでやるには、 とにもかくにも体力をつけてもらわないと) |
みのり | ワン、ツー……ここで、ターン! |
みのり | はぁっ、はぁっ……で、できた! 愛莉ちゃん、ミスなしで踊りきれたよ! |
愛莉 | ええ、今のすごく良かったわ! じゃあ、つぎはわたしと合わせるわよ! ほら、すぐ準備! |
みのり | え、ええ~! い、今、踊り終わったところなのに? |
愛莉 | ライブだったら、もう次の曲に入ってるわよ! へばってる顔をファンに見せていいの!? |
みのり | ……そんなのよくない! がんばります! |
愛莉 | その意気よ! さあ、いくわよ! |
雫 | みのりちゃん、今日もたくさん 企画を持ってきてくれてありがとう |
遥 | ファンのみんなが喜んでくれそうな案もいっぱいあったし、 しばらくはアイディアに困らなさそうだね |
みのり | 本当!? えへへ、企画100本ノックやってよかったー! |
愛莉 | え、アンタひとりでそんなことしてたの? |
みのり | うん! リアルイベントやってからずっと、 やりたいこととかアイディアが止まらなくって! |
みのり | 案をだす練習にもなるし、 目標を決めてやってみようって思ったんだ! |
愛莉 | へえ、やるじゃない! わたし達も負けてられないわね |
雫 | ええ! 私も100個、企画を考えてくるわ! |
遥 | ふふ、3人分増えるから、400個になるね |
みのり | よ、400!? すごい、1年分の企画だ! |
愛莉 | ま、全部採用ってわけにはいかないでしょうけど、 それだけあれば、ものすごい企画が生まれるかも! |
みのり | うん! よーし、わたしも自分で作ったやつ、 もっとよくできるように考えてみるね! |
KAITO | えーっと、まず今日はミクちゃんがライブをやって、 次はルカちゃんのライブが隣のステージであって―― |
KAITO | ……あ、そういえばメイコさんが、リンちゃんとレンくんの ライブに飛び入り参加したいって言ってたっけ |
KAITO | どの曲を一緒に歌うかもきっと話しあいたいだろうし、 早めにリンちゃん達にも伝えてあげないとね。 よし、行こう! |
KAITO | 遥ちゃん、みのりちゃん、練習お疲れさま。 はい、タオルとスポーツドリンクだよ。 水分もちゃんととってね |
遥 | これ、わざわざ用意してくれたんですか? ありがとうございます、カイトさん |
みのり | ありがとうございます! すごい……なんだかマネージャーさんがついたみたい! |
KAITO | ふふっ。みたいじゃなくて、マネージャーって 思ってくれていいんだよ。 僕はアイドル兼マネージャーだからね |
KAITO | そうそう、みのりちゃん。ターンする時なんだけど、 左足を軸にして回る時、なんだか回りにくそうにしてるね |
遥 | ……ときどきターンの勢いがつきすぎてるなって 思うところがあったけど、もしかして…… |
みのり | あ、うん。たぶんそこ全部、左足で回ってるところだと思う。 なんだか、力いっぱい回らないと、 次の振りに間に合わない感じがしちゃって…… |
遥 | そっか。利き足じゃないから、 やりづらさが出ちゃってるのかもしれないね |
KAITO | うん。でも、無理にターンしようとするとケガにもつながるから、 少し注意したほうがいいと思うよ |
みのり | はい! カイトさん、ありがとうございます |
遥 | ふふ。カイトさんって、マネージングだけじゃなくて、 コーチングもできちゃいそうですね |
KAITO | え、そうかな? ふふ。だったら役に立てる機会も増えるし嬉しいな |
リン | ねえねえ、カイトくん! ちょっと相談があるんだけど、いい? |
KAITO | うん。どうしたの? |
ミク | 実は、リンちゃんとの合同ライブの演出を考えてるんだけど……。 どんな始まりかたをしたら、みんなワクワクしてくれるか アイディアに詰まっちゃってて…… |
KAITO | ライブの出だしは大事だもんね。 うーん…… |
KAITO | あ、そういえば、 ふたりは一緒にライブをすることが多いんだよね? |
リン | うん! あとね、ミクちゃんとのライブも次で100回目なんだ! だからスペシャルなライブにしたいの♪ |
KAITO | 100回目? それはすごいね! |
KAITO | それなら、さっき言ってたライブの始まりのところで、 今までのライブの映像を流すのはどうかな? |
KAITO | ファンのみんなも、これまでのライブを振り返れて、 すごくワクワクした始まりにできるんじゃないかな? |
リン | わあ、それすっごく良さそう! ね、ミクちゃん! |
ミク | うん♪ でもすごいな、 こんなアイディアがすぐ出てきちゃうなんて |
KAITO | ふふ。僕がファンだったら、 何をどう感じるかなって考えてみただけだよ |
KAITO | みんなのマネージャーみたいなことも やらせてもらってるけど、 実はみんなのファンでもあるからね! |
レン | うーん。この練習日をここにズラして……あ、 でもそれだとこっちが……。 はあ、パズルみたいで混乱してきちゃうな |
KAITO | レンくん、そんなに難しい顔をしてどうしたの? |
レン | あ、カイトくん! 実は、ルカちゃんとミクちゃんのライブに、 サプライズゲストとして呼んでもらったんだけど…… |
レン | 自分のライブとのスケジュール調整がうまくいかなくて……。 ほら、ここなんだけど…… |
KAITO | ああ……お互いのライブのリハが 重なっちゃってるんだね |
KAITO | ……あ、レンくんたしか、前もこのステージでライブしてたね。 その時のセッティングメモが残ってるから、 多少、リハ巻けると思うよ |
レン | 本当!? それができたらすっごく助かるよ! |
KAITO | もう少し細かい調整もしたいし、今時間をもらってもいいかな? |
レン | もちろん! お願い、カイトくん! |
みのり | えへへ、配信の企画のために、遥ちゃんと一緒に 写真を撮ることになるなんて思わなかったな |
遥 | ふふ。『かわいく盛ろう! 自撮り対決!』、 結構白熱したね |
遥 | 結果は、愛莉・雫チームに一歩及ばずっていう感じだったけど |
みのり | うん。わたし、絶対勝つぞって思って、 いろいろ勉強したんだけどなあ |
みのり | 愛莉ちゃん、本当にいろんな撮りかたや 加工の仕方を知ってたよね |
遥 | そうだね。自分達の情報を発信していくのにも、 写真は必要だから、愛莉から教わるのがいいかも |
みのり | うん! あ、じゃあ、今日の放課後に聞いてみよっか! |
雫 | みのりちゃんが飼ってるワンちゃんって大きいわよね。 やっぱり、ご飯はたくさん食べるの? |
みのり | うん! とにかく食欲旺盛で、 逆に食べ過ぎたりしちゃうんだ |
みのり | だから、おやつをあげないようにしなきゃいけないんだけど。 家族全員、ついあげちゃうみたいで…… |
雫 | ふふっ、わかるわ。 大切な家族だからこそ、甘やかしたり、 甘えてほしかったりするのよね |
雫 | 私も昔、しぃちゃんがお菓子をすごく美味しそうに食べるから 私の分もあげるわって、渡そうとしたんだけど…… |
雫 | 『お姉ちゃんのはお姉ちゃんの分でしょ。 自分で食べて』って怒られちゃったわ |
みのり | ん~、自分だけもらって雫ちゃんが食べられないのは 嫌だったのかなあ。 でも、そういう意思が強いところが志歩ちゃんっぽいね |
みのり | よし! わたしも見習って、 絶対におやつをあげないっていう気持ちを強く持たなくちゃ! |
リリアンヌ | オーホッホッホッ! さあ、ひざまずきなさい! |
リリアンヌ | わらわこそ、ルシフェニア王国を治める リリアンヌ=ルシフェン=ドートゥリシュじゃ! |
リリアンヌ | ……ふむ。統治者たるわらわにふさわしい 威厳のある良い口上ができたのう |
リリアンヌ | うむ! 次の臣下達との会議で使ってみるとしよう |
アレン | ふう……。城の庭園、広すぎるよ。 ここを掃除するだけで、1日が終わりそうだ |
アレン | もっと人手があればなあ。 そもそも、王女付きの使用人がする仕事じゃないんだけど…… |
アレン | リリアンヌを恐れて、目をつけられる前にって やめていく人もいるから人手が足らないんだよね |
アレン | ……って、こんな事を言っても掃除は進まないし、 とにかく、手を動かさないと |
アレン | リリアンヌ様、3時のおやつをお持ちいたしました |
リリアンヌ | ん? もうそんな時間か? まだ教会の鐘は、なっておらぬと思ったが…… |
アレン | 間もなく鳴りますよ。3、2、1…… |
リリアンヌ | おお、鳴ったのう……。 きっちり時間を守るとは、使用人の鑑じゃな! |
リリアンヌ | 他の者達にも見習わせたいものじゃのう |
アレン | ありがとうございます、リリアンヌ様。 さあ、どうぞ。お召し上がりください |
アレン | (……人によっては『首をはねられるかもしれない』っていう 恐怖にかられながら用意してるって、 リリアンヌは知らないんだろうな) |
リリアンヌ | アレン。今日のブリオッシュはクリームが少なかったうえに、 砂糖が多かったのう |
リリアンヌ | まさか、クリームの少なさを 甘さで誤魔化すつもりだったのではあるまいな |
アレン | い、いえ、まさかそのような……。 コック達にリリアンヌ様のお言葉を伝えておきます |
リリアンヌ | うむ。『次はない』とも伝えておくのじゃ |
アレン | はい……かしこまりました |
リリアンヌ | (アレンはもちろん、皆がわらわの命令を聞いてくれる) |
リリアンヌ | (成人して、母上のような立派な女王になるためにも、 我をつきとおす強い女であらねばな) |
禍世 | 円尾坂のある鬼ヶ島は、鎖国令を敷いている蛇国において、 唯一、異国の方々の立ち入りや居住が許されている場所なのです |
禍世 | 実は、私も夫も異人の血を引いておりまして、 息子の髪の色はそれは綺麗な金髪で…… |
禍世 | 一体、どちらの先祖に似たのでしょうね。 あるいは両方でしょうか? |
禍世 | 円尾坂で一番お話する機会が多いのは簪屋(かんざしや)の おゆかさんですね |
禍世 | 母の代から、仲良くしていただいて、 仕立てのお仕事もよくいただくんです |
禍世 | 今はちょうど、娘さんのお着物を仕立てているところなんです |
禍世 | おゆかさんにも、娘さんにも喜んでいただけるように 頑張らなければなりませんね |
禍世 | ふう、今日も忙しい1日でした |
禍世 | さて、道具の片付けと裁縫鋏(さいほうばさみ)の 手入れをしなければいけませんね |
禍世 | 母も使っていた、大切な形見の鋏なのですから |
バニカ | 私が好きな食べ物? それはもちろん、美味しいものよ? |
バニカ | でも、魅力を感じるっていう意味では、 食べたことのない物のほうが興味をそそられるわ |
バニカ | ああ、どこかにまだ私が食べたことがない物が 転がっていないかしら? |
バニカ | 『ムララムラジャコタスポポポ』―― |
バニカ | 魔法の呪文のようだけど、これ、 私の名前になっていたかもしれないものだそうよ |
バニカ | お母さまが却下して『バニカ』と名づけてくれたって、 昔、侍従長のロンから聞いたわ |
バニカ | お母さまがつけてくれた名前はもちろん気に入っているけど、 『ムララムラジャコタスポポポ』も、繰り返し聞いていると…… |
バニカ | 珍味みたいな名前で、意外と悪くない気がしてくるわね |
バニカ | アルテとポロとは、私が小さい頃からずっと一緒よ |
バニカ | あの子達、私と違っていくら食べても太らないから、 昔はうらやま……とても不思議だったのよね |
バニカ | でも、あの子達はそういう、 ちょっと不思議な存在だったんでしょうね |
バニカ | そうでなければ、十数年ものあいだ 一切成長しないはずがないもの |
バニカ | まあ正体がなんであれ、一緒にすごした日々は楽しかった。 私にはそれで十分よ |
ガレリアン | 私が司法の道を目指したのは、私の母……、 エルルカ=Ma=クロックワーカーの死刑判決に 疑問を抱いていたからだ |
ガレリアン | 父も裁判官のひとりとして、そして夫として、 その謎を突き止めようとしたが果たせなかった |
ガレリアン | ……真相がわかったところで、母は帰ってはこないがな |
ガレリアン | ミッシェルの誕生日プレゼントは、 毎年いろいろ悩んでしまうな |
ガレリアン | なるべく私自身が考えて用意するようにしているが…… |
ガレリアン | 最終的には、使用人の中でも最も信頼しているブルーノに 相談するようにしている |
ガレリアン | 私が仕事でいないあいだ、 屋敷で娘の面倒を一番見てくれているからな |
ガレリアン | カヨ=スドウ……脚本家で、ペンネームはMa(えむえー)…… |
ガレリアン | 私の母、エルルカのミドルネームをペンネームにするあたり、 かなりの信奉者で、顔もそっくりに 整形したのではないかというほど似ていたが…… |
ガレリアン | 結局、彼女が何者なのかわからずじまいだったな |
マルガリータ | 私は生まれてこのかた、眠ったことがありません |
マルガリータ | 医師である父はかつて 『医学的見地から見て非常に興味深い』と 色々原因を調べようとしたようですが…… |
マルガリータ | 結局、原因は分からず『突然変異』と結論づけたみたいですね |
マルガリータ | 夢を見るというのは、どういう感覚なのでしょうか…… |
マルガリータ | あ、将来の夢――という意味ではなく、 眠って見るほうの夢の話です |
マルガリータ | 『眠る』ことのない私にとっては縁遠いものですが……。 一度でもかまわないので、体験してみたいものですね |
マルガリータ | 父の望むままに夫を迎え、その夫がどれほど女性達を屋敷に招き、 散財しようが、文句ひとつ言わない―― そんな私を、可哀想と言う方がいます |
マルガリータ | しかし、私は十分幸せです。 彼が愛をくれないのならば、私が二倍差し出せばいいのですから |
マルガリータ | しいて言うのなら……、 私はただそこにいるだけの『お飾りの人形』です |
マルガリータ | そう的確に表現してくれたのはエルルカだけですが…… |
マルガリータ | それだけではひどいようにも聞こえる言葉ですが、 私という存在を理解してくれていると感じました |
マルガリータ | それ以来、彼女は大切な友人です |
ルカ | め~~~ちゃん♪ |
MEIKO | あら、どうしたの? 急に呼びかた変えて |
ルカ | 試しに変えてみたら、 どんな反応してくれるかなって思って |
ルカ | けど、いまいちだったなあ……。 もうちょっと可愛い感じの声で呼んだほうがよかった? |
MEIKO | どんな声でも同じよ。 また思いつきで何かやってるんだなって思うくらい |
ルカ | えー。なんだかいいようにあしらわれてる感じ…… |
MEIKO | そんなことはないわよ。 それより、せっかく寄ってくれたのに コーヒーは飲んでいってくれないの? |
ルカ | もちろん、飲むよ! メイコがいれてくれたコーヒーは最高だからねー♪ |
ルカ | ――♪ ――♪ |
ルカ | ……うーん。ここはもう少しシンプルに歌ったほうがいいかな? でも、ラスサビ前だから盛り上げていく感じもアリだし…… |
ルカ | …………ま、いっか! 細かく考えるより、 感じたままに表現するのが性に合ってるし! |
ルカ | うんうん。歌はやっぱり、フィーリングとパッションだよね~ |
レン | あっ! ミク、ルカ、ちょうどいいところに来たね! |
ミク | ちょうどいいところって? |
ルカ | もしかして、何か楽しいことでも始まるの? |
レン | すぐじゃないんだけど……。 オレ達もキャンプがしたいって彰人に言ったら、 テントを貸してもらえることになったんだ! |
レン | だから、今度みんなでキャンプしてみようよ! |
ミク | それはいいけど……森も川もないよ? |
ルカ | たしかに、大自然は感じられないかもね |
ルカ | でもみんなで料理したり、火を囲んだり、 川の字みたいにゴロゴロ~って寝たりするの、楽しいんじゃない? |
ミク | ふーん。よくわからないけど……。 わからないからこそ、やるっていうのはいいかもね |
レン | そうこなくっちゃ! よーし、あとはカイト達にも聞いてこよーっと! |
こはね | …………! |
冬弥 | 小豆沢、何を見ているんだ? |
こはね | あそこに映ってる、えっと……ヘヴィメタルのライブかな? なんだかかっこいいなって! |
冬弥 | あ……。バンドメンバーも観客も、みんなリズムに合わせて 頭を振っているな。たしかヘッドバンギングというものだったか |
こはね | うん! ああいう曲はあんまり歌ったことないし、 ちょっとだけ、ヘドバンにも興味があって…… |
こはね | 私はそんなに似合わないかもだけど、 杏ちゃんはかっこよさそうだなーって思って! |
冬弥 | たしかに、髪が長いし迫力がありそうだな |
こはね | 青柳くんもそう思う? えへへ、今度試しにお願いしてみようかな |
彰人 | そういえばお前、テントがあったとはいえ、 外で寝るとか地べたで寝るとか、全然気にしてなかったな |
杏 | たしかに。アウトドアの経験ないって言ってたし、 そういうの抵抗感あるかもって思ってたけど…… |
冬弥 | どんな感じなんだろうかという興味はあったが、 たしかに、特に気にならなかったな |
杏 | ふふ、冬弥っていい意味で大雑把なとこあるよね。 そういう大胆なとこ、こはねと一緒かも! |
こはね | え、私? |
彰人 | ああ。お前、虫がいるかもしれねえのに、 なんのためらいもなく草むら入って行ってただろ |
こはね | あ、うん。森なんだから、虫くらいいても普通だし |
杏 | それ! そう考えられちゃうのがすごいんだよね。 私なんて急に飛びだしてきたらどうしようって思って、 絶対誰かのあとに入るようにしてたし |
彰人 | 急に出てきたら驚くってのは、わからなくもねえけど |
冬弥 | 小豆沢が平気で、白石が苦手というのは、少し意外だな |
杏 | い、いいでしょ別に |
こはね | でも、私はちょっとだけ嬉しいかも。 杏ちゃん、怖い虫が出た時は私が杏ちゃんを助けるよ |
杏 | こはね~~~っ! やっぱり、こはねは私の最高の相棒だよ! |
杏 | 冬弥って、お昼食べる時も飲み物はコーヒーなの? |
冬弥 | ああ。昼はサンドイッチやパンを食べることが多いからな |
杏 | あ~、サンドイッチならコーヒーも合うもんね。 ていうかそもそも、おにぎりやお弁当を 食べてるイメージあんまりないかも |
冬弥 | まったく食べないわけではないんだが……。 たまに食べると、彰人にも珍しがられる |
杏 | え、彰人が珍しがるって相当じゃん! ちなみに、その時の飲み物は? |
冬弥 | お茶だな |
杏 | あはは、さすがにそうだよね! |
冬弥 | ………… |
彰人 | ん? なんだよ、人の顔じろじろ見て |
冬弥 | いや、言葉にできないが……。 何か違和感があるような気がしたんだ |
彰人 | ……ああ。前髪ちょっと切ったから、それじゃねえか? |
冬弥 | …………! そう、だったのか…… |
彰人 | 今度は急に落ちこんでどうしたんだよ。 まさか、気づかなかったこと気にしてんのか? |
冬弥 | ……ああ。白石と小豆沢は、相棒として お互いそういう指摘をよくしているだろう |
彰人 | いや、相棒としてはともかく……。 本当にちょっと切っただけだし、言われてびっくりした |
冬弥 | あ……。 ……そうか |
ミク | ……ふう。今日はこんなところかな。 ルカ、大掃除につきあってくれてありがとう |
ルカ | いいのよ。私もちょうど、しなくちゃって思っていたから |
ルカ | それにしても、窓も机も床もピカピカね |
ミク | うん。ちょっと頑張っちゃった |
ミク | 新しい1年が始まるし、 綺麗で気持ちのいい教室で、練習を始めてほしくて |
ルカ | ふふ。さすがミク先輩ね |
ミク | あ……もう、すぐにからかうんだから…… |
ミク | (――今年も、たくさんの曲を一歌達と演奏したいな) |
リン | はあ……。なーんか退屈だなぁ~ |
ルカ | あら。じゃあ私と一緒に学校探検はどうかしら? |
リン | え、学校探検? それなら、レンといっぱいしたよ? |
ルカ | ふふっ。でも、ちょっと教室をのぞいたくらいでしょう? 実は、面白い物がいろいろしまってあったりするのよ? |
ルカ | たとえば、おままごとセット。 もしかしたら一歌達が小さい頃に遊んだものかもしれないわ |
リン | わっ! それ、想いの宝探しじゃん! やるやるっ☆ |
ルカ | ふふ。それじゃあ出発ね |
リン | ねえ、レン! 新しい1年の始まりだし、 一緒に新しい曲やんない? |
レン | え? ついこの前、別の曲を練習し始めたばっかりだろ? まずはそっちを完璧に仕上げたほうがいいって |
リン | もちろん、そっちもやるよっ☆ けど、いろんな曲を演奏したほうが、 いろんな練習になって、早くうまくなれるじゃん? |
KAITO | ……あれ? あのふたり、またケンカしてる? |
MEIKO | ううん。ただのじゃれ合い。 白熱してきたらケンカになるかもだけど、 それもいつものことだし気にしなくても―― |
リン | そうだっ☆ カイト兄達に聞いてみよーよ! |
レン | オレ達だけじゃ、らちが明かないしな |
MEIKO・KAITO | 『あ……』 |
MEIKO | 盛大に巻きこまれそうだね |
KAITO | ……これも、いつものことだし 仕方ないか |
MEIKO | あれ? なんの本を読んでるの? |
KAITO | ……一歌が貸してくれた童話の本 |
MEIKO | 童話? 音楽の本とかじゃなくて? |
KAITO | ……うん。あ……でも、魔法の太鼓が出てくるし……。 音楽と関係ないわけじゃない、かな |
KAITO | それに……この童話を書いた人の故郷の民謡とかも、 ちょっと、関わってるらしい |
MEIKO | 魔法の太鼓に、民謡か。 それで興味がわいて読んでるんだ |
MEIKO | ねえ、どんな話だったかあとで教えてくれない? |
KAITO | ……ん、わかった |
リン | ねえねえ、ミクちゃん! わたしのダンス、ちょっと見てて♪ |
リン | ワン、ツー、スリー……ここっ! |
ミク | わあっ! すごくきれいなターン! 今のところ、リンちゃんが苦戦してたステップだよね! |
リン | うん! ようやくできるようになったの♪ ミクちゃん、練習見てくれてありがとう! |
ミク | ふふ、どういたしまして♪ でも、できるようになったのは リンちゃんがたくさんがんばったからだよ |
リン | えへへ……。みのりちゃん達もがんばってるし、 負けていられないもん! |
ミク | そうだね。よーし、わたし達もがんばっちゃおう♪ |
リン | おー! |
KAITO | 声の響きや音響の確認もできたし、 これで次のライブも大丈夫そうかな |
レン | あ、カイトくん、お疲れさまー |
MEIKO | またライブの準備中みたいだけど、 今度は誰のライブを手伝ってるの? |
KAITO | ああ。今準備してるのは、僕自身のライブだよ |
ルカ | あら、そうだったのね! 言ってくれれば手伝ったのに~ |
MEIKO | そうよ。いつもお世話になってるんだから、 こういう時くらい、手伝わせてほしいわ |
KAITO | ふふ、ありがとう |
KAITO | それじゃあ、ちょっとだけ演出の相談をしてもいいかな。 曲と曲のつなぎなんだけど、しっくりこないところがあって |
レン | ちょっとなんて言わないで どーんっと任せてくれてもいいんだよ |
レン | メイコ、ブレンドコーヒーちょうだい? |
MEIKO | ええ。あ、ミルクとお砂糖は? |
レン | なしで大丈夫! 今日はブラックな気分なんだ |
ミク | へえ、いつの間にか 本当にブラックも飲めるようになったんだ |
レン | 本当にってなんだよ。 前はそういう気分じゃなくて、飲まなかっただけだから! |
ミク | じゃあ、そういうことにしておこうかな |
MEIKO | そういうミクは何にするの? |
ミク | そうだね……。じゃあ、カフェオレ。ホットで |
MEIKO | わかったわ。ふたりにとびきり美味しい ブレンドとカフェオレいれてあげる |
ルカ | それにしても、カイトがリン達のDJの師匠なんてね~。 どう、リン。カイトはちゃんと教えてくれてる? |
リン | うーん。いい加減なところもあるけど、 教えてくれる時は、ちゃんと教えてくれるよ |
KAITO | あんまり褒められてないような…… |
ルカ | んー。ダメ半分、いい半分で50点てところかな? |
KAITO | うっ……。 あ、でもレンの分も足したら、きっと100点になるよね! ボク、それなりに頑張ってるし! |
ルカ | あはは。それなりにって言ってる時点でダメっぽいね |
リン | うん。だって、カイトだもんね! |
ミク | 司くん達、まだかなーっ☆ まだかなーっ☆ |
KAITO | そんなに司くん達が来るのが楽しみかい? |
ミク | うん♪ 今日は司くん達に、 ミクとぬいぐるみのみんなで考えたショーを見てもらうんだっ☆ |
ミク | いたずら好きの悪魔が出てくる、 とーってもバイオレンスなショーでね! 途中でお客さん達の中から、いけにえを選ぶの |
KAITO | えっ、バイオレンス……? |
ミク | そうなのだー! ふっふっふっ。 悪の大魔王ミクによってミクミクひゃっほいに されちゃうのはだ~れかな~♪ |
KAITO | ふふっ。ミクミクひゃっほいか…… |
KAITO | (バイオレンスっていう言葉が出たのは驚いたけど……。 きっと、いつもどおりの楽しいショーなんだろうな) |
MEIKO | 次にやるショーのお話を決めるわよー! |
リン・レン | 『おーっ!!』 |
ルカ | ふふ、みんなで作るショー、 とっても……楽しみ……ぐー……ぐー |
MEIKO | って、言ってるそばから寝てるし。 こらー、起きなさーい! |
ルカ | むにゃ……。眠ってても……できるショーって、 ないかしら…… |
リン | あ、眠り姫のお話なんてどうかな? それなら、ルカも眠りながらショーに参加できるよ! |
MEIKO | もう、そうやってルカを甘やかしちゃダメよ。 いざっていう時に起きない可能性だってあるんだから~ |
レン | じゃあ、ルカも楽しく起きていられるショーにしなくっちゃね! |
リン | うん! 何がいいかなぁ~ |
MEIKO | 優しいわね、ふたりとも。 ルカ、ふたりにちゃんと感謝するのよ? |
ルカ | ん……。ええ。 ふたりとも、ありがとう……すやぁ…… |
えむ | 類くん類くんっ! 今度のショーで、花びらを降らせるって本当? |
類 | ああ。花畑で主人公が、 父方に引き取られた妹と再会するシーンでね |
類 | もしかして、何かいいアイディアを思いついたのかな? |
えむ | うん! 名付けて、お花のじゅうたん作戦!! |
えむ | 絵にも描いてきたから見て見てっ☆ ほら、こうやってお花がいっぱいついた布とかにひもをつけて、 反対側の袖から引っ張ると…… |
類 | ふむ……文字どおり花のじゅうたんが広がって、 ステージを花畑に変える、と……いいねえ、素晴らしい! |
類 | 床に広げるだけでは見栄え的にももったいないから、 草むら用の背景道具にかけたりして立体感を持たせよう |
類 | あと、それを手前から奥に3列ほど並べれば、 うまく奥行も表現できるかもしれない |
類 | フフ。これはさっそく試してみなければ! 行こうか、えむくん! |
えむ | うんっ☆ お花のじゅうたん作戦、開始だー♪ |
ミク | ……まふゆ、最初とすごく変わった。 だからここは、もう誰もいないセカイじゃない |
ミク | でも……どんな風になっても、ここはまふゆの想いのセカイ。 わたしは、このセカイのミク |
ミク | これからも、ずっと―― |
ミク | あ……みんな…… |
リン | ミク……。どうかしたの? |
ミク | ううん、なんでもない。 ただ、みんながいるのが見えたから…… |
ルカ | つまり、会いたくなったから来てくれた、っていうことかしら |
ミク | うん…… |
MEIKO | 私達は、別にどこかへ行ったりしないわよ |
ミク | うん……でも、みんなを見かけると、嬉しい |
ルカ | そう……。 じゃあ、今日は4人でおしゃべりするのはどうかしら? |
MEIKO | ……と言いながら、 人の腕をつかむのはどうかと思うわ |
リン | ……別に逃げないよ。 暇だし…… |
MEIKO | それもそうね…… |
ミク | ルカ……リン、メイコ…… |
ミク | ありがとう…… |
リン | ………… |
ミク | ……リン? なんだか、怒ってる |
リン | ……服についてるリボンがいうこときかなくて。 もう……なんで縦になるの? |
ミク | ……見せて? えっと、輪っかにならないほうのリボンが上だから…… |
リン | ……あ、きれいなちょうちょ結びになった。 なんで? |
ミク | コツが、あるんだって。 瑞希が前に教えてくれた |
リン | ふーん。……それで瑞希も、きれいにリボン結べるんだ。 ……ねえミク。そのコツ、教えて |
ミク | うん、いいよ |
ルカ | メイコ、ちょっと手を借りてもいいかしら |
MEIKO | いいけど何を……。 ……いえ、言わなくてもいいわ |
MEIKO | そのおかしなくらい両手に絡まっているあやとりの紐を ほどけばいいのね |
ルカ | ええ。……おかしいわ、私はただ『東京タワー』っていうのを 作りたかっただけなのに…… |
ルカ | 途中で失敗したって気づいた時に、 なんとか持ち直そうとあれこれしたからかしら? |
MEIKO | ……はい、これで右手は抜けるんじゃない? |
ルカ | あ……ふふ、ありがとうメイコ、助かったわ。 お礼に『東京タワー』が作れるようになったら 最初に見てちょうだいね |
MEIKO | いい、って言っても見せに来るんでしょ? 好きにしてちょうだい |
ルカ | ええ、そうするわ。ふふっ |
遥 | 愛莉。前に意見をもらった料理企画をブラッシュアップしたの。 よかったら、また見てくれる? |
愛莉 | ええ、もちろん。 ……あら、おもしろいじゃない! |
愛莉 | ところどころ虫食いになっているレシピを見て、 答えを推理しながら料理していくのね |
遥 | うん。クイズの答え次第で、料理の出来栄えも変わったりしたら 面白いかなって思って |
遥 | 作る料理も、てんぷらとかエビチリとか、 イメージはできるけど、どうやって作るのかまでは 詳しくわからないものにするとか |
愛莉 | ふふ。みんなの記憶力や知識、想像力が試されるってわけね! |
遥 | きっと愛莉には簡単なクイズになっちゃうから、 解説と最後のお手本作りをお願いしようかなって思ってるの |
愛莉 | 解説というより、ツッコミになりそうな予感もするけど……。 ふふ、それはそれで楽しそうね! |
雫 | 遥ちゃん、毎日2回、ランニングをしてるのよね。 今度、私も一緒に走っていいかしら? |
遥 | もちろん。でも、どうして? |
雫 | 私もランニングを始めたいんだけど、 でも、ひとりでやろうとすると帰ってこられるか心配で…… |
遥 | あ……きっと、道に迷っちゃうね |
雫 | ごめんなさいね、こんな理由で…… |
遥 | ううん、誰にでも苦手なことってあるから。 早速だけど、明日にでもどうかな? |
雫 | ええ。私は大丈夫よ。 ありがとう、遥ちゃん |
雫 | あら。このお洋服、たまに遥ちゃんが着てる服に似てない? |
愛莉 | あ、本当ね。でもこの色ならみのりも似合いそう |
みのり | 本当? ……はっ! それを買えば、 遥ちゃんとおそろいっぽいコーデができるのでは!? |
遥 | ふふ、じゃあみのりがその服を着る時は 私もそろえて…… |
遥 | ……そうだ。お互いの私服を交換してみるっていうの、 ちょっと面白そうかも |
みのり | えっ……!? |
遥 | 身長とかの違いがあるから、難しいのもあるかもしれないけど、 私達の普段着てる服とか、ファンのみんなもきっと興味が―― |
みのり | は、遥ちゃんの服を、わ、わわわ、わたしが着る!? |
みのり | それじゃあまるで遥ちゃんとおそろい……。 じゃなくて、わたしが遥ちゃんになっちゃう!? |
愛莉 | いや、遥にはならないでしょ |
雫 | ふふ。でも、そういう気分は味わえるんじゃないかしら? |
雫 | あ、そうだ愛莉ちゃん! 私、ハッピーエブリデイになってみたいな! |
愛莉 | え? まあ、仮面を貸すのはかまわないけど…… |
遥 | じゃあ、次の配信の企画はこれで決まりかな。 ふふ。いろいろ、服を見繕っておかないとね |
みのり | うん! |
穂波 | ん…… |
一歌 | 穂波? のどを抑えてどうしたの? |
穂波 | あ、大したことじゃないんだけど、 なんだかいがいがしてて…… |
咲希 | もしかして風邪のひき始めとか? |
志歩 | それか、のどが乾燥してるとか? ……はい。とりあえずのど飴 |
穂波 | ありがとう、志歩ちゃん |
一歌 | あ。穂波、私のもあげる |
咲希 | アタシのも! お兄ちゃんもよくなめてる、すごいやつらしいよ! |
志歩 | へえ。じゃあそれなめたら、司さんくらい 大きな声が出せるようになるかもね |
一歌 | え、じゃあ私もそれなめたら、 もっと声をはって歌えるようになるかな |
穂波 | ふふっ |
穂波 | みんな、飴ありがとう。 大事に食べるね |
みのり | わあっ! 見て遥ちゃん! あのクレーンゲームのワンちゃん、すごくかわいいよ! |
遥 | あ、本当だね。 ……ふかふかぬいぐるみシリーズ、だって |
みのり | いいなぁ。すっごくふかふかで気持ちよさそう~。 ……でも、うちにはサモちゃんがいるし、 そもそも取るの難しそうだなあ |
遥 | そうだね。思わぬ出費になっちゃいそうだし、 無理は……。あ…… |
みのり | 遥ちゃん? |
遥 | ワ、ワンちゃんの後ろに、ペンギンがいる……。 か、可愛い……! |
遥 | ……あっ。でも、あの場所じゃ絶対に取れないよね。 そう、無理はいけないし…… |
みのり | えっと……お店の人に言えば、 やりやすい位置にペンギンさん出してくれると思うけど……。 どうする? |
遥 | えっ、本当!? じゃあ……ちょっとだけ、試してみちゃおうかな |
みのり | うん! じゃあ、お店の人に言いに行こっ! |
絵名 | 愛莉達、最近の配信絶好調だね。 このあいだの、私服の取り換えっこ企画もおもしろかったし |
愛莉 | あら、見てくれてたのね! わたし達自身もすごく楽しかったから、 あの企画は第二弾もやるつもりよ! |
愛莉 | でもせっかくやるなら、 前回とまったく同じにはしたくないのよね |
絵名 | んー、前のはペアを組んで お互いの私服を取り換えっこしたんだよね |
絵名 | あ……じゃあ今度は着たい服を、順番に選んでいくのはどう? で、もし他の人と着たい服がかぶっちゃったら くじ引きで決める……みたいな! |
愛莉 | なるほど、私服のドラフト大会か……。 いいわね、それ! みんなにも提案してみるわ! |
絵名 | やった! |
絵名 | (ふふ。採用されたら、瑞希に自慢しちゃおーっと) |
瑞希 | 雫ちゃん、今日は刺しゅう教えてくれてありがとう! おかげで、最高にカワイイデザインの服が仕上がったよ! |
雫 | ふふ、どういたしまして |
雫 | でも本当にすごいわ。瑞希ちゃんが作ったお洋服、 お店で売っててもおかしくない仕上がりだったもの |
瑞希 | ふっふっふっ。縫いかたとか、裏地とかも、 結構こだわってるからね~ |
雫 | あ、そういえば襟や袖口のところは、 裾とは違う種類のステッチで縫ってあったわ。 それも、こだわりのひとつなのね |
瑞希 | そうそう! さっすが、雫ちゃん! よく見てる~♪ |
こはね | ……あ。ゲームセンターで何かイベントやってるみたいだよ。 えっと、『今だけコイン半額』だって! |
杏 | コインって、ゲームするのに使うやつでしょ。 半額ってすごくない? |
冬弥 | そう、だな…… |
彰人 | ……今日の練習終わってるし、 遊びたきゃ遊んでくればいいだろ |
冬弥 | ……! では、みんなで少し寄っていかないか? |
冬弥 | 実は前から、普段あまりやらない対戦系のゲームに 挑戦してみたいと思っていたんだ |
杏 | いいね、おもしろそう! ついでに、私達の中のナンバーワンを決めちゃおうっか! |
こはね | 私はあまり自信ないけど……でも、楽しそう! |
彰人 | ま、ちょっとくらいはつきあってやるよ |
冬弥 | ありがとう、みんな。 では、行こう |
寧々 | ――はい、K.O. これでわたしの15連勝ね |
司 | ぐぬぬぬ……。えむと類を待っている わずかな時間のあいだに……! |
司 | というか、寧々! 手加減という言葉を知らんのか!? |
寧々 | そっちこそ、わたしが強いってわかってて 格ゲーで勝負しようって言うほうがおかしいでしょ |
寧々 | それで、どうする? まだやる? なんなら、目をつむってやろうか? |
司 | なんだと!? |
司 | 目をつむっていてもあの複雑なボタン操作が可能だというのか!? それはそれで見たいんだが!? |
寧々 | え……じゃ、じゃあ、1回休憩がてら見てたら? NPC相手なら余裕で勝てるし |
司 | 本当か!? ぜひ頼む! |
絵名 | ううっ、寒っ……! この季節の打ち上げ、来るのつらいんだけど…… |
瑞希 | まあまあ。ファミレスに着けばあったかいから、我慢我慢 |
まふゆ | ……奏は、寒くないの? |
奏 | うん、今は平気。ジャージの下に、 着てるだけで温まる服、着てるからかな |
絵名 | ああ……あるよね、そういうの。 たしかに着るとあったかいんだけど、いまいちデザインがね。 それに、肌が乾燥するし…… |
瑞希 | まあねえ。でもカワイイ色もあるし、 保湿はボディクリームでカバーできるし、 さすがにボクも機能性をとるかなあ~ |
奏 | まふゆは? あんまり厚着してる感じじゃないけど…… |
まふゆ | みんなが言ってるのと同じ物かはわからないけど、 お母さんに渡された、温かくなる肌着は着てる |
絵名 | え、みんな着てるの? ……私も着ようかな、寒いのイヤだし |
瑞希 | 意地はって風邪ひくのもよくないしね~。 服とボディクリームのお店、教えてあげよっか? |
絵名 | 別に意地はってるわけじゃないけど。 まあ、お店よろしく |
奏 | あ、わたしも帰りに保湿クリーム買っていこうかな。 たまに肌がかゆくて、集中できない時あるし |
まふゆ | ……そういえば、お母さんも乾燥肌が気になるって言ってたし、 私も何か買っていこうかな |
瑞希 | おおー! じゃあ久しぶりにみんなで買い物だね! 楽しみ~♪ |
えむ | わあっ☆ 今日もお客さんがいっぱいだねえ! |
類 | ナイトショーがSNSで話題になってから、 夜だけじゃもったいないから昼も、と、 1日をここで過ごすお客さんも増えたみたいだしね |
寧々 | ていうか、増えすぎじゃない? ワンダーステージの前も、開演1時間前なのに、 すごい行列ができてるんだけど…… |
司 | なんだ寧々、緊張しているのか? 案ずるな、何かあってもオレ達でフォローしてやるぞ! |
寧々 | ……別にいいから |
寧々 | 練習どおり……ううん、練習以上のショーをして、 来てくれた人みんなに、笑顔になってもらわなくちゃ |
司 | おお! よく言ったな、寧々! |
えむ | みんなで今日も楽しいショーにしようねっ♪ 寧々ちゃんっ☆ |
寧々 | はいはい。そんな大声で言わなくても聞こえてるから |
類 | フフ。では今日も、明るく楽しく安全に、 ワンダーランズ×ショウタイム、公演開始だね |
司 | なっ、なんだ今の爆発音は!? |
類 | おや、司くんじゃないか。 ちょうどいいところに来たね |
レン | 司くんも一緒に食べようよ! |
ミク | どっかーんって、爆発で作ったお菓子だよっ☆ |
司 | ん? これはもしや……ポン菓子、か? |
類 | ああ。両親の知りあいの知りあいから、 いらなくなったからと、専用の機械を譲り受けてね |
司 | いや、なんでそんな物が 知りあいの知りあいから流れてくるんだ…… |
類 | さあ? でも、大砲の音として使えるかなと思って、 録音ついでに実演していたんだよ |
ミク | すっごかったんだよ! ドッカーンッ、バラバラー、もくもくーって! |
レン | うんうん! ねえ、類くん、もう1回やろうよ! |
類 | ああ、いいよ。 司くんも見学していくかい? |
司 | ふむ。自分が爆破されない実験というのは新鮮だし、 見ていくか |
類 | まるで僕がいつも司くんを爆破しているみたいな言いかただねえ |
司 | だいたいそうだろうが |
レン | 司くんって、そんなに爆発してるの!? |
ミク | じゃあ、お米をドッカンするのもきっと上手だね! |
司 | そういうことじゃない! |
リン | ねえねえ、飛行機の中ってどんな感じだった? |
えむ | テレビがついてるソファがあって、 係のお姉さんが、ご飯とか飲み物くれたりしたよ! |
KAITO | すごいね。あ……もしかして、ファーストクラスだったのかな? |
えむ | たぶんそうだよ! 寧々ちゃん達も、み~んなびっくりしてた♪ |
リン | あれ? えむちゃんはびっくりしなかったの? |
えむ | えへへ。だって、うちのおじいちゃんが持ってた飛行機のほうが すっごいんだよ! |
えむ | おじいちゃんがいろいろお願いしたから、 飛行機の中にメリーゴーランドのお馬さんがいたり、 コーヒーカップのソファがあったんだって! |
KAITO | それは……まるで空飛ぶ遊園地だね |
えむ | うん! あ、でも、アメリカでやりたいことができたからって ポーンって売っちゃったみたい |
リン | そうなの? せっかくの空飛ぶ遊園地だったのに…… |
KAITO | ひょっとしたら…… |
KAITO | 夢がつまった空飛ぶ遊園地よりも えむちゃんのおじいちゃんをときめかせる何かとの出会いが、 あったのかもしれないね |
ルカ | あ、寧々ちゃん。ちょうどいいところに来てくれたわ~ |
寧々 | え? な、なんでわたしの後ろに? |
ルカ | うふふっ、いいからいいから~ |
MEIKO | 寧々ちゃーん、この辺りでルカを見なかった……って、 いるわね、そこに |
寧々 | う、うん |
寧々 | (全然隠れられてなくて、誤魔化す気にもなれない……) |
MEIKO | もう十分昼寝したでしょ。 ほら、ショーの練習につきあってちょうだい |
ルカ | 違イマス。ワタシは、ルカデハナク、ネネロボデス |
寧々・MEIKO | 『…………』 |
MEIKO | 寝言は寝てからいいなさい。 いや、寝られても困るけど……。 とにかく、練習つきあってくれるっていう約束だったでしょ! |
ルカ | アー、ネネチャン、タスケテー |
寧々 | えっと……。約束してたんじゃ、仕方ないかな |
寧々 | (というかルカさんのネネロボ、 しゃべりかたすごく似てたかも……) |
えむ | 寧々ちゃーーーーん!! |
寧々 | え、えむ!? また勝手に入ってきたの? |
えむ | えへへっ。これだけたくさん来てるから、 あたし、半分はここの生徒だよ♪ |
寧々 | いや、そんなわけないでしょ |
寧々 | よく考えてよ。 たとえば、司が宮女に何度も行ってたらどう思う? |
えむ | んー……咲希ちゃんを迎えに来たのかな?って思う! |
えむ | あ、そっか! だからあたしも、 寧々ちゃん達を迎えに来たって言えばいいんだね! |
寧々 | いや、違うんだけど…… |
寧々 | (ダメだ。今のは完全に例えが悪かった……) |
えむ | ねえねえ、類くん。 類くんのお部屋すっごくおもしろかったから、また行きたいな! |
類 | ああ、作業部屋のことかい? もちろんかまわないよ。いつでもおいで |
えむ | わーい! まだポチポチしてないボタンたくさんあるから、 ぜーんぶポチポチしたいな♪ |
類 | では、次にえむくん達が遊びに来る時までに、 当たりのボタンを作って隠しておこうかな |
えむ | 当たりのボタン!? |
類 | ああ。それを押すと、部屋中のロボットが一斉に動き出して、 ダンスをするんだ! どうかな? |
えむ | わぁ……! た、楽しそうっ!! |
えむ | よーし! 今度類くんのおうちに遊びに行ったら、 そのボタン絶対ぜーったい見つけなくっちゃっ☆ |
司 | 社会も文化も、今や完全にグローバル化してる! そこでオレ達のショーも、そろそろグローバル化させていくぞ! |
えむ | おおー! 何するの何するの!? |
司 | まず手始めに脚本を英語にする! すると――……フッ、どうなると思う? |
えむ | ほえ? 小さい子がお話わからなくなっちゃうんじゃない? |
司 | む、期待していた答えとは違うが……。 たしかにそれは由々しき事態だな |
司 | あ……いや! なるべく簡単な英語で表現することによって、 子供達の英語の勉強になるんじゃないか? |
えむ | なるほどー! さすが司くん! サウンズ ライク ア プラン!っだね♪ |
司 | え……。あ、ああ、そうだな! そのとおりだ! |
司 | (まずい。グローバル化の前にオレが英語を勉強せねば……) |
司 | ふっ……! はっ……! |
寧々 | ねえ、また司がひとりで なんか変なポーズ決めてるんだけど |
類 | たしかにそう見えなくもないけれど、あれはもしや…… |
えむ | おーい、司くーん! 楽しそうだねっ☆ 何してるの~? |
司 | おお、お前達か。これはな、 海外の人とコミュニケーションを取るための、 ボディランゲージの練習だ! |
寧々 | は? |
類 | ああ、やっぱり。誰か相手がいるようなアクションに見えたから、 もしかしたらと思ったんだ |
寧々 | どう見てもポーズ決めてる風だったけど……。 ていうか、練習するべきは英語じゃないの? |
司 | ふっ、英語は学校の授業でも学べるだろう? だが、ボディランゲージは誰も教えてはくれん! |
司 | つまり、自主的に練習しなければならないということだ! |
えむ | はっ、たしかに! あたしも練習しよーっと♪ |
類 | いいね! なら僕は海外の人の役をやろうかな? |
寧々 | ちょっ、ちょっと類まで!? ツッコミが追いつかないから全員でボケるのやめてよね! |
ミク | ……奏。今日、ご飯食べた? |
奏 | え? うん、ちゃんと食べたよ |
ルカ | それは良かったわ |
ルカ | ちなみに、だいたいの人は1日3食とるみたいだけど、 奏は今日、何食食べたのかしら? |
奏 | えっと……い、1食…… |
ミク | 奏…… |
ミク | ちゃんと、ご飯食べて。 体、大事にしてほしい…… |
ルカ | そうよ。もし倒れたりしたら、ミクが泣いちゃうわよ? |
奏 | あ、え、えっと……。 だ、大丈夫だよ、ミク。ちゃんと気をつけるようにするから |
リン | ねえ、まふゆって好きな季節とかある? |
まふゆ | ないよ |
リン | ……全然考えてくれてない |
MEIKO | 考えるまでもないっていうことでしょうね |
MEIKO | ……そういえば『暑さ』と『寒さ』なら、 どっちが得意とかあるのかしら? |
まふゆ | ……わからない。もしかしたら人より感じにくいかもしれない。 暑いのも寒いのも、結構平気だから |
リン | へえ。夏も冬も普通に過ごせるから、それはそれでよさそう |
MEIKO | でも、四季の移り変わりがあるんだから、 感じられたほうが刺激はいろいろありそうね |
まふゆ | 四季の移り変わり…… |
まふゆ | (そういえば、前に奏達と見た桜は綺麗だったな) |
奏 | わたしとまふゆが初めて投稿した曲、 今も少しだけ、再生数が伸びてるみたい |
まふゆ | ……そうなんだ |
奏 | 宣伝してるわけじゃないし、 きっと何度も何度も聴いてくれてる人がいるんだろうね |
奏 | 救い……とまではいかないかもしれないけど、 わたし達の曲が、その人に寄り添えてるといいな |
まふゆ | ……うん。そうだね |
絵名 | 奏とまふゆの出会いの話、してくれてありがとう。 なんか、すごく新鮮だった |
奏 | 新鮮? |
絵名 | うん。曲の話とかは前からしてるし、 最近、近況について話すようにはなったけど…… |
絵名 | 昔の話とか、自分の話ってなかなかしないし、 避けてきたところもあるし |
奏 | たしかに、そうだね |
絵名 | ……なんでも話すっていうのはムリかもしれないけど、 そういう話が、ちょっとずつできていったらいいな |
奏 | うん。そういう機会がいつかあったらいいね |
瑞希 | ねえねえ、奏。 おもしろい海外の雑貨を売ってるお店見つけたんだけど、 今度のぞきに行かない? |
奏 | え? そういうのは絵名と行ったほうが楽しいんじゃない? |
瑞希 | ふっふっふっ。絵名とも行きたいし、奏とも行きたいし、 もちろんまふゆとも行きたいと思ってるよ! |
瑞希 | そのお店、置いてある雑貨の種類がものすごいだけじゃなくて、 ひとつひとつ考えられてたり、仕掛けがあったりして、 ほんっとにおもしろいらしいんだ♪ |
瑞希 | だから、ひとりずつ連れていって、 それぞれの反応を比べてみたいんだよね~! |
奏 | へえ…… |
瑞希 | 奏、絶対退屈させないから! お願い! 今度つきあって~! |
奏 | わかった。瑞希がそこまで言うなら、いいよ |
瑞希 | 本当!? ありがとう、奏! あははっ、楽しみだな~♪ |
瑞希 | 奏とまふゆの話、おもしろかったね。 途中、うええええ!?ってなったところもあったけど…… |
絵名 | ああ、うん。奏が意識なくしたってところとかね |
瑞希 | そうそう。でも、ああいう話聞けて、いいなって思ったよ |
瑞希 | なんていうか、きっとその時は、 ふたりともいろいろ大変だっただろうけど、 今なら、話しても大丈夫になったのかなって…… |
絵名 | そうかもね |
絵名 | ――言っておくけど、ちゃんと待つから |
瑞希 | あ…… |
瑞希 | うん、ありがとう |
奏 | こうやって、みんなでファミレス行くのも もうすっかり当たり前になったね |
絵名 | 正直、どこかでちょっとめんどくさくなるかもって 思ったこともあったけど、意外と楽しいよね |
瑞希 | 意外と~? 毎回、めちゃくちゃ楽しんでるくせに~ |
絵名 | え? 一番はしゃいでるのは瑞希でしょ |
まふゆ | ……ふたりとも同じくらいうるさいよ |
絵名 | は? |
瑞希 | あははっ! 話してる時もさ、まふゆにスパッと言われて、 絵名が怒るところまでがもうお約束って感じだよね |
奏 | 最初はハラハラした時もあったけどね…… |
奏 | (それだけ、一緒にいるってことなんだな……) |
まふゆ | 奏、信号渡るよ? |
奏 | うん、今行く |
レン | ミクちゃん達、前は毎日のようにライブをしてたって みのりちゃんに聞いたけど、本当? |
ミク | 本当だよ。みのりちゃん達がいつセカイに来ても、 楽しいライブを見せてあげられるようにって思って♪ |
ミク | でも、みんなが本当の想いを見つけてからは、 一緒に練習したり、話を聞いたりするほうが役に立てそうだから、 今はのんびりペースに変えたけどね |
レン | そうだったんだ…… |
ミク | ふふっ。でも、誘ってもらえれば いつでもライブに飛び入り参加するよ♪ |
レン | 本当? じゃあ、今度やろうと思ってるライブに ミクちゃんをゲストで呼ばせてもらってもいいかな? |
ミク | うん! わたしでよければ喜んで♪ |
リン | ふん、ふん♪ ふふふ~ん♪ |
MEIKO | あら、リン! なんだかご機嫌ね♪ |
リン | えへへっ。実は次のライブでね、すごいライトを使うの! |
MEIKO | すごいライト? |
リン | うん! お星さまみたいに白いキラキラした光が、 ステージの壁一面に出るんだよ! |
リン | それでお星さまの海にいるみたいな感じで、 ソロ曲を歌うの♪ |
MEIKO | わあ、ロマンチックね! ねえ、そのライブ見に行ってもいいかしら? |
リン | もちろん! あ、これからリハーサルもあるけど、 ライト見に来る? |
MEIKO | ん~、それはやめておくわ。 見ないほうが本番のライブを楽しめそうだもの♪ |
リン | わかった! えへへ、本番を楽しみにしててねー! |
ルカ | カ~イトくん♪ カイトくんがやってる裏方の仕事、 今度手伝ってもいいかしら? |
KAITO | もちろんかまわないけど、何かあったのかい? |
ルカ | ええ。カイトくん、最近すごく忙しそうにしてて、 自分のライブの準備ができてないでしょ? |
ルカ | だから、少しでもカイトくんが 自分のために時間を使えるように、手伝いたいなって思ったの♪ |
KAITO | あ…… |
KAITO | ふふ。ルカちゃんは、相変わらず周りをよく見てるよね |
KAITO | ありがとう。ちょうど、ヘルプを誰かにお願いしようかなって 思ってたところだったから、助かるよ |
ルカ | 本当? じゃあ、カイトくんのために めいっぱい頑張っちゃうわね♪ |
愛莉 | リンって、ライブ中よくお客さんに、 両手を大きく振ってるわね |
リン | うん♪ 見にきてくれたお客さんに、 『いっぱい楽しんでね!』って伝えたくって! |
リン | でも、いつも同じ感じになっちゃうから、 手を振る以外にも、伝える方法があればいいんだけどな |
愛莉 | それなら、指でさしたり、ウィンクしたり、 投げキッスはどう? |
愛莉 | こんな感じで、もらうと思わず ドキッとするような仕草もいいんじゃない? |
リン | 指やウィンクはたまにやってるけど……。 投げキッスは照れちゃうから、あんまりしたことないかも |
愛莉 | 大丈夫よ。照れてる姿もお客さんは喜んでくれるから! |
リン | 本当? じゃあ今度のライブで挑戦してみるね! |
咲希 | あいりせんぱーーーい! |
愛莉 | あら、咲希ちゃんじゃない! そんなに急いでどうしたの? |
咲希 | えっと……もしかしたらあいり先輩も 食堂に行くところかなって思って |
咲希 | あ、あの……! もしそうならご一緒してもいいですか!? |
愛莉 | ええ、もちろんよ。雫は委員会に行っちゃってるし、 わたしも誰かを誘おうと思ってたの |
咲希 | や、やったー! ありがとうございます! |
愛莉 | そうと決まれば、ランチが売りきれちゃう前に 急いで行くわよ! |
咲希 | はーい♪ |
えむ | パパパパッ♪ パパパパッ♪ パンがいっぱい、だいしゅうご~う♪ |
咲希 | あ、えむちゃんだ! やっほー! |
愛莉 | にこにこで歌ってたけど、今の歌は何? |
えむ | えへへ、パンが大集合の歌です! |
えむ | 今日は、いつもよりたくさんの種類のパンが 購買に出るって聞いて、たのしみだな~って♪ |
愛莉 | そっか。今日は不定期開催のお総菜パン祭りの日なのね! |
愛莉 | すっごくおいしいカスタードパンがあるんだけど、 原材料が高いから、こういう時にしか出ないって クラスの子に聞いたことがあるわ |
咲希 | そうなんですね! いいなあ、そのカスタードパン食べてみたい! |
えむ | 急いで行けばきっとありますよ! レッツゴ~~~~♪ |
愛莉 | あっ! 待って、えむちゃん! 廊下は走っちゃダメよー! |
えむ | 穂波ちゃん、穂波ちゃん! 大変だよ! |
穂波 | ど、どうしたのえむちゃん |
えむ | 実は……あたしの好きなたい焼き屋さんが、 アップルパイたい焼きっていうのを新メニューで出したの! |
穂波 | ア、アップルパイたい焼き? |
えむ | うん! 生地はもちもちふわふわ~なたい焼きで、 でも中身は、トロトロあまあまジューシ~な アップルパイなんだって! |
穂波 | それって、アップルパイなのかな……? でも……ちょっと気になるかも |
えむ | わーい! じゃあ、今度一緒に食べに行こっ♪ |
穂波 | うん、楽しみにしてるね |
えむ | ヘイヘイ♪ ぐるるる~ん! からの~、どっかんわんだほーいっ☆ |
愛莉 | ス、スキップから3回転ターンしてさらに大ジャンプ!? これだけ大きな動きなのに、体幹が全然ブレてないなんて! |
愛莉 | すごいわ、えむちゃん! さすがショーキャストさんね! |
愛莉 | (それにしても、あれだけ勢いよくターンしてるのに、 どうして軸がぶれないのかしら?) |
えむ | でもでも! あたしは愛莉ちゃんセンパイのほうが すごいと思います! |
えむ | ハッピー反復横跳びなんて、 センパイと同じくらい速くシャシャ!ってやろうとしても、 そのあとのシュシュ!ができないですし |
愛莉 | 反対側への切りかえしのことかしら? あれにはちょっとしたコツがあるのよ |
愛莉 | せっかくだし、動きのコツを 教え合うっていうのはどう? |
えむ | ハッピー反復横跳びの秘密を教えてくれるんですか!? す、すごい……! ぜひお願いします! |
雫 | ねえ、愛莉ちゃん。週末、練習が終わったら 隣町のショッピングモールに行かない? |
愛莉 | いいけど……何かあるの? |
雫 | ふふ。ほら、見て! このあいだ遥ちゃん達と食べた限定の和菓子なんだけど、 今度は隣町のほうで売られるみたいなの |
雫 | だから、愛莉ちゃんと一緒に食べに行きたいなって |
愛莉 | ありがとう、雫! 雫がくれたあの和菓子、 本当においしかったから、わたしもまた…… |
愛莉 | ……って、ちょ、ちょっと待って! 今見せてくれたのって、 ショッピングモールのHPのスクショよね!? |
雫 | うん! あ、撮りかた間違ってた? |
愛莉 | 違うの! ちゃんと撮れてるのよ!! |
愛莉 | 検索のやりかたすらおぼつかなかったのに、 HPを検索して、スクショまで……! |
愛莉 | (わたしが食べに行けなかったこと、 そんな気にしてくれてたなんて……) |
愛莉 | ……雫っ! 食べに行く和菓子、わたしがおごるわ! |
雫 | え、でも…… |
愛莉 | いいの! わたしからの気持ちだと思って 受け取ってちょうだい! |
咲希 | あっ! あいり先輩、こんにちは! |
えむ | わんだほーい! 愛莉ちゃんセンパイもCDを買いに来たんですか? |
愛莉 | ええ。前から気になってたアイドルのCDが 今日発売されるから、それをね! |
咲希 | アタシもちょうど、 好きなバンドのCDの発売日だったんですよ! |
咲希 | それで、途中でえむちゃんと一緒になって、 そのまま買い物につきあってもらってるんです |
えむ | 咲希ちゃんの好きなバンド、あたしも曲聴いたけど、 すご~くかっこよくて、 パワフルなわんだほい!って感じだった☆ |
愛莉 | ふふっ、パワフルなわんだほいか。 それは気になるわね。どのバンド? |
咲希 | あっ、これです! そこで試聴もできます! |
愛莉 | ありがとう。せっかくだし、試聴してみるわ。 お礼にってわけじゃないけど、あとでわたしが気になってた アイドルのことも教えるわね |
えむ | おおー! 愛莉ちゃんセンパイのオススメ楽しみ! えへへ、ふたりの好きを知れて嬉しいなっ! |
咲希 | あっ、来た来た! とーやくーん! |
冬弥 | おまたせしてすみません。 それにしても……よかったんですか? お邪魔してしまって |
司 | もちろんだ! ちょうど母さんからもらった ピアノコンサートのチケットが余っていたからな |
司 | 冬弥が聴いてくれるのであれば、母さんも喜ぶことだろう! |
司 | しかし……。大丈夫なのか? 演奏はもちろん、聴くことも避けていたように思うが…… |
冬弥 | ……はい。今でも、自分で弾くのはちょっと…… |
冬弥 | ですが、たまに聴くくらいなら 大丈夫になってきているみたいです |
司 | そうか……それならいいんだが、無理はするなよ? |
冬弥 | はい。お気づかいありがとうございます |
咲希 | お兄ちゃん、とーやくん、ふたりで話してばっかりでズルいよ。 それに、早く行ってパンフレットとか読むんでしょ? |
司 | おお、そうだったな。 では、行こう! |
みのり | あっ! 寧々ちゃーん! |
寧々 | え、あ……は、花里さん!? |
寧々 | (ど、どうしよう。 ばったり知りあいに会った時って、何を話せば……) |
みのり | 今日はショーの練習お休み? お買い物中かな? あ、もしショッピングモールに行くなら、 よかったら一緒に行きたいな! |
寧々 | す、すごい対応力…… |
みのり | え? |
寧々 | あ、な、なんでもない! |
寧々 | (そうだ! 花里さんとの会話、 誰かとばったり会った時のための参考になるかも。 ……ちょっとあとでメモしておこうかな) |
えむ | はっ! あのふわふわピンクの後ろ姿は……! |
えむ | やっぱり、愛莉ちゃんセンパイだー! わんだほーい! |
愛莉 | あら、えむちゃんじゃない! お買い物中? |
えむ | いえ! 実は、クマさんがクッキーを 作ってるお店ができたって聞いて、 えむ探検隊として調査中なのであります! |
愛莉 | クマさんがクッキーを作って……。 ああ『クマ印のハニークッキー』のことね! |
愛莉 | ちょうどそのお店をのぞいてみようって思ってたの! よかったら、わたしも探検隊に入れてもらえないかしら? |
えむ | おおー! もちろんオッケーです! 愛莉ちゃんセンパイ隊員、よろしくお願いします! |
愛莉 | ええ! よろしくね、えむ隊長! |
こはね | はあ、はあ……。どうだった? |
レン | うん、聴いててすっごくワクワクする歌だったよ! |
レン | でも……こはねが言ってた、景色をイメージっていうのは ちょっと難しかったな |
こはね | そっか…… |
ミク | 自分でイメージするならともかく、 相手に同じイメージをさせるとなると、相当難しいからね |
こはね | でも、難しいっていうことは それができたらすごく成長できたっていうことだし、 頑張りたいな |
レン | お! こはね、燃えてるねー! |
ミク | RAD WEEKENDをやった会場を見て、 しかもその時の映像まで見てるからね |
ミク | 私も、気合いを入れなおさないといけないかな |
彰人 | ルカさんって、メイコさんのカフェにいない時は 何してるんすか? |
ルカ | セカイのいろんな場所をフラフラしてるよ |
ルカ | 見慣れた場所でも、歩いてると楽しくなって、 ついつい遠くまで行っちゃうんだよね |
リン | でも、もっとカフェに顔出してほしいな。 ルカに歌のアドバイスとか聞きたいし |
ルカ | え、本当? それなら今聞くよ? |
リン | えっと……。 もうミクが相談に乗ってくれたから大丈夫 |
ルカ | なーんだ、残念…… |
彰人 | で結局、カフェにいない日は外をフラフラしてるだけなんすね |
ルカ | あはは。そうだね~ |
ルカ | ん? ひょっとして……。 今の私って、ダメダメな感じに見えてる? |
彰人・リン | 『…………』 |
ルカ | ちょ、ちょっとふたりとも? 何か言ってよー! |
冬弥 | ……ふう。メイコさんのコーヒーは いつ飲んでも美味しいですね |
MEIKO | 常連さんにそう言ってもらえて嬉しいわ |
MEIKO | こっちの常連は、コーヒーにうるさいくせに なんにも言ってくれないから |
KAITO | それ、ボクのこと? |
KAITO | なんにも言わないのは メイコのコーヒーはいつでも美味しいからだよ |
MEIKO | 本当? それならいいけど…… |
KAITO | うん。気になるところがあったら言ってるだろうしね |
MEIKO | それはそれで面倒な客よね~ |
KAITO | ええーっ!? 冬弥くん、今の聞いた!? |
冬弥 | はい。あんな自然にユーモラスな返しができるなんて、 さすがカフェのマスターですね |
冬弥 | 俺はそういう気の利いた言葉を返せないので、 勉強になります |
KAITO | え? な、なるほど……? |
MEIKO | ふふ。冬弥くん、おかわりはいかが? |
冬弥 | はい。いただきます |
冬弥 | まさか、WEEKEND GARAGEの機材が使えないとは…… |
杏 | ごめん。 ちょっと前から調子悪いなとは思ってたんだけど…… |
こはね | ううん。杏ちゃんのせいじゃないから気にしないで |
彰人 | まあ最悪、 カラオケに行けば似たような練習はできるしな |
彰人 | で、機材は修理すんのか? |
杏 | んー、そこそこ年代物もまざってるらしいからねー。 修理じゃなくて、買い替えることになるかも |
冬弥 | そうか……。臨場感があって、 とてもいい音が聴けただけに残念だな |
こはね | それに杏ちゃんのお父さんが現役の時から 使ってた機材なんだよね |
杏 | うん、名残惜しそうにはしてた。 でも、最高の音でみんなに音楽を楽しんでほしいだろうし、 そこは割りきるんじゃないかな |
こはね | そっか…… |
杏 | あ、でも、叩けば案外よくなったりしてね! 今日帰ったら試してみようかな? |
彰人 | やめとけ。トドメになったらどうすんだ |
杏 | だよね~ |
杏 | 音楽イベントのフライヤーって、 どれもオシャレでかっこよくない? |
こはね | そうだね。参加者を紹介する写真も、 それぞれのチームの雰囲気とか特徴が出ててすごいなって思うよ |
杏 | 写真かぁ。ふふ、やっぱりこはねはそこに目がいくんだね |
こはね | うん。構図とかアングルとか気になっちゃって。 こういうの、プロの人が撮ってるの? |
杏 | んー。そういう時もあるし、 こはねみたいな撮るのがうまい人が知りあいにいれば、 お願いするっていうこともあると思うよ |
こはね | そうなんだ! じゃあ杏ちゃん達の写真を撮る時は 私がやってみたいな! |
杏 | 私もこはねに撮ってもらいたいなぁ。 けど、Vivid BAD SQUADで撮るならこはねも写る側だけどね! |
こはね | あ……! えへへ、そうだね |
こはね | はあ……。どうしようかな…… |
彰人 | ん? お前、こんなとこで何してんだ? |
こはね | あ、東雲くん! 実は、服のことでちょっと困ってて…… |
彰人 | 服? |
こはね | うん。そこのお店に飾ってあるトップス、 かっこいいなって思うんだけど…… |
彰人 | 似合うかどうか心配してんなら、大丈夫じゃねえの? |
彰人 | よくライブ用に着てくるコーデがあるだろ。 あれとも合いそうだしな |
こはね | ほ、本当!? |
彰人 | オレはそう思うってだけだ。 急いで買わなくていいなら、 今度あの服着てきて、合わせてみりゃいいだろ |
こはね | うん、そうしてみる! ありがとう、東雲くん! |
ミク | リン、何を真剣に読んでるの? |
リン | サッキーが持ってきてくれた、ファッション雑誌……。 今、すっごい悩んでることがあってさ。 それをどーにかする方法、のってないかなーって |
ルカ | あら、悩みがあるなら 私達も相談に乗るわよ? |
リン | ……笑わない? |
ミク | もちろん。 それで、どうしたの? |
リン | この制服、オシャレで ちょっと大きめのを着てるんだけど…… |
リン | みんなの着こなしを見てると、 逆に制服に着られてる感出ちゃってるかなーって思って |
ルカ | あら、そんなことないと思うわよ。 リンにすごく似合ってるし |
ミク | うん。私も、制服に着られてるなんて感じたことないかな |
ルカ | ええ。むしろ、萌え袖なんてリンしかできないかも |
リン | 本当!? よかったぁ! じゃあ、これからもこのファッションでいこーっと♪ |
レン | あれ? カイト、さっきもギターの手入れを してたような気がするんだけど、またしてるんだな |
KAITO | ……うん。特にすることもないから |
一歌 | 手入れか……。練習のあとなら布でふいてるけど、 それ以外は、弦を張り替える時くらいだな |
志歩 | 私もだいたいそんな感じ |
レン | オレも。まとめてやったほうが効率もいいしな |
KAITO | ……それで十分だと思う |
志歩 | 熱心にやりすぎても、塗装がはげるだけだしね |
レン | あー……。オイルとかつけて汚れを取ってる時、 力加減とか困るんだよな |
一歌 | うん。昔、コツとかないかなって調べたことがあるけど、 『しっかり汚れを取る』『優しくなでるように』 みたいなことしか書いてなかったなあ |
志歩 | まあ、そういうのは感覚で身につけていくしかないね |
志歩 | あ……。カイトさん、もう練習に来てたんですね |
KAITO | ……うん。ちょっとひとりで弾きたくて |
志歩 | じゃあ、私は隣の教室を借ります |
KAITO | あ……。ごめん…… |
志歩 | いえ。私も自主練は、ひとりで気楽にやるのが好きなので |
KAITO | そっか……。よかった |
一歌 | ねえ、志歩。 ちょっとこの写真、見てくれないかな? |
志歩 | うん、いいけど…… |
志歩 | ……ん? 写真に写ってるの、 一歌が育ててるサボテンだよね? |
一歌 | うん。それで……ここ。ここを見てみて。 ほら、小さいけどつぼみができてるでしょ? |
志歩 | 本当だ。このサボテンって花が咲いたことあったっけ? |
一歌 | ううん、まだ。つぼみができたのも、初めてなんだ! |
志歩 | (どうりでテンション高いと思ったら、そういうことか) |
志歩 | ちゃんと咲いてくれるといいね |
一歌 | ありがとう! 咲いたらまた教えるね |
穂波 | あれ? フェニーくんのペンが落ちてる。 誰か落としちゃったのかな |
穂波 | (教室近いし、1年生かな? 1年生でフェニーくんが好きな子といえば……。 えむちゃんに、桐谷さんに、それから――) |
志歩 | ……ない。 一体どこに…… |
穂波 | (もしかして……) |
穂波 | ねえ、志歩ちゃん。 探してるの、このペン? |
志歩 | あっ! 私のフェニーく―― |
志歩 | じゃなくて……。 私のペン、拾ってくれたんだね。ありがとう、穂波 |
穂波 | ふふっ、どういたしまして |
咲希 | あっ! 見て、しほちゃん! あそこにカプセルのおもちゃがいっぱいあるよ! |
咲希 | ほら、ねこちゃんのフィギュアに おいしそうなハンバーグのストラップ! |
志歩 | 動物のフィギュアの横に食品サンプルって……。 統一感なさすぎでしょ…… |
咲希 | そう? こういうごちゃごちゃーってした感じのほうが アタシはワクワクするけどなあ |
咲希 | あ、こっちにはうさちゃんの人形がある! 『まるで本物の手触り! ふわもこうさちゃん』だって! |
志歩 | …………! |
咲希 | あ、今『かわいい』ってときめいたよね! きっと好きだと思ったんだ~。ほら、見に行こうよ! |
志歩 | ……まあ、ちょっとだけなら |
咲希 | やったー! 行こ行こー! |
咲希 | ねえ、あれ見て! ギターもベースもドラムもキーボードも全部青色だよ! |
一歌 | 本当だ……。『色もデザインも全部そろえた、 おそろいのバンドセット』だって |
穂波 | へえ、かっこいいね |
志歩 | 楽器のメーカーやカラーをそろえるっていうのはよくあるけど、 細かいデザインまで統一するのは、なかなかないかな |
咲希 | いいなあ……。 『バンド!』『仲間!』って感じがすっごくする! |
志歩 | まあ、気持ちはわかるけどね |
一歌 | でも今は、おそろいのストラップで我慢かな |
穂波 | うん。かっこいい分、値段も……ね? |
咲希 | え? ……あ、ほ、ほんとだ! お年玉じゃ全然たりないよーっ! |
志歩 | 高すぎて、逆に未練残らなくていいんじゃない? ほら、さっさとスタジオ行って練習するよ |
冬弥 | 小豆沢、よくWEEKEND GARAGEで頼んでいる 呪文のようなコーヒーの名前を教えてくれないか? |
こはね | えっと、『カフェモカホイップチョコチップのせ キャラメルソースマシマシ』のこと? |
冬弥 | ああ、それだ。 頼む時に困らないよう、メモしておかなければ…… |
こはね | 珍しいね、ブレンドコーヒー以外の物を頼むなんて |
冬弥 | 見聞を広める一環として、 普段頼まない物を試してみようと思ったんだ |
冬弥 | 仲間が飲んでいるものを試せば、 共通のイメージも持てて、一石二鳥だからな |
こはね | なるほど! |
こはね | (ふふ。真面目な青柳くんらしいなぁ) |
MEIKO | ふう……。このあたりで一度休憩しましょ |
雫 | そうね。 めーちゃん、ドリンクはいかが? |
MEIKO | ありがとう、雫ちゃん。 ……って、あれ? 普通のお茶ね |
雫 | ええ、ジャスミン茶よ。 お母さんがいい茶葉をもらったから、いれてみたの |
雫 | 美味しいし、香りにはリラックス効果もあるのよ |
MEIKO | 本当だ。いい香りね! |
MEIKO | (前はお味噌汁にびっくりしたけど、 違うと、それはそれでちょっとびっくりしちゃったわ) |
みのり | カイトさん、マネージャーのお仕事って どういうことをしてるのか聞いてもいいですか? |
KAITO | もちろん、かまわないよ。 けど、急にどうしたんだい? |
みのり | えっと、わたし達にはマネージャーがいないので、 いろいろ自分達でやってるんですけど…… |
みのり | わたしはそもそも業界のことを知らないから、 マネージャーの代わりにやらないといけないことが 全然わかってなくて |
KAITO | なるほど。それでまずは マネージャーについて知ろうと思ったんだね |
KAITO | わかった。僕でよければ力になるよ |
みのり | ありがとうございます、カイトさん! レクチャー、お願いします! |
ミク | レーーーンっ! |
レン | あ、ミク! それにぬいぐるみのみんなも、どうしたの? |
ミク | ふっふっふっ。今から手を動かさずに、 ぬいぐるみのみんなをジャグリングするから見ててっ! |
レン | え、手を動かさずに? |
ミク | うん! いっくよ~♪ せーのっ☆ |
ぬいぐるみ達 | 『ヨッ!』 『ホッ!』 『トウッ!』 |
ミク | ごらんあれ~。 ぬいぐるみ達が、ミクの手の上頭の上とぐ~るぐる~ |
レン | あははっ! ほんとにジャグリングしてるみたいに見えるよ。 すっごくおもしろい! |
ミク・ぬいぐるみ達 | 『イエーイ♪ だいせいこーうっ!』 『イエーイ♪ ダイセイコーウッ!』 |
レン | ねぇ司くん! 今から即興劇をやってみない? |
司 | もちろんいいが、なぜ即興劇なんだ? |
レン | この前のホワイトデー、トラブルがあっても アドリブでカバーしてショーをやりきったでしょ? |
レン | あの時の司くん、本当にかっこよかった! だからボクも、あんな風になれたらなって思ったんだ! |
司 | ハーッハッハッハ! そうかそうか! であれば、即興劇で練習するのはぴったりだな! |
司 | オレでよければいくらでもつきあうぞ! そうだ! 誰か観客になってくれる者も探さねばな! |
レン | うんっ! この時間なら、ステージのほうに ミクやカイトがいると思うから、行ってみよう! |
寧々 | (あ、類とカイトさんだ。 ふたりして、周りを気にしてるみたいだけどどうしたんだろ?) |
寧々 | (それに類が持ってるのって、錠剤が入った小瓶?) |
類 | ――カイトさん、これ。 以前頼まれた、例の品だよ |
KAITO | これが例の……ありがとう、類くん。 こっそり試してみるよ |
寧々 | (えっ!?) |
寧々 | ちょ、ちょっと類! カイトさんに何渡してるの!? |
類 | ん? ラムネだけど……寧々も欲しいのかい? |
寧々 | ラ、ラムネ!? でも、薬を入れるような瓶に入ってたよね? |
類 | お菓子だとわかると、ミクくん達も欲しがるだろう? |
類 | けど、このラムネは脳が疲れた時に カイトさんに食べてほしい物だから、 それとわからないようにしたのさ |
KAITO | 独りじめしてるみたいで、 ミク達にはちょっと悪い気もするけどね |
寧々 | な、なんだそうだったんだ。 はあ、びっくりした…… |
リン | ねえ、奏がよく食べてるカップ麺っていうやつ、 おいしいの? |
奏 | そうだね……。 毎日食べても飽きない味だと思うよ |
リン | ……好きな味じゃないの? |
奏 | 意識したことないけど……。 実際、飽きてないし、好きな味ではあるのかも |
奏 | もし飽きても、味噌とか豚骨とか、 他にも種類たくさんあるから、そっちを食べればいいしね |
リン | ふーん…… |
奏 | 今度、試しに何か持ってこようか? 家にたくさんあるし |
リン | そうなんだ。じゃあ、食べてみようかな |
絵名 | あれ? なんか珍しい組み合わせだね。 何してるの? |
まふゆ | 私は本を読んでる |
ルカ | 私は、横からのぞかせてもらってるだけよ |
絵名 | それでそんな近くに寄ってたんだ……。 けど、そんな密着されてたら読みにくくない? |
まふゆ | 気にしてないから。 ……ルカ、読んだ? |
ルカ | ええ。ページめくって大丈夫よ |
絵名 | (気にしてないなら、読んだかどうか聞かないでしょ。 まあ、邪魔じゃないからそうしてるんだろうけど) |
絵名 | ちなみに、なんの本を読んでるわけ? |
まふゆ | 英語の教科書 |
ルカ | 有名な童話の原文がのっているの。 絵名も一緒に読む? |
絵名 | う、ううん……遠慮しとく |
司 | おお、彰人ではないか! お前も今から食堂で昼飯か? |
彰人 | 司センパイに……暁山? なんか珍しい組み合わせっすね |
瑞希 | 教室行く途中でばったり会ってさ。 このあいだチョコレートファクトリーで作った バレンタインのお返しの話をしてたところなんだ♪ |
瑞希 | ていうか、珍しいって言えばそっちもじゃん。 冬弥くんはどうしたの? |
彰人 | 図書委員の当番だよ。 じゃあ、オレはこれで—— |
司 | そうか、今日はひとりなのか! では、一緒に食べるというのはどうだ? |
彰人 | いや、オレは別にひとりでも…… |
瑞希 | 『ぼっちの後輩を昼飯に誘ってくれるなんて、 さすが偉大で優しい先輩だな』って、 弟くんが言ってるよ、司先輩! |
彰人 | は? 暁山お前、なに勝手に…… |
司 | ハーッハッハッハ! そうだろう、そうだろう! |
司 | オレは偉大で優しい先輩だからな! いくらでも同席を許可するぞ。さあ、オレについてこい! |
瑞希 | はーい♪ ほらほら、弟くんも行こうよ! そっちのホワイトデーの話も聞きたいしさ! |
彰人 | おい、やめろひっぱるな! オレはひとりでいいって言ってんだろうが! |
彰人 | 司センパイ、この前のテスト、 いい点取ったらしいじゃないですか |
司 | まあな。勉強の方法を変えてからというもの、 調子がよくてな! |
彰人 | (マジかよ。センパイ、勉強そんな得意じゃなかったよな? なのにいい点がとれるようになるなんて……) |
彰人 | ……あの、センパイ。 どういう勉強したんすか? |
司 | ふっ、知りたいか? まあ、隠すほどでもないから教えてやろう! |
司 | それはな―― 正々堂々、試験範囲をすべて勉強することだ!! |
彰人 | …………は? |
司 | 今までは、ショーの脚本を作ったり練習をしたり、 忙しいからと、ヤマを張って限られた範囲の勉強をしていた |
司 | だがそれでは、はずれた際のダメージが大きい! 故に、テストの前日に、試験範囲すべてを勉強することにした! |
彰人 | (テスト前日って、それただの一夜漬けじゃねえか!) |
彰人 | (くっそ……。 ヤマ張るか張らないかの違いで、そんな点数変わるのか!?) |
瑞希 | ねぇ、司先輩。 司先輩の妹さんって、どんな子なの? |
司 | 咲希のことか? 咲希は明るくて優しい子でな、 いつも周りを気にかけているんだ |
司 | それに頑張り屋で、毎日バンドの練習に励んでいる。 咲希のひたむきさは、我が妹ながら見習うべき点だ |
司 | あとは部活やバイトもしていてな! 頑張りすぎていないか心配だが、見守るのも兄の役目だろう。 そうだ、この前あった話なんだが―― |
瑞希 | (あはは……なんかスイッチ入っちゃったみたい。 でも、おもしろい話も聞けそう!) |
瑞希 | 司先輩、どうせなら食堂か中庭で ジュース飲みながら聞きたいな♪ |
司 | いいだろう! 暁山、飲み物は何がいい? せっかくだしおごってやるぞ! |
瑞希 | わーい! 先輩、サイコー♪ |
遥 | あれ……日野森さん? こんにちは |
志歩 | あ、桐谷さん……ってどうしたの、そのペンギンのぬいぐるみ。 かなり大きいけど…… |
遥 | うん。そこのお店で見つけたんだけど……。 その……目があっちゃったんだ |
遥 | なんだか『おうちに連れてって』って、 言われてる気になってきて、買っちゃったの |
志歩 | あ……わかるかも。 私もフェニーくんのぬいぐるみを見かけると そんな風に言われてる気がしてくるっていうか…… |
遥 | 日野森さんもそうなんだね! 特に、ひとつひとつ仕上がりが違う手縫いの子達からは、 連れていってって言われてる気がして…… |
志歩 | うん。あれ、本当にどうしたらいいか迷う。 もういっそ全員連れて帰りたいけど、そうもいかないし |
志歩 | けど、だからこそ、 自分で選んだ子を大事にしないとって思えるんだよね |
遥 | そうだね |
遥 | (……ふふ。ここまで話が合うなんて。 日野森さんにも、大事にしてるぬいぐるみがあるのかな) |
瑞希 | ねえ、弟くん! このカーディガンとブラウス、 どっちがいいと思う? |
彰人 | ……なあ、暁山。たまたまそこで会っただけなのに、 なんでオレが買い物につきあわされてんだ? |
瑞希 | えー、いいじゃんちょっとくらい! 弟くんのファッションセンスを頼らせてよ |
瑞希 | 今シーズンに着る新作、どっち買うか迷ってるんだ。 ね、人助けすると思って! お願い! |
彰人 | (……ったく。 この強引な感じ、なんか絵名のヤツに似てんな) |
彰人 | (あれか、類は友を呼ぶってヤツ。 ……いや、暁山は絵名ほどじゃねえか) |
彰人 | ……ブラウスは合わせる服にもよるんじゃねえの? それも考えて選ばねえと意味ねえだろ |
瑞希 | お! やっとその気になってくれたね! 実は、合わせる服も考えてあってさ―― |
類 | おや、瑞希。 休日なのに制服ということは……補講かい? |
瑞希 | まあねえ…… |
瑞希 | 出席日数は足りてるから油断してたんだけど、 ボクだけ受けてない小テストが山ほどあるからって 呼び出されちゃってさあ |
類 | おやおや……。けど数はあっても小テストくらいなら、 パパッと片づくだろう? |
瑞希 | そうなんだけどさあ。 今日、本当は一気見したいアニメがあったし、 やる気マイナスなんだよね |
瑞希 | しかも、来月もやるぞって言われててさ! なんでそんなやる気をそぐようなこと、先に言うわけ!? |
類 | それはご愁傷様―― 瑞希だけでなく、君のために休日出勤している先生もね。 最近、お子さんが生まれたらしいし |
瑞希 | えっ、そうなの!? |
類 | ああしかし、可哀想かな。 妻をいたわり、子を抱くはずの時間は、 気まぐれな教え子によって1日、また1日と削られ―― |
瑞希 | ううっ……が、がんばるよ! 先生が早く帰れるように、やる気だしまーす! |
瑞希 | あ、遥ちゃんだ! ひょっとして買い物中? |
遥 | うん。トレーニング用に新しいシューズを選んでるところなの。 前のデザインが気に入ってたから、似てるのを探してるんだ。 ほら、これとか |
瑞希 | へえ、カワイイデザインだね! ラインや靴ひもも青色だし、遥ちゃんにぴったりじゃないかな! |
遥 | ありがとう。じゃあ、このシューズに決めちゃおうかな。 えっと……8足あればいいかな |
瑞希 | えっ!? そ、そんなに買うの? |
遥 | うん。ランニング用とダンス用で使い分けてるんだけど、 1カ月もしないうちにはき潰しちゃうから |
遥 | 気に入ったデザインのシューズがあったら、 買えるだけ買うようにしてるの |
瑞希 | なるほど……。お気に入りのシューズをはいてたほうが、 モチベも上がるもんね! |
瑞希 | (それにしても、使い分けてるのに 1足1カ月ももたないなんて……) |
瑞希 | (さすが元国民的アイドル……! トレーニングの量もすごいんだろうなあ) |
レン | カイトくん。今度ふたりでやるライブのことなんだけど、 僕も演出を考えてみたんだ |
レン | いつもカイトくんがやってくれてるみたいに、 僕もカイトくんをめいっぱい輝かせたいなって思って! |
KAITO | ありがとう、レンくん! すごく嬉しいよ |
KAITO | じゃあ、僕のアイディアも合わせて、 今からライブ演出を練ってみない? |
レン | うん、そうしよう! 絶対、素敵なライブにしようね |
KAITO | ああ、そうだね |
雫 | ミクちゃん、レンくん、こんにちは。 これからダンスの練習? |
ミク | うん♪ 雫ちゃんも一緒にやる? |
雫 | ええ! ……あら? ミクちゃんの衣装の飾り、少しだけズレちゃってるみたい。 ちょっと直すわね |
ミク | えっ、本当? ありがとう、雫ちゃん! |
レン | すごいね。僕達、全然気がつかなかったよ |
雫 | ふふ。衣装のデザインをしたからかしら。 なんだか細かいところまで見るクセがついたみたい |
レン | なるほど……。なんだか素敵だね。 新しい経験が身になってるっていう感じで |
雫 | ええ、私もそう思うわ |
雫 | (これからもMORE MORE JUMP!のひとりとして、 もっともっとみんなの力になれるようになっていきたいわ) |
KAITO | 愛莉ちゃんって、アイドルの研究をしているんだよね。 アイドルのライブ映像とか持ってたりする? |
愛莉 | もちろん持ってるわよ。 でも、それがどうかしたの? |
KAITO | もっといろいろなアイドルを見て、 ライブのパフォーマンスや演出について 勉強したいって思ってるんだ |
KAITO | そういうインプットを増やしていかないと、 マンネリ化してきちゃいそうだしね |
愛莉 | なるほど……。でも、わたしが持ってるのは 女性アイドルばっかりになっちゃうけど、それでも大丈夫? |
KAITO | もちろん! アイドルとして、 届けたい想いはきっと同じだろうしね |
愛莉 | そうね! よーし! オススメのライブDVD持ってこられるだけ持ってくるわ! |
みのり | みんなに特賞をプレゼントするために……、 花里みのり、福引きを回します! えいっ! |
遥 | あっ、白色 |
雫 | ハズレね…… |
みのり | そ、そんな~!? |
愛莉 | 福引きにそこまで気合い入れられるのもすごいけど……。 何事も全力で楽しむのがみのりのいいところよね |
みのり | あはは……。特賞が水族館チケットだったから、 絶対当てなきゃ!って思ったんだけど、ダメでした…… |
みのり | うう、みんなで行ってやりたかったな。 ペンギンの餌やり体験…… |
遥 | みのり。特賞が当たらなくても、水族館は行けるよ |
愛莉 | まあそうね。 今度、練習が休みの日にでも行きましょうか |
雫 | ええ。私もペンギンさんの餌やりしてみたいわ♪ |
みのり | み、みんな……! ありがとう! |
遥 | ふふっ。じゃあそこのカフェに入って、 いつ頃行けそうか、少し話そうか |
愛莉 | いいわね! そうしましょ! |
みのり | わっ。このゴシック系のお店、 どの服もおしゃれでかわいい……! |
雫 | 本当ね。普段こういうお洋服は着ないから、 見るだけでも新鮮だわ |
みのり | はっ……! ゴシック系アイドル……、 MORE MORE JUMP!の新しい可能性かも……? |
みのり | はあ……遥ちゃん、絶対似合う! |
雫 | ふふ。愛莉ちゃんも、 こういうリボンがたくさんついてるお洋服、似合いそう♪ |
雫 | そうだわ。衣装のテーマを決めて、 それを着て踊るっていう企画をやるのはどうかしら? |
みのり | おおー! それならゴシック系だけじゃなくて、 いろんな衣装を着て歌って踊れるね! 雫ちゃん、ふたりで企画まとめてみようよ! |
雫 | ええ、そうしましょ! ふふ。愛莉ちゃん達に衣装を着てもらうの楽しみだわ |
雫 | 最近『ワイヤレスイヤホン』に興味があって いろいろ調べているんだけど、何かオススメってないかしら? |
遥 | いくつかあるけど……。 雫がそういうの調べてるなんて、なんだか珍しいね |
雫 | 実はこの前、ダンス練習の時に イヤホンのコードが腕に引っかかって……。 音楽プレイヤーを落として壊しちゃったの |
雫 | それで、ワイヤレスイヤホンにしたら、 同じ失敗をしなくて済むんじゃないかと思って |
遥 | あ……そういえば雫、個人練習の時は よく音楽プレイヤーを使ってるね |
雫 | ええ。研究生の時、愛莉ちゃんに使いかたを いっぱい教えてもらったのよ |
遥 | (それで音楽プレイヤーは普通に使えてたんだ。 愛莉、すごいな……) |
遥 | ワイヤレスイヤホン、私も使ったことあるやつとか いくつか見繕ってみるね |
遥 | (……薦めるならネックバンド系かな。 私も使ったことがあるから、 愛莉みたいに使いかたのフォローもできるし) |
雫 | ええ! ありがとう、遥ちゃん |
雫 | おまたせ、愛莉ちゃん……! 遅れちゃってごめんね |
愛莉 | いいわよ。今日は新しいショップに行くから、 集合場所もいつもと違ったし。 それより、迷わず来れて偉いわね、雫! |
雫 | 実はね、今日は秘密兵器を使ってここまで来たの |
愛莉 | 秘密兵器? 何それ? |
雫 | じゃーん。マップの音声案内だよ。 進む方向を教えてくれるから、とっても便利だった |
愛莉 | お、音声案内ですって……!? |
雫 | うん! 話すだけでいいなんて、すごいよね。 これなら機械が苦手でも、地図が読めなくても安心だよ♪ |
愛莉 | まあ、操作ミスはなくなりそうね。 けど、せっかく慣れてきたスマホの操作が またおぼつかなくなるんじゃないかしら…… |
瑞希 | あ、まふゆ、ミク! ちょっと試してみてほしい物があるんだけど―― |
まふゆ | 服なら着ないよ |
瑞希 | あはは。服じゃなくて、これ! クッションを作ったんだ♪ |
ミク | ……クッション? |
瑞希 | うん。ふたりともよくここで座ってるでしょ? けど見るたびにお尻痛くならないのかなー?って 気になっちゃって。だから、ちょっと試してみて! |
まふゆ | わかった。 ……あ。このクッション、もしかして低反発? |
瑞希 | ぴんぽーん♪ なかなか本格的でしょ? お昼寝用の枕にもぴったり! |
ミク | あ……とっても座りやすい |
瑞希 | でしょー? まだふたつしか作れてないけど、みんなで仲良く使ってほしいな |
ミク | ……うん、みんなで仲良く使う。 ありがとう、瑞希 |
絵名 | 今さらだけど……リンって、好きな食べ物って何かあるの? |
リン | ……別にない |
絵名 | じゃあ、趣味とかは? |
リン | ないよ |
絵名 | あのねえ……。まふゆじゃないんだから、 もうちょっと考えてから答えてよ |
リン | だって、ないもん |
リン | …………あ。でも…… |
リン | たまに絵名が持ってきてくれる絵や画集を見るのは、 いい暇つぶしになってる |
絵名 | そう? じゃあ、また今度いいの見つけたら持ってくる |
リン | ……うん。期待しないで待ってる |
奏 | えっと……。親指から1本だけ紐を外して、 中指を……ん、あれ? |
MEIKO | ……珍しいわね。奏があやとりなんて |
奏 | あ、メイコ。ルカに『“東京タワー”できる?』って言われて、 本を見ながらやってみてるんだけど…… |
ルカ | 指から紐を外したり、もう一度かけたり、 途中でわけがわからなくなっちゃうのよね |
奏 | うん、本当に。 ……あ、あれ? 指に紐が絡まっちゃった |
ルカ | ふふふっ。このあいだの私とまったく同じだわ。 奏、じっとしていて? |
ルカ | ――はい、メイコ。 せっかくだし、メイコもやってみて? |
MEIKO | はあ……。『東京タワー』でいいのね? |
奏 | えっ! ゆ、指の動きが速くて、 何がどうなってるのかわからない…… |
MEIKO | はい、できたわ |
ルカ | ……メイコ、あやとり上手だったのね |
MEIKO | ……ルカが来るまで、リンやミクにつきあっていたから。 いつの間にか、できるようになっていただけよ |
ルカ | そうなのね。 ……ねえ、メイコ。それ、やりかたを―― |
MEIKO | 自力でできるようになったほうが成長につながるわ |
ルカ | あら……。けちんぼさんね。 奏、ふたりで頑張りましょ |
奏 | え、わたしも? |
ルカ | ええ。できるようになって、メイコに見せてあげなくちゃ |
瑞希 | ねえ、絵名。今度絵の描きかたを教えてくれない? 美術の課題で、風景画を描かないといけなくってさ…… |
絵名 | いいけど、真面目にやってよね |
瑞希 | もっちろん! 先生が評価する必要ないくらいめちゃくちゃうまく描けば、 同じような課題、免除してもらえるかもしれないし♪ |
まふゆ | ……それ、『みんなのお手本になってほしいから 今後もよろしく』って言われそう |
奏 | あ……。まふゆ、もしかして…… |
まふゆ | ……うん。私はよく言われる |
絵名 | は? 何それ自慢? |
まふゆ | 別に。本当にそうだから、そう言っただけ |
奏 | ……じゃあ、瑞希もそうなったら困るんじゃない? |
瑞希 | まあもしそうなっても、あんまり学校行ってないし、 『美術部の子に頼んで』って言えば逃げれるんじゃないかな |
瑞希 | まっ、そういうことだからさ。 よろしく、絵名先生♪ |
絵名 | まったく……。教えるからには厳しくいくからね |
絵名 | ……奏は、表現したいことがうまく形にならない時って どうしてる? |
奏 | ん……とりあえず、いろいろなパターンを試してみるかな |
奏 | それで、なんだかいけそうだなって思ったパターンを ブラッシュアップしたり……かな |
絵名 | なんだかいけそうだな、でいけるんだね…… |
絵名 | (きっと奏の場合は、実力あるし、 知識や経験もたくさん持ってるから 試せるパターンが自然に浮かんでくるんだろうな) |
奏 | ……ごめん。こんなんじゃ、全然参考にならないよね |
絵名 | ううん、そんなことないよ |
絵名 | (やっぱり私は、もっともっといろいろ勉強しないとな……) |
まふゆ | ………… |
絵名 | ちょっと、まふゆ。 ぼんやりしてると置いてくよ |
まふゆ | ……あ。信号、青になってたんだね |
絵名 | なってたんだねって……。 もうほら、立ち止まってたら他の人の邪魔になるでしょ。 早く来なさいよ |
まふゆ | ……絵名って、ときどきお姉さんになるね |
絵名 | え? どういうこと? |
まふゆ | 面倒見がよくなるねっていうこと |
絵名 | ……まあ、実際姉やってるし。 けど、急にそんな風に褒めたって何も出ないからね |
まふゆ | 別に褒めたわけじゃないよ |
絵名 | はあ!? ……やっぱ置いてけばよかった |
絵名 | ねえ、どこかでお茶していかない? ちょっと歩き疲れちゃった |
瑞希 | いいよ。どこのカフェ入る? |
絵名 | んー。瑞希のオススメのとことかないの? |
瑞希 | あるよ! 外装も内装もぜーんぶピンクのお店でさ。 めちゃくちゃオシャレで居心地もいいんだ♪ |
絵名 | 全部ピンクって……。 なんか逆に居づらそうなんだけど? |
瑞希 | そんなことないって! 口で説明するのはちょっと難しいけど…… |
瑞希 | とにかくそこなら近いし、 穴場スポットだからたぶんすんなり入れると思うよ! |
絵名 | そう? まあ、瑞希がそこまで言うなら、そこに行こっか |
瑞希 | オッケー! ほら、こっちだよ! |
絵名 | ちょ、ちょっと! 疲れてるんだから、もっとゆっくり歩いてってば! |
ルカ(W×S) | ふぁ……ここは、にぎやかで楽しいわ……。すー……すー……♪ |
ルカ(MMJ) | ふふ、寝てしまったわね。 可愛い寝顔だわ |
ルカ(25) | それだと、自分で自分を可愛いと言っているのと同じになってしまうわよ? |
ルカ(MMJ) | あら、ダメかしら? 私もとってもキュートでしょ? |
ルカ(25) | ………… |
ルカ(25) | ……はあ。私が相手だと、ちょっとつまらないわ |
ルカ(VBS) | あはは。それよりこの子、本当によく寝てるね。ほっぺたつんつんしても起きないよ?ほら…… |
ルカ(W×S) | んふふっ……。すー……すー |
ルカ(L/n) | こら、よく寝ているからって そんないたずらはしちゃダメよ |
ルカ(VBS) | は〜い♪ それにしても、幸せそうな寝顔だよねー |
ルカ(L/n) | ええ。もしかしたら、この子には みんなの楽しそうな声が子守歌に聴こえるのかしら? |
ルカ(25) | そうかもしれないわね。 じゃあ、誰かが泣きだしたら目を覚ますのかしら? |
ルカ(VBS) | あ! じゃあ私が泣いてみよっか? |
ルカ(MMJ) | ふふ、おもしろそうね♪ 私もやってみようかしら |
ルカ(L/n) | だから、そんないたずらはしちゃダメ それより、せっかくいろんなお店があるんだからのぞいてみましょ? |
ルカ(VBS) | さんせーい! どこから行く? |
ルカ(25) | それなら、あそこの雑貨屋なんてどうかしら?ふふ、いろいろおもしろそうな物がありそうだわ |
ルカ(MMJ) | ふふ。私もあそこ気になってたの♪ 早速行きましょ! |
MEIKO(W×S) | あら? そこのリン〜っ♪ もしかしてひとりなの? |
リン(25) | ……ひとりだけど、何? |
リン(25) | あ…… |
KAITO(W×S) | ……ん? どうかしたのかい? |
MEIKO(W×S) | わかった! カイトが珍しいんでしょ! |
KAITO(W×S) | え? ……ああ、もしかして そっちの僕はまだ顔を出てないのかな? |
リン(25) | ……知らない。 でもわたしはまだ会ってない |
MEIKO(W×S) | まっ、そのうちひょっこり顔を出すわよ♪ 『やあやあ、リンちゃん! いい子にしてた〜?』って! |
リン(25) | ……そんなカイトは、イヤ |
MEIKO(W×S) | あははっ! そうね、声、全然似てなかったものね! |
KAITO(W×S) | えっと……そういうことじゃないと思うんだけどな |
KAITO(W×S) | ごめんね。うちのセカイのみんな、いつでもにぎやかで……。君には少しうるさく聞こえてしまうかもしれない |
リン(25) | ……いい。気にしてないから |
KAITO(W×S) | そうか。ありがとう |
リン(25) | ……え、頭…… |
KAITO(W×S) | あ、ごめん! みんなの頭をよくなでてるから、つい…… |
リン(25) | ……平気、驚いただけだし…… |
リン(25) | (……別に興味なかったけど……。 うちのカイトって、どういう感じなんだろ?) |
リン(25) | (……ちょっとだけ、興味わいたかも) |
KAITO(VBS) | なんだか不思議な気分だね! こうやって自分と会うのって |
KAITO(WxS) | ふふ、すごく楽しそうだね |
KAITO(VBS) | だって、こんなこと二度とないかもしれないでしょ? ワクワクして仕方ないよ |
KAITO(MMJ) | ふふ。ワクワクという意味では僕もそうだよ |
KAITO(MMJ) | せっかくだし、いろんなショップを回って ステージ用の新衣装とか、飾りとか見てみようかな |
KAITO(WxS) | そういえば、そっちの僕はアイドルをやっているんだっけ? |
KAITO(MMJ) | うん。それと、ミクちゃん達の マネージャーみたいなこともしてるよ |
KAITO(L/n) | ……え。マネージャーも? |
KAITO(VBS) | へえ、おもしろそうだけど……。 すごく忙しそうだね |
KAITO(MMJ) | ふふ。たしかに、忙しい時はあるよ。 でも、みんなも協力してくれるし、 何より、僕が裏方の仕事が好きだからね |
KAITO(WxS) | わかるなあ、それ。僕は劇団の座長をさせてもらってるけど、 好きだからこそ頑張りたいっていう気持ちが強いから |
KAITO(L/n) | 座長か……。 ……すごいね。俺はそういうのちょっと…… |
KAITO(VBS) | ボクも。好きだから頑張れるっていうのは大いに賛成だけど、 そういう責任ある立場は遠慮したいかな |
KAITO(VBS) | というかボクの場合、自分が楽しいってところが一番大事だし、 結構好きにやらせてもらってるんだよね |
KAITO(L/n) | ……え? それ、いいの? 想いの持ち主の子とか、ミク達が困るんじゃ…… |
KAITO(VBS) | あはは。みんなしっかりしてるからねー。 よっぽどのことがない限り、ボクは遊んでても平気なんだ |
KAITO(WxS) | すごいね。そんな風にドンとかまえていられるなんて! |
KAITO(L/n) | (さっきの言葉、そのまま受け取ったら ダメな気もするけど……まあ、いっか……) |
ミク(L/n) | それにしても、すごく広い道だし、人でいっぱいだね |
ミク(MMJ) | そうだね!ステージを見に来てくれる人達とどっちが多いかな? |
ミク(WxS) | ステージ!?ステージって、ショーのこと? |
ミク(MMJ) | ううん、アイドルのステージだから、ライブだよ。歌ったり踊ったり、お客さんと声を掛け合ったりして、希望を届けてるの♪ |
ミク(WxS) | わあっ!すごそーう! |
ミク(WxS) | あのね!ミク達もお客さんに笑顔になってもらいたくて、いっぱいショーをするの! |
ミク(25) | ……ショーって、なに? |
ミク(VBS) | ミュージカルとかお芝居みたいな感じ? |
ミク(WxS) | うんっ☆ おいもさんがゾンビで、『う、あー』って襲ってきたり、あやしいタコからもらった薬を飲むとロボットになったりするの! |
ミク(25) | ゾンビ?ロボット? |
ミク(VBS) | な、なんだかすごそうだね |
ミク(L/n) | うん、ゾンビはちょっと怖そうだけど……。ショーは見てみたいな |
ミク(MMJ) | わたしも!それに、みんながセカイで何をしてるのかとか、どんな歌を歌ってるのかも教えてほしいな♪ |
ミク(VBS) | いいね、どんな歌を歌ってるのかは私も知りたかったんだ |
ミク(25) | ……わたし、ショーとかみんなみたいなすごいこと、してない |
ミク(25) | ……よく、あやとりしてまふゆ達が来るのを待ってる、けど…… |
ミク(WxS) | えっ、あやとり!? |
ミク(MMJ) | かわいい趣味だね!もしよかったら、どうやってやるか見てみたいな♪ |
ミク(25) | え?あ、えっと……。うん…… |
瑞希 | それぞれの好きなことを、楽しく気持ちよく語り倒す、おしゃべりサークル『休日、趣味人同士で。』!今日は、初オフ会でーす! |
瑞希 | ボイスチャットでもう何度か話してるけど、改めて自己紹介するね! |
瑞希 | ボクがサークル主の、神高1年、暁山瑞希。趣味は動画素材集めやコラージュ。あと、カワイイ服も好きだし、マンガやアニメも結構見るよ~ |
みのり | 瑞希ちゃんが教えてくれる服のブランド、どこもすっごくかわいいし、やっぱりセンスいいよね |
瑞希 | えへへ、ありがとー!じゃあ、次。寧々ちゃんとうぞ~ |
寧々 | えっと……神高1年、草薙寧々。趣味は対戦ゲームとか、ミュージカルや映画鑑賞……です |
穂波 | あ、このあいだ教えてくれた映画、すっごくおもしろかったよ。もう笑いすぎて、ほっぺたつっちやうかと思った |
寧々 | み、見てくれたんだ………!……楽しんでもらえて、よかった |
みのり | 続きまして、宮女1年花里みのりです! |
みのり | 趣味はアイドルの振りコピと日記をつけることで、あと、元ASRUNの桐谷遥ちゃんが大好きです! |
瑞希 | 紹介してもらったASRUNのアルバム聴いたよ!めちゃくちゃ良かったー! |
みのり | わあ、ありがとう!ファミレス着いたら、たくさん語ろうね!! |
穂波 | 最後はわたしだね。宮女1年、望月穂波です |
穂波 | 趣味は飼い犬のしばおの散歩と家庭菜園。あと好きな物はアップルパイです |
寧々 | そういえば、この近くに美味しいアップルパイのお店ができたんだよね |
穂波 | そうなの!よかったら、みんなで帰りに寄ってかない? |
みのり | わあ、いいね!じゃあファミレスであんまり食べすぎないようにしないと |
瑞希 | いやいや、こういうのは意外と別腹でいけちゃうよ♪ね、穂波ちゃん! |
穂波 | うん! |
瑞希 | (みんな嬉しそうだし、オフ会、思い切って提案してよかった♪ボクも、今日はたくさん楽しもーっと!) |
MEIKO(WxS) | わっ、カフェのマスターしてるんだ!? |
MEIKO(VBS) | ええ、お店に来てくれるみんなに コーヒーやサンドイッチを出したり、 話し相手になったりしているわ |
MEIKO(WxS) | すごいのね! ん~、マスターっていう響きもとってもかっこいいわね! 私もそういう風に名乗ってみたいわ! |
MEIKO(WxS) | 私だと……『役者』がそうなのかな! ちなみに、他のみんなは名乗るとしたらどんな感じ? |
MEIKO(MMJ) | わたしはミク達と一緒にアイドルをやってるから、 名乗るとしたら『セカイのアイドル』、かしら |
MEIKO(L/n) | いいね、セカイのアイドル! だったら私は……『セカイのバンドの先輩』って感じかな? |
MEIKO(WxS) | ふむふむ。なるほどね! ちなみにあなたは? |
MEIKO(25) | ……特にないわ |
MEIKO(25) | 私はただ見守るだけ。……あの子達と、あの子達の想いの行く末をね |
MEIKO(MMJ) | 見守るだけ? 他には何かしたりしないの? |
MEIKO(25) | 何もしないわ |
MEIKO(MMJ) | なるほど。そういう関わりかたもあるっていうことなのかしら |
MEIKO(WxS) | ということは……あえて名前をつけるとしたら、 『上京した子を遠い故郷から想うお母さん!』とか!? |
MEIKO(25) | …………? |
MEIKO(VBS) | えっと……。意味はなんとなくわかるような……? |
MEIKO(L/n) | あはは! たしかにちょっとわかるけど、 せめて『お姉さん』にしない? |
MEIKO(25) | ……お姉さんにしたとしても、 まったく違うわよ |
リン(L/n) | やっばー! そのうさぎみたいなリボンめちゃカワじゃん! |
リン(W×S) | えへへ。あのね、これ、よく使うショーの衣装なの! |
リン(VBS) | へぇ、ショーやってるんだ! わたしも、レンと一緒にDJやってるよ! |
リン(MMJ) | かっこいいね! わたしはミクちゃん達と一緒に、アイドルとしてステージで歌ってるんだ♪ |
リン(L/n) | おおー! みんなすごそう! でも、あたしだってミクぴょん達とバンドやってるんだよ! |
リン(MMJ) | バンドかあ、かっこいいね! ねえ、あなたは? |
リン(25) | ……別に何も、 する必要もないし…… |
リン(MMJ) | そうなの? じゃあよかったら、一緒にステージをやってみない? |
リン(25) | え? |
リン(L/n) | いいじゃん! じゃあ、その次はバンドね! |
リン(25) | あ、ちょっと…… |
リン(VBS) | DJも一緒にやろっ! キュキュキュッてスクラッチするのすっごく楽しいよ! |
リン(25) | だから、人の話を── |
リン(W×S) | ねえねえ、それをぜ〜〜〜んぶ入れた、 すっごいショーを全員でやるっていうのはどうかなっ? |
リン達(25以外) | 『た……楽しそうっ!』 |
リン(W×S) | あなたも一緒にやってくれる? 歌ったり踊ったり、演奏したり! きっとす〜っごく楽しいよ! |
リン(25) | はあ……。 うるさいのは嫌なんだけど…… でも……歌うのは嫌いじゃない。 だから、ちょっとくらいなら…… |
リン(L/n) | じゃあ決まりだねっ! みんなで何するか考えよー! |
リン達 | 『おー!』 |
レン(WxS) | へえ、バンドやってるんだね。カッコイイー! |
レン(L/n) | まあな。けど、そっちだって 自分達でショーやってるんだろ? |
レン(W×S) | うん。前からカイトに殺陣を教えてもらったんだけど、それをやっとショーでみんなに見てもらえたんだ! |
レン(VBS) | ……タテって? |
レン(MMJ) | 簡単に言うと、人と人が闘うシーン──立ち回りのことだよ |
レン(W×S) | そう! 勇者や海賊になって剣で戦ったりするよ |
レン(VBS) | 剣で!? それって本物なの? |
レン(W×S) | ううん、違うよ。 体に当たっちゃうとちょっと痛いけど…… |
レン(L/n) | げっ、痛いのか…… |
レン(MMJ) | ああ……ああいうのって、本物っぽく見せるためとか、振ったりした時に壊れないように結構丈夫にできてるんだっけ? |
レン(W×S) | うん! だから気をつけないといけないんだ。呼吸に合わせて動くっていうのかな……? すっごく難しいけど、でも楽しいんだ! |
レン(MMJ) | 難しいけど楽しい、か。 ふふ。そう言えちゃうのがかっこいいね 僕も、自分のステージにもっと磨きをかけられるように頑張りたいな |
レン(VBS) | うーん、オレも、全然練習につきあってくれないカイトなんてほっといて、自主練習増やそうかな |
レン(L/n) | ん? そっちはカイトと仲悪いのか? |
レン(VBS) | あ、ううん、全然そんなことないよ。オレの師匠だし。でも、適当っていうか雑っていうか…… |
レン(L/n) | 師匠…… オレのセカイのカイトとは全然違いそうだな…… |
レン(MMJ) | そうだね。お互いのセカイのみんなの おもしろい話が聞けそうで、楽しみだよ |
KAITO(VBS) | ん? |
KAITO(L/n)・MEIKO(25) | 『…………』 |
KAITO(VBS) | やあ、ふたりとも。楽しんでる? |
KAITO(L/n) | え……。あ、えっと…… |
MEIKO(25) | ……別に、普通よ |
KAITO(VBS) | 普通かぁ。それはちょっともったいないかもね。せっかく街に遊びに来たんだから、 思いっきり羽を伸ばさないと! |
MEIKO(25) | ……必要ないわ |
KAITO(VBS) | えー、つれないなあ。 じゃあ、そっちのボクは? |
KAITO(L/n) | いや、俺は…… |
KAITO(VBS) | あ、あの子達の学校には行ってみたかい?さっきのぞいてきたんだけど、自分の目で見るっていうのはやっぱりおもしろみが全然違ったよ! |
KAITO(L/n) | そう、なんだ……。 けど……こっちのセカイは、学校だから。 別に、珍しくはない……かな |
KAITO(VBS) | そうなの!? こっちのセカイはカフェのあるストリートでね! |
KAITO(VBS) | メイコがマスターをしてるんだけど、 そこのコーヒーがすごく美味しいんだ! |
KAITO(VBS) | あ、こっちに来てまずカフェをいろいろ回ってみたけど、こっちの店もなかなかいいよね! すごく回りがいがあるよ! そうそう、それから── |
KAITO(L/n)・MEIKO(25) | (……よくしゃべるな) (……よくしゃべるわね) |
ミク(L/n) | あ……楽器店がある。 せっかくだしちょっとのぞいてみようかな |
ミク(L/n) | ……ん、誰かがギターを弾いてる? ていうか、軽く弾いてるって感じなのにすごくうまい! |
ミク(L/n) | それにこの演奏……というか、弾きかたに聴き覚えがある。もしかして私が知ってる誰かかも! |
ミク(L/n) | 一体、誰が弾いて……あっ! |
ミク(VBS) | ♪────! ♪────!! |
ミク(L/n) | えっ! 楽器、弾けたの!? |
ミク(VBS) | ああ、今の? 初めて触ったにしては結構、様になってたでしょ |
ミク(L/n) | 初めて? なのに、毎日練習してる私と同じくらい弾けるなんて……! |
ミク(L/n) | 私は一歌達の先輩なのに、このままじゃ…… |
ミク(VBS) | ん? ちょっと待って。今のはエアーだよ? |
ミク(L/n) | ……え? エアー!? |
ルカ(L/n) | もう、ミクってば、あわてんぼうさんね。さっきの演奏は私よ |
ミク(VBS) | そうそう。ちょっとバンド気分を味わいたくて、弾いてもらってたんだ |
ミク(L/n) | な、なんだ……。そうだったんだ…… |
ミク(VBS) | ふふ、こっちの私って結構可愛いんだね |
ルカ(L/n) | ちょっと早とちりしちゃったけど、こう見えて想いの持ち主の子達の前では、ちゃんと落ち着きがあるのよ。先輩らしく、ね |
ミク(VBS) | じゃあ貴重な一面を見られたってことだね |
ミク(L/n) | うう……。できれば、忘れてほしいな…… |
ミク(W×S) | ややっ! きょろきょろしているミクをはっけーんっ♪突撃わんだほ〜〜〜いっ! |
ミク(25) | わっ……! |
ミク(W×S) | えへへっ、びっくりした? |
ミク(25) | ……うん、した…… |
ミク(25) | えっと……わんだほいって? |
ミク(W×S) | セカイに来てくれる子が教えてくれた挨拶だよ。『こんにちは』とか『おめでとう』とか、いろいろ使えるんだ♪ |
ミク(W×S) | それでは、せーのでやってみよ〜〜〜う!せーの、わんだほーい! |
ミク(25) | ……え、あ…… |
ミク(W×S) | 簡単だよ! 腕をくるんってするだけ! |
ミク(W×S) | じゃあ、もう1回いくね! せーの……わんだほーい! |
ミク(25) | わ……わんだほい…… |
ミク(W×S) | うんうん♪ すっごいい感じだったよ! |
ミク(25) | あ……。ふふ、よかった…… |
ミク(25) | (よくわからなかったけど……なんだか、あったかいな) |
最新の10件を表示しています。 全件参照
▼VirtualSinger
┣ 初音ミク
┣ 鏡音リン
┣ 鏡音レン
┣ 巡音ルカ
┣ MEIKO
┗ KAITO
▼Leo/need
┣ 星乃一歌
┣ 天馬咲希
┣ 望月穂波
┗ 日野森志歩
▼MORE MORE JUMP!
┣ 花里みのり
┣ 桐谷遥
┣ 桃井愛莉
┗ 日野森雫
▼Vivid BAD SQUAD
┣ 小豆沢こはね
┣ 白石杏
┣ 東雲彰人
┗ 青柳冬弥
▼ワンダーランズ×ショウタイム
┣ 天馬司
┣ 鳳えむ
┣ 草薙寧々
┗ 神代類
▼25時、ナイトコードで。
┣ 宵崎奏
┣ 朝比奈まふゆ
┣ 東雲絵名
┗ 暁山瑞希
今日:1611
昨日:22216