追加実装されたエリア会話の1年目分まとめ(2020/9/30~2021/9/29)
※v3.0.0アップデートにより、ゲーム内ではマップ選択画面の記憶のカケラから、もしくはキャラクターアーカイブのエリア会話ページから閲覧可能となっている。
レン | 聞いてよ、司くーん! 昨日、ショーで空中ブランコをやったんだ |
司 | 空中ブランコ? サーカスみたいな内容だな |
レン | うん! あっちこっちを旅してるサーカス団のお話なんだ。 ちなみに……そのアイディア出したのボクなんだよ~♪ |
司 | おお! それで採用されてショーになったというわけか。 やるな、レン! |
レン | でしょでしょ~! ボクますますショーをするのが楽しくなってきたよ! |
レン | ねえねえ、司くん!ピエロとか興味ある? |
司 | ピエロ?サーカスとかに出てくるあれか? まあ、なくはないが……急にどうしたんだ? |
レン | 実はさ、カイトがうまいらしいんだ |
レン | それでボクやぬいぐるみくん達が見せてって言ったら、 今度見せてくれることになったんだよ |
司 | ほう、それはいい勉強になりそうだ! オレ達もぜひ見たい、とカイトに伝えておいてくれるか? |
レン | オッケー!じゃあ明日、カイトのステージに来てね! |
レン | うーん…… |
えむ | レンくん、どうかしたの? |
レン | それがさ、ミクにぬいぐるみくんを 連れてきてって言われたんだけど…… |
レン | ミクが行ってた『キラキラおめめちゃん』と 『三角お鼻くん』がどの子なのかわからなくって |
えむ | ん~。あっ、その子達ならあたしわかるかも |
レン | 本当!? ねえ、お願い! ボクと一緒に、その子達探すの手伝って! |
えむ | うん♪ それじゃあ、ぬいぐるみくん探しに レッツゴー! |
レン | ショーって、本当に楽しいね! カイトの劇団に入って本当によかったよ |
レン | みんなでたくさん話して、準備して、練習して ショーが終わるとやったねって喜びあって…… |
寧々 | うん。その感じ、わたしもわかる |
寧々 | 作りあげるのはものすごく大変だけど、 ショーのあとのお客さんの笑顔で、 それまでの苦労とか疲れとか、全部どっかいっちゃう |
レン | そうそう! その瞬間が嬉しいから、 次のショーもやっぱりがんばるんだよね。 すっごい大変なのにさ~ |
寧々 | ふふ、役者の性(さが)って感じだね |
レン | ねえねえ。この前、寧々ちゃんにそっくりで、 ぬいぐるみの子達みたいなしゃべりかたをする女の子を 見かけたんだけど、あの子誰? |
類 | ああ、それはネネロボだよ。 以前は寧々が操作をしていたんだけど…… |
類 | 寧々はもう、 ひとりでステージに立てるようになったからね |
類 | ネネロボのほうも ひとりで動いてしゃべれるように改良したんだ |
類 | 今はまだ試運転中だけど、しばらくしたらネネロボも ステージに立てるようになると思うよ |
レン | それって仲間が増えるってことだよね! いいね、すっごく楽しみ! |
えむ | あ、レンくんだ! こんにちわんだほーい♪ |
レン | やっほーえむちゃん! 今のそれ、新しい挨拶? |
えむ | うんっ☆ もっとたくさんの人に わんだほいやってほしくて考えてみたんだー♪ |
レン | へぇ! ボクもそれやってみようかな! |
えむ | ほんと!? じゃあ、一緒にやってみよ~う! せーの……! |
えむ・レン | 『こんにちわんだほーい!』 |
寧々 | ……ない。どこにもない。 でも、たしかこのあたりで…… |
レン | ね~ねちゃん! 何してるの? |
寧々 | ひゃっ! はぁ、なんだレンか…… |
レン | あははっ、びっくりさせちゃってごめんね。 それで、ベンチの前にうずくまって何してるの? |
寧々 | 昨日、このあたりで台本覚えてたんだけど、その…… |
レン | あっ、もしかして台本を探してたの? それならぬいぐるみくんが拾って、カイトに届けてるの見たよ |
寧々 | ……! よかった、すぐ取りに行かなくちゃ。 教えてくれてありがとう、レン |
レン | えへへっ、どういたしまして♪ |
類 | やあ、レンくん。カイトさんから 僕を探していると聞いたけど、どうかしたのかい? |
レン | 類くん! 実はボク、今度のショーで照明係をやるんだよね。 だから、コツとかあったら教えてほしいんだ |
類 | ふむ……ちなみにそれはレンくんがやりたいと 言ったわけじゃなく、カイトさんに任命されたのかな? |
レン | うん! でも、なんでわかったの? |
類 | フフ、役者として成長するためには、舞台に関することを なるべく知っておいたほうがいいからね |
類 | カイトさんはレンくんにも、 それを期待しているのかな、と思ってね |
レン | 期待……! 類くん、ボクがんばるよ! だから、たくさんコツ教えてほしいなっ! |
類 | ああ、もちろんだとも |
咲希 | さっきの音楽の授業、はるかちゃんすごかったよ! 歌声にすっごく気持ちが乗ってて、さすがプロって感じ! |
遥 | ううん。私なんてまだまだ。 抑揚のつけかたとかでそう聴こえるだけだよ |
遥 | アイドルの中には、 私よりももっと上手い人もたくさんいるしね |
咲希 | そうなんだ……! その人の歌、聴いてみたいな |
遥 | それならCD持ってるよ。今度持ってこようか? |
咲希 | やったー! ぜひお願いしまーす! |
咲希 | はるかちゃんって、ペンギンに似てるから フェニーくんが好きなんだよね? |
遥 | うん。純粋にフェニーくんが好きな人からすると すごく不純な動機だろうけど…… |
咲希 | そんなことないよ。好きになるきっかけは 人それぞれって、しほちゃんも言ってたし |
遥 | あ……A組にいる雫の妹さん、だよね そういえば、その子もフェニーくんが好きそうだね |
咲希 | え、すごい! どうして知ってるの!? |
遥 | ふふ。カバンにマスコットがついてるのを見かけたから |
咲希 | おおー、さすがはフェニーくん好き! 見逃さないね! |
遥 | 天馬さん、星乃さん達と一緒にバンドを始めたんだよね |
咲希 | うん! Leo/needっていう名前のバンドだよ |
咲希 | ふっふっふっ。MORE MORE JUMP!に 負けないくらいかっこいい名前でしょ? |
遥 | 負けないどころか、Leo/needのほうが 凛とした雰囲気もあってかっこいいよ |
咲希 | えっ! えへへっ、そうかな? そうかなぁ? |
遥 | (ふふ。天馬さん、バンドの名前すごく気に入ってるんだな) |
えむ | 今日も1日、わんだほーい♪ |
遥 | 鳳さん、その『わんだほーい』って何 |
えむ | んー、いろんな意味で使うけど……。 一番は、『笑顔になあれ』っていうおまじない、かな! |
えむ | 自分に言ったりもするし、 誰かに言ってあげたりもするよ! |
遥 | 笑顔になあれ、か。 ふふっ、とっても素敵なおまじないだね |
えむ | 遥ちゃんは、部活何やってるの? |
遥 | 今は何も。でも、中学校ではバスケ部だったよ |
遥 | アイドルの仕事が忙しくて、 公式の試合には一度も出られなかったけどね |
えむ | そうなんだ。またバスケ始めたりしないの? そしたらあたし、バスケ部に遊びに行くよ! |
遥 | そうだね……部活、か。 雫や愛莉もたしか入ってたし、ちょっと考えてみようかな |
えむ | うん!そうしようそうしよう♪ |
まふゆ | あ。鳳さん、こんにちは。あなたも、これから部活? |
えむ | はい!今日はハンドボール部と水泳部に行きますっ! |
まふゆ | 掛け持ちしてるんだね。体力的にもきつそうだけど、大丈夫? |
えむ | 全然大丈夫ですっ♪あ、でも頭の中を切り替えるのがとーっても大変で…… |
えむ | 特に新体操のあとのハンドボールは、新体操の動きでキャッチしちゃうんです! |
まふゆ | ふふ、それでもキャッチできちゃうなんてすごいな。今度、グラウンドに見に行っちゃおうかな |
えむ | あ!それならあたしもセンパイが矢を射るところ見てみたいです! |
まふゆ | それじゃあ、いつか見あいっこしようね |
まふゆ | そういえば鳳さんって、 遊園地のショーキャストをしてるんだよね |
えむ | はい! ワンダーステージっていうところで、 司くんや寧々ちゃん、類くんや着ぐるみさん達と みんなを笑顔にするショーをやってます! |
えむ | (そうだ! センパイときどき、 笑ってるのに笑ってないお顔の時あるし、 今日はちゃーんと笑顔にしてあげなくちゃ!) |
えむ | 朝比奈センパイ! わんわん~、わんだほーい♪ |
まふゆ | ……え? なあに、それ |
えむ | (ええーっ!? いきなり作戦失敗!?) |
えむ | え、えーっと、挨拶です…… |
まふゆ | そっか。ふふ、かわいいね |
えむ | そ、そうですか? あは、あはははは…… |
まふゆ | 鳳さんって、ときどき私に怯えているような時があるけど、 あれはどうして? |
えむ | え、それはもちろんセンパイが怖い…… |
えむ | ハッ!い、いえーっ! ちょっと、きっ、緊張しちゃって……! |
まふゆ | そう。でも、鳳さんなら…… |
まふゆ | 先輩とか後輩とかあんまり気にしないで、 鳳さんらしく、話しかけてくれると嬉しいな |
えむ | あ……。 はい! |
えむ | (えへへ。今の『嬉しいな』、 ちょっとだけ本当っぽかった!) |
咲希 | ふんふ~ん♪ 遥ちゃんとゲーセンだ♪ |
遥 | 楽しみだな。小学校の時に親友と行って以来……かな |
咲希 | プリ機とかアーケードゲームもいろいろ進化してるよ! アタシも退院したあと来てみて、びっくりしちゃった |
遥 | プリ機か。ふふ、どんなふうに進化してるか楽しみ |
咲希 | いいね!アタシもまだ全部の種類試してないから、 いろいろ試そうね! |
えむ | よーし、次はあっちのほうに行ってみようかなぁ? |
遥 | あれ、鳳さん? どこかにお出かけ? |
えむ | あっ、遥ちゃん! 実は今、ご近所探検の真っ最中なんだ♪ |
遥 | ご近所探検? |
えむ | うん! ご近所にある知らないものを見つけ出すワクワク! これがたまらないんだ~ |
遥 | なんだか面白そうだね。私もあっちに行く用事があるから、 途中まで一緒に行ってもいいかな? |
えむ | もちろん! てれててってれー♪ 遥ちゃんが仲間になった! |
遥 | ふふ、よろしくね |
冬弥 | ん、暁山か。最近よく会うな |
瑞希 | フフフ、それはきっと ボクが真面目に学校に来てるからじゃない? |
冬弥 | それはいいことだな |
瑞希 | (まあ、出席日数がヤバいから、 仕方なく来てるだけなんだけどねー) |
冬弥 | そういえば、昼は食べたのか? |
冬弥 | 彰人がサッカー部の昼練につきあっていて、 今日はひとりなんだ。よかったら一緒に食べないか? |
瑞希 | え、いいの? じゃあ、お呼ばれしちゃおうかな♪ |
司 | くっ、なんなんだあの噂は! |
瑞希 | あれ、司先輩だー。そんなに怒ってどうしたの? |
司 | 実はな『オレが類と一緒に、 学校を爆破しようとした』などという 不名誉な噂がたっているらしい |
瑞希 | あはは! なにその厨二っぽいウワサ! いくら類でも、そんなこと…… |
司 | ああ。むしろ爆破されそうになったのはオレだぞ! |
司 | 類のヤツ、火薬は使ってないとシラを切っていたが、 オレの前髪はたしかにちりちりにされたんだ! |
瑞希 | え、えーっと…… |
瑞希 | (類、うちの学校に転校してきてから……。 いや、司先輩と出会ってから、思いっきり羽伸ばしてるなぁ) |
瑞希 | やっほー、弟くん |
彰人 | はぁ……いい加減その『弟くん』ってのやめろ。 冬弥のことは、普通に名前で呼んでるだろ |
瑞希 | えー、でもボクにとっては『絵名の弟くん』なんだもん♪ |
彰人 | ……お前、オレが嫌がってるのわかってて わざとやってるだろ |
瑞希 | てへっ☆ |
瑞希 | ねえねえ、弟くん! これ、レディースファッションの記事なんだけどさ |
瑞希 | 次にくるトレンドの予測がのってるんだ♪ セレクトショップの店員的にはどれだと思う? |
彰人 | どれだと思うって……この雑誌ロリータ系じゃねぇか。 オレに答えられるわけねぇだろ |
瑞希 | いいのいいの♪ ファッションに興味ある者同士、 適当に推理しあって遊びたいだけなんだから |
彰人 | ちっともよくねえ。 そんな無責任な話できるか |
瑞希 | (へえ! 弟くんも絵名と一緒で、 自分が好きなことには、とことん真面目なタイプなんだ) |
瑞希 | ふふ。ホント、似たもの姉弟だね |
瑞希 | ねえねえ、冬弥くんってピュアすぎない? 『自転車が壊れて歩いて登校したから遅刻した』 って言ったら信じちゃったんだけど |
彰人 | ああ。それくらいなら普通に信じるぞ、あいつ |
瑞希 | ええっ!? ボク、そんなことしてまで 学校来るようなキャラじゃないじゃん! |
彰人 | それ自分で言うのか…… |
瑞希 | ていうか、冬弥くん大丈夫!? 変なツボ買わされたり、ぼったくりにあったり 悪い人に連帯保証人とかにされちゃったりしない!? |
彰人 | それは大丈夫だろ。 つーか、相手がいいヤツか悪いヤツかわかんねえほど あいつもバカじゃねえよ |
瑞希 | ……ふーん。信頼してるねー |
彰人 | ま、相棒だしな |
瑞希 | おはよー♪ |
冬弥 | ……もう昼だが? |
瑞希 | ボクにとっては朝だよ。今来たところだしね |
冬弥 | 今? 電車が遅延でもしていたのか? |
瑞希 | それがさー、自転車が壊れちゃって。 だから仕方なーく、 家から1時間かけて歩いてきたんだよ。 |
冬弥 | ……! それは大変だったな |
冬弥 | そうだ。かなり長い距離を歩いただろうし、 水分補給をしたほうがいい。 何か買ってくるから待っていてくれ |
瑞希 | え……ちょっと、待って待って! ごめん、ただの冗談だよー! |
瑞希 | ねえねえ、司先輩や類がいるショーユニットって どんな感じのメンバーがいるの? |
瑞希 | たしか4人だよね。 司先輩と類と、あとは類の幼馴染の子と…… |
司 | ああ。ワンダーステージに もともといたキャストがひとりいる |
瑞希 | へえ、その子はどんな子? |
司 | どうと言われても…… |
司 | 演出の見栄えを確かめたいから逆さづりになれ、と 類がオレに言ってきた時、 自分もやってみたいと手をあげるようなヤツだ |
瑞希 | あははっ! 何それおもしろい! いいなぁ、ボクもいつかその子に会ってみたいなぁ |
瑞希 | 司先輩って病気がちだった妹さんを元気づけるために、 スターを目指し始めたんだってね。 いいお兄ちゃんだよね~ |
司 | まあ、そうでもあるな! だがしかし、褒めても何も出ないぞ |
瑞希 | (ん~。これはなんか出てきそうかも) |
瑞希 | ああ、ボクもそんなお兄ちゃんが欲しかったなぁ! |
瑞希 | 司先輩の妹さんが、ものすごーく羨ましいよ。 こんなにも頼りになるカッコイイお兄さんがいるなんて! |
司 | こらこら、そんな羨望のまなざしで見られても、 オレはお前の兄にはなれないぞ? |
司 | だがそうだな、お前の頼れる先輩として、 今日の昼食をおごってやるくらいはできるな |
瑞希 | わーい♪ ありがとう、司先輩! |
瑞希 | あれ? 冬弥くんじゃん! ……って、その手に持ってるでっかい袋、ゲームセンターの? |
冬弥 | ああ。クレーンゲームでとったぬいぐるみだ |
瑞希 | へえ! 冬弥くんも行くんだね、ゲームセンター。 ちなみに、そのでっかいぬいぐるみは 家に持って帰って飾るの? |
冬弥 | いや、持っては帰れない。 だから、お姉さんや妹さんがいる 彰人か司先輩に引き取ってもらっている |
瑞希 | へえ。あ、ということは…… |
瑞希 | 絵名がSNSにアップする写真に、たまにゲームセンターの 景品っぽいぬいぐるみがいるけど、 あれの出所は冬弥くんだったんだね |
ミク | ねえねえ、メイコはどんなショーがしたい? なんでも言ってみてっ☆ |
MEIKO | んー、そうねえ。それなら、 このステージだけじゃなくて、外のアトラクションとかも 使ったショーをやってみたいわね! |
MEIKO | それから、お客さんをステージに呼んで 一緒に参加してもらうショーとか! |
ミク | わぁ!それすっごくおもしろそう! ミクもそれ絶対やりたーい! |
ミク | よーし!カイトにやりたいって言いに行こう♪ |
MEIKO | ふふ。おー! |
レン | ――えい!やあ!とうっ! |
レン | どう、メイコ。 ボクの殺陣、いい感じになってきたでしょ? |
MEIKO | うん、かっこよかったわよ! たしか、あとは相手役との呼吸を合わせる練習があるのよね |
MEIKO | ねえ、私が相手役をやってみてもいい? |
レン | もちろん! あ……でも練習の剣、1本しか持ってきてないや |
MEIKO | 大丈夫。いざという時はアレよ! 真剣白刃取り! |
レン | あはは!メイコならできちゃいそうだね! |
MEIKO | カイト、相談って? |
KAITO | 実は今度やろうと思ってるミュージカルショーなんだけど、 どうしても空が見えるシーンが必要なんだ |
KAITO | ただ背景だと、どうしても本物の空ほどの開放感がなくてね。 さてどうしたものかと…… |
MEIKO | あら、背景じゃもの足りないならステージの幕の色を うまく使うとかどう?ほらもともとステージ、青色だし! |
MEIKO | あとは、いっそそのシーンだけでも、 本物の空の下でやるとかどう?面白そうじゃない? |
KAITO | なるほど……!メイコの考え方はすごいね。 スケールが大きいというか柔軟というか |
MEIKO | どういたしまして! こういう感じでよかったら、まだまだ相談に乗れるわよ♪ |
KAITO | ありがとう。それじゃあお言葉に甘えて、 案出しを手伝ってもらおうかな |
MEIKO | 自由に動いてしゃべるぬいぐるみに、空飛ぶアトラクション! もう見るからに面白そうなセカイね! |
MEIKO | さ~て、どこから見て回ろうかしら? |
MEIKO | 練習お疲れさま!今日もなんだかすごかったわね! |
MEIKO | 大きな扇風機ですごい風をおこしたり、 衣装の早着替えをしたり! |
司 | ああ、あれか。……まあ実際にやる側としては、 結構な苦労があるんだがな |
MEIKO | でも、それを完璧にこなしてあげちゃうのが、 司くんのすごいところよね! |
司 | ふっ、オレはワンダーランズ×ショウタイムの 座長でありスターだからな! 演出家がやりたいと言うなら、全力でやるだけだ! |
MEIKO | よっ、さすが座長!頼もしいわね♪ |
司 | はははっ!それほどでもあるぞ! |
MEIKO | あら、その子がネネロボちゃん? |
寧々 | うん。前はわたしが動かしたりしゃべったりしてたけど、 自分で動いてしゃべれるように、類に作りかえてもらったの |
MEIKO | ステージで一緒にショーができるように、よね? |
寧々 | うん。ほらネネロボ、メイコさんだよ |
ネネロボ | メイコサン、ヨロシクオネガイシマス |
MEIKO | ええ、こちらこそよろしく! ふふ。私も早くネネロボちゃんとショーをやりたいわ |
MEIKO | 類くん、聞いたわよ。 カイトのステージにポップアップを作ってくれてるんですって? |
MEIKO | 演出だけじゃなくって、舞台装置まで作れるなんて、 すごいのね! |
類 | フフ、僕が得意なのは機械いじり程度だよ |
類 | ほとんどは、設計図通りに素材を準備したり、 組み立てたりしてくれたカイトさんや ぬいぐるみくん達のおかげなんだ |
MEIKO | ふふ、そんなに謙遜しなくていいのに。 それで、いつ頃完成なの? |
類 | 間もなくだよ。今度試しに司くんに飛んでもらって、 最終調整をすれば完成だ |
MEIKO | あら、それは楽しみね!絶対見に行かなくっちゃ♪ |
えむ | ねえねえ、メイコお姉さん。 メイコお姉さんは、ずっとここにいたんじゃなくて、 どこかから来てくれたんだよね? |
MEIKO | ええ。私も仲間に入れてほしくってね! |
えむ | 仲間? |
MEIKO | ええ、ミクやカイト、それにえむちゃん達のね |
MEIKO | それで仲間になって、私も一緒に 『みんなが笑顔になれるショー』を作りたいの |
MEIKO | だって、たくさんの人を笑顔にするなんて、 こんなステキなことなかなかないじゃない? |
えむ | うんうんっ、そうだよねっ! みんなで楽しいショーを作ろうね、メイコお姉さん! |
MEIKO | ええ!これからよろしくね、えむちゃん! |
ミク | あれ? ルカ、何しているの? |
ルカ | 掃除よ。といっても、 軽く机を拭いたり、窓を開けたりするだけなんだけど |
ミク | へぇ……。でも、急になんで? |
ルカ | あら、急にじゃないのよ? しばらく前にも、穂波と一緒にしたから |
ミク | そうだったんだ。 言ってくれれば手伝ったのに |
ルカ | ふふ、それほどのことでもないから |
ルカ | でもそうね……。 せっかくだから、今日は手伝ってもらおうかしら? そこの机、拭いてくれる? |
ミク | うん、任せて |
リン | ここでライブするの、何回目くらいになるのかな? |
リン | 初めは数えてたけど……。 えへへ、途中からわからなくなっちゃった! |
ミク | ふふ。毎日ライブをやってた時もあったしね! |
ミク | それにセトリは同じでも、途中のトークとか全部違うから、 いつでも"初めて"な気分だし♪ |
リン | うん! きっとそれぞれのライブが、 わたし達にとっても、歌を聴いてくれるみんなにとっても、 1回だけの特別なライブなんだよね! |
ミク | そうだね! これからも、 そんな特別なライブを続けていきたいね! |
MEIKO | ……ミク、本当に大丈夫? |
ミク | うん。いつもメイコがやってるの見てるし。 えっと……ペーパードリッパーをつけて……。 コーヒーの粉を、1、2、3、4杯―― |
MEIKO | ……!! |
ミク | ん、ちょっと多いかな? 4杯目はなしにして……。 次はお湯を全体にかけて蒸らして……。 |
MEIKO | (ふたり分にしてはそれでも多いけど……。 でも、手順自体はちゃんと覚えてくれてたのね) |
ミク | ふふ。そんなにじっと見なくてもわかってるって。 コーヒーは、焦っていれちゃダメなんでしょ? |
ミク | ま、のんびりしててよ。 なんなら、今日は1日私がマスターやるからさ |
MEIKO | ええ。そうね…… |
MEIKO | (気持ちはすごく嬉しいんだけど。 変なドキドキが止まらないわ……) |
KAITO | ぬいぐるみのみんなの衣装、 とりあえず1着ずつはなんとかなったかな |
ミク | うんっ☆ お疲れさま、カイト! |
KAITO | ミクもお疲れさま。 ありがとう、いろいろ手伝ってくれて |
ミク | えへへ。だってミクがお願いしたんだもん♪ お手伝いは当たり前だよっ☆ |
ミク | でもでも~、1着作ったら、 もう1着欲しくなっちゃうよねっ? ねっ? |
KAITO | あはは……そう言うと思ったよ |
KAITO | でも、衣装はショーにも必要なものだからね。 今度はぬいぐるみのみんなにも手伝ってもらって、 準備を進めよう |
ミク | わーい! それじゃあ、みんなに集まってもらって、 さっそく始めよーう♪ |
ミク | …………。 瑞希がくれたブランケットと…… |
ミク | 絵名がくれたマフラーと、 奏がくれた靴下と、それから―― |
ミク | まふゆがくれた、手袋…… |
ミク | ……これが、“温かい” |
ミク | いいな。“温かい”、すごく好き…… |
ルカ | メイコ、ここの屋上にはあがってみた? |
MEIKO | 屋上? 何かあるの? |
ルカ | ふふ。一歌達の思い出の星空よ。 流星がとってもきれいなの |
MEIKO | あ、しし座流星群のこと? みんなの思い出の星なら、絶対見ないとね! |
ルカ | じゃあ、ミクも呼んで一緒に行きましょうか |
MEIKO | へぇ、楽器だけじゃなくて、ドラムスティックみたいな 演奏用の道具もいろいろそろってるんだ |
MEIKO | あ、同じ材質でもチップが違うのもある。 本当に用意がいいな |
MEIKO | んー。好みのスティック以外を使う気なかったけど、 これだけあると、ときどき変えてみるのもおもしろいかもね |
MEIKO | なるほど。このセカイでは一歌達はミクやルカの後輩なんだ |
ミク | うん。バンドのね! |
MEIKO | じゃあ、あとから加わった私も後輩かな? |
ミク | メイコが後輩? 全然似合わなさそう |
MEIKO | えー。そんなことないですよ、ミク先輩♪ |
MEIKO | ……って、自分でやっててちょっと恥ずかしくなってきた |
ミク | ふふっ。慣れないことするからだよ? |
MEIKO | 一歌がしてるバイト……ファーストフード店、だっけ? 一歌は何をする人なの? |
一歌 | 接客。来たお客さんの注文を聞いて、 キッチンの人に作ってもらって、出すっていう感じ |
MEIKO | あっ、わかった! スマイルくれる人か! |
一歌 | うん、間違ってはないけど…… |
MEIKO | やっぱり! じゃあ、スマイルくださいな? |
一歌 | え、えっと……スマイル単品での注文はご遠慮ください |
MEIKO | ずいぶん熱心に読んでるけど、それはなんの本? |
咲希 | これですか? ヘアスタイルとか アレンジの仕方がたくさんのってる雑誌です |
咲希 | 自分のくせっ毛をどうにかしたくて勉強し始めたんですけど、 結構ハマっちゃって! |
MEIKO | へぇ。たしかに咲希くらい髪が長かったら、 いろいろなアレンジができて楽しそうだね |
咲希 | メイコさんくらいのショートヘアでも 十分アレンジできますよ! ちょっと試してみますか? |
MEIKO | いいの? じゃあ、お願いしようかな |
MEIKO | 穂波、なんだか元気がないね。 どうかしたの? |
穂波 | 実は美術の課題で、身近なものをデッサンしないと いけないんですけど、わたし、絵がすごく苦手で…… |
穂波 | 犬は犬でも。おおいぬとかこいぬなら描けるのに…… |
MEIKO | それ……もしかして、おおいぬ座とか、 こいぬ座とか、星座のこと? |
穂波 | はい! わたし、直線だけとか 単純な絵なら描けるみたいなんです! |
穂波 | はぁ。星座の絵で許してくれればいいんですけど…… 無理ですよね |
MEIKO | でも、一生懸命さは伝わるかもね |
MEIKO | そういえば、志歩の趣味って何? |
志歩 | え? 応援してるガールズバンドのライブに行くことと あとは練習くらいだけど、急にどうしたの? |
MEIKO | 志歩のことがもっと知りたいって思ってね! |
MEIKO | セッションでしかわからないこともあれば、 会話でしかわからないこともあるんじゃないかって |
MEIKO | その応援してるガールズバンドのこととか、 もっと教えてよ |
志歩 | いいよ。あ、配信されてる曲とかもあるけど、聴く? |
MEIKO | 聴く聴く! 楽しみだな~! |
ミク | ルカちゃん、やっとセカイに来てくれたね♪ |
ルカ | あら。もしかして、ずっと待っていてくれたの? |
ミク | そうだよ。ルカちゃんが来てくれたら、 どんなライブができるかなって、リンちゃんと話もしてたの! |
ルカ | そんなに楽しみにしててくれたなんて、嬉しいわ。 これから3人で、たくさんライブしましょうね♪ |
ミク | うん! よろしくね、ルカちゃん! |
リン | うーん、どれにしようかな~…… |
ルカ | どうしたの、リンちゃん。 何か困りごと? |
リン | うん、せっかくルカちゃんが来てくれたから、 ちょっと大人っぽい曲がいいかなって思ったんだけど |
リン | でも、大人っぽい歌詞だったり、 ダンスだったり、いろいろあって選べなくてー! |
ルカ | ふふ。それじゃあ、一緒に選ばない? いくらでもつきあうわよ♪ |
リン | 本当!? よーしそれじゃあ一緒に、 最高のセトリ作ろうねー! |
ルカ | ふふ。そろそろステージが始まるわね♪ |
ルカ | 今日はミクちゃん達とも相談して、 いつもと違ってサプライズな登場をするつもりだけど…… |
ルカ | みんな、どんな反応をしてくれるかしら。 楽しみね♪ |
ルカ | 愛莉ちゃんって、MCの時誰よりも堂々としてるわね |
愛莉 | きっと、アイドル活動だけじゃなくて、 たくさんバラエティ番組に出てたおかげね |
ルカ | あ、だからアドリブするのも、返すのも得意なのね! 特に切り返しなんて、すごく早くて的確ですごいわ |
愛莉 | ふふ。ありがとう、ルカ! |
愛莉 | 罰ゲームに死ぬほど苦いジュース飲んだり、 心霊スポット巡ったり大変だったけど、 無駄じゃなかったわね…… |
ルカ | ねえ、雫ちゃん。練習のあとに お味噌汁を飲むって聞いたけど、いつもそうしてるの? |
雫 | いいえ、お味噌汁を持ってくるようになったのは最近よ |
雫 | 私達、学校の屋上で練習するから、 練習のあと、どうしても体が冷えやすいの。 だから、風邪をひかないようにって思って |
ルカ | さすがね。そういうところから 体調管理をしっかりしているなんて! |
雫 | ありがとう。でも、そういう理由を抜きにしても お味噌汁は体にとってもいいのよ |
ルカ | ふふ。私も雫ちゃんが作ったお味噌汁飲んでみたいわ |
雫 | 本当? それじゃあ、一番のお気に入りをご馳走するね |
みのり | ライブお疲れさま、ルカちゃん! 今日もすごく、キラキラしてて! もうすごくまぶしかった! |
ルカ | ふふ。あれはね、私をキラキラさせてくれるために、 妖精さんが奥でライトを当ててくれているのよ |
みのり | す、すごい! セカイには妖精さんもいるんだね! じゃあ、その妖精さんにお願いすれば、わたしも……! |
ルカ | ふふ。ごめんね、みのりちゃん。 妖精さんは、冗談♪ |
みのり | えっ! そんなぁ~。 せっかくキラキラできると思ったのに |
ルカ | あら、それなら心配いらないわ。 だって、みのりちゃんは今も十分キラキラしてるもの! |
遥 | んー……大食い、ゲーム、釣り、あとは…… |
ルカ | あら、なんだか面白そうね。 それは配信の企画でやるの? |
遥 | まだ企画段階だけどね。 ちょっと意外性のある、面白い内容にできたらいいな |
ルカ | なるほど……。 あ、それなら着ぐるみなんてどうかしら♪ |
遥 | え……アイドルなのに顔を出さないの? たしかに意外性は高そうだけど…… |
遥 | そうだ。誰がどのきぐるみに入ってるか、 予想してもらいながら見るのは、ゲームとして面白いかも |
ルカ | ええ、すごく面白そう! ふふ。遥ちゃんのその企画、楽しみにしてるわね♪ |
リン | ねえ、杏ちゃん! 今度またメイコのカフェのお手伝いするんだけど、 かわいいエプロンつけてお手伝いしたいんだ |
リン | だから、杏ちゃんがお父さんのお店で使ってるエプロン、 わたしに貸してくれないかな? |
杏 | 貸すのは大丈夫だけど……。 うちの店で使ってるのは、別にかわいくないよ? すごくシンプルなデザインだから |
リン | そうなの? リボンとかフリフリとかついてないの? |
杏 | あはは……。 逆にそんなエプロンだったら、私使えてないよ |
リン | えー、そういうエプロンもかわいいし、 つけてる杏ちゃんだってかわいいと思うのになぁ~ |
杏 | そう? ま、うちの店のは好みじゃないと思うから、 なんかかわいいヤツ、探してみるね! |
リン | ねえねえ。杏ちゃんは、 こはねちゃんとケンカしたりしないの? |
杏 | んー、今のところはないかなぁ |
リン | そうなんだ! やっぱり仲良しなんだね! |
杏 | ふふ、そうだね。でも、遠慮なくアレコレ言いあえる リンちゃんやレンくんが羨ましい時もあるよ? |
杏 | こはねは優しいから、 言いたいこと我慢してるかもって思う時もあるし |
リン | そうなんだー。じゃあもしかして、 ケンカも悪いことじゃないのかなぁ? |
杏 | きっとそうだよ。ま、仲直りがちょっと大変そうだから、 なるべくしたくはないけどね! |
リン | 彰人くーん、聞いてー! レンが約束の時間に遅れたくせに、 ごめんも言わないんだよー! なんか言ってやってよー! |
彰人 | 何かと思ったら……。 そんなどーでもいいケンカにオレを巻き込むなよ |
リン | ……あーあ。こういう時冬弥くんなら 相談に乗ってくれるのになー |
彰人 | ま、そうだろうな |
リン | 乗ってくれるのになー!! |
彰人 | ……はぁ。ったく、今回だけだぞ? |
リン | やったー! えへへ、彰人くん優しいー! |
彰人 | はいはい。ほら、とっとと済ますぞ |
リン | 彰人くんって、お姉ちゃんがいるんだよね |
リン | その人ってミクとメイコだったら、 どっちに似てるの? |
彰人 | どっちにも似てねえな |
彰人 | ミクとかメイコさんみたいに落ち着いてねえし、 わがままだし…… |
彰人 | 強いて言うなら、 リンが一番近いんじゃねえか? |
リン | へー、そうなんだ |
リン | ……ん? それってどういう意味!? |
リン | あっ! 冬弥くん、いいところに! |
リン | 今、メイコに教わりながら、初めてコーヒーいれてみたの! よかったら、飲んでみてほしいな |
冬弥 | それは嬉しいが、俺でいいのか? |
リン | うん! 冬弥くんはコーヒーに詳しいって メイコも言ってたし! |
リン | 感想とか、アドバイスしてもらえると嬉しいな♪ |
冬弥 | わかった。そういうことなら、ありがたく飲ませてもらおう |
リン | 冬弥くん、アンケートに協力してもらえないかな! |
冬弥 | アンケート? |
リン | うん♪ 最近よくメイコのお店を手伝うようになったから、 みんなの好みを知っておきたいなって思って! |
リン | 冬弥くんは、飲み物何が好き? それと、他のみんなの好みも知ってたら教えて! |
冬弥 | 俺と彰人はだいたいコーヒーを飲むことが多いな。 俺はブラックで、彰人は砂糖とミルクも使う |
冬弥 | 白石は、コーヒーも飲むが紅茶も好きらしいな。 あと、小豆沢はラテのような ミルクが入ってる飲み物をよく飲んでいる印象だな |
リン | あ、トッピングつきのカフェラテよく飲んでるよね! しかも、いつも組み合わせ変えてるような気がする |
冬弥 | ああ。そういう意味では、俺達の中で 一番冒険心があるかもしれないな |
リン | そうなんだ! えへへ、おもしろい話聞けちゃった♪ どうもありがと、冬弥くん! |
こはね | リンちゃんいくよ。……はい、チーズ! |
こはね | これが今、撮れた写真だよ。どうかな? |
リン | わぁ! すごくかっこよく写ってる! こはねちゃん、プロみたいだね |
リン | ねえねえ、レンとも一緒に撮ってほしいな! だからもう1枚お願いしてもいい? |
こはね | ふふ。何枚でもいいよ。最近、景色ばっかり撮ってたから、 久しぶりにたくさん人を撮りたかったし |
リン | やったー! えへへっ、それじゃあ歌ってるところも 撮ってもらっちゃおうかな♪ |
こはね | もちろん、いいよ! ふふ、リンちゃん達の いろいろな表情が撮れそうで、楽しみ! |
こはね | ふんふーん♪ |
リン | こはねちゃん、何聴いてるの? |
こはね | あ、リンちゃん! 杏ちゃんから貸してもらったCDだよ。 えっと、フューチャーハウス系って言ってたかな |
こはね | 私、経験だけじゃなくて、歌える曲のレパートリーも少ないから たくさん聴かなくちゃって思って借りてるんだ |
リン | わぁ、こはねちゃんがんばってるね! |
こはね | ユニットのメンバーとしては認めてもらってるけど、 実力でも、胸を張ってみんなの隣に立ちたいから |
リン | そっか! こはねちゃん、カッコイイー! |
ミク | とーぉう☆ くるくるっ……シュタ!! |
リン | わぁ……! 空中であんなにくるくるできるなんて、 ミク、すごーい! |
ミク | ふ、ふ、ふ! 今のは準備運動だよ☆ も~~~~っと跳んで回ってひねってくるくるしちゃうよ♪ |
リン | いいなぁ。ミク、リンもやりたーい! くるくるシュタ!ってやりたーい! |
ミク | いいよー。それじゃあトランポリンで練習だねっ☆ |
リン | はーい☆ くるくる頑張るぞ~♪ |
リン | 『とびきりハッピーな魔法をキミにかけてあげる♪ だからきっと、明日はと~っても楽しい日になるよ!』 |
リン | よーし! セリフの練習バッチリ! |
リン | えへへ☆ 今日のショーもすっごく楽しみ~♪ |
リン | ねえ、レン……。次のショーの練習、進んでる? |
レン | もっちろん♪ そういうリンは? |
リン | う~ん。実は、うまく言えないセリフがあって…… |
レン | だったら、一緒に練習しようよ! ボクとリン、ふたりで出てるシーン多いしさ! |
リン | いいの? |
レン | えへへっ、当然だよ♪ だってボク達、同じ劇団の仲間だもん! |
リン | レン……! うん、ありがとう! |
リン | メリーゴーランドや汽車が空を飛んでて、 ここってやっぱりすっごくおもしろいセカイだよね! |
MEIKO | あはは、そうね! でも、空飛ぶコーヒーカップはないのよねぇ |
MEIKO | くるくる回せるハンドルもついてるんだし、 空を飛んで好きなところにいけて便利そうなのに! |
リン | あははっ! メイコってば、 それもうコーヒーカップじゃなくて飛行機になっちゃうよ~ |
リン | それに飛行機のアトラクションなら、 ちょっと遠いけどこのセカイにあるよ♪ |
MEIKO | あら! じゃあパイロット気分も夢じゃないわね♪ リン、そのアトラクションに案内してくれる? |
リン | うん♪ まっかせてー! |
リン | カイト、座長ってどんなことをしてるの? |
KAITO | そうだな……。僕の場合は、 ミク達のアイディアをまとめて脚本を作ったり、 必要な道具や衣装を準備したりしてるよ |
リン | すごーい! いろんなことしてるんだね☆ ねえねえ、リンも座長できる? |
KAITO | もちろん。みんなも、きっと力を貸してくれるだろうから |
KAITO | メンバーもだいぶそろってきたし、 僕じゃない誰かが座長になって公演をやるのもいいね |
リン | わあ、じゃあリンが座長やりたーい☆ |
KAITO | ふふ、そうだね。どんな公演にするかも含めて、 みんなと相談しようか |
寧々 | ね……ねえ…… |
リン | うん☆ なあに、寧々ちゃん! |
寧々 | えっと……また一緒に練習、しない? |
リン | わあ、いいよー♪ ねえねえ、いつする? どこでする~? |
寧々 | ちょ、ちょっと、そんなにくっつかなくても……。 あ、あさっての夕方とか、どう? |
リン | 大丈夫だよっ☆ えへへ、練習楽しみ~! ねっ、寧々ちゃん♪ |
寧々 | うん。そうだね |
咲希 | ねえねえ、えむちゃん。 わんだほいポーズってどうやってやるの? |
えむ | 簡単だよ♪ まず、こうやって腕を構えて…… |
咲希 | はい! |
えむ | ぐぐぐっからのドッカーンっていう感じで、 わんだほーい♪ |
咲希 | ぐぐぐってして……わんだほーい♪ |
えむ | おおー! 咲希ちゃん、カンペキ☆ |
咲希 | やったー! えへへ、じゃあ今度ショーを見に行った時は、 いっちゃん達とみんなでわんだほいポーズするね! |
えむ | 本当!? わーい! 楽しみに待ってるね♪ |
えむ | ――♪ ――♪ |
一歌 | 鳳さん、それミクが歌ってる曲……だよね |
えむ | うん♪ 昨日穂波ちゃんが聴いてたのを 教えてもらったんだっ☆ |
一歌 | え、穂波から? |
えむ | うん♪ あっ、そういえば。 穂波ちゃんは、一歌ちゃんから教えてもらったって言ってた! |
一歌 | あ、やっぱり。覚えがある曲だなって思ったんだ |
えむ | じゃあ、あたしは一歌ちゃんのおかげで こんなに楽しい歌と出会えたってことだね! ありがとう、一歌ちゃん! |
一歌 | ふふ。どういたしまして |
えむ | ねえねえ! バンドって、いろんな楽器があるよね! もしあたしがやるなら、どの楽器がいいと思う? |
志歩 | さあね。自分がやりたいと思った楽器をやればいいんじゃない? |
えむ | おおー! 志歩ちゃん、カッコイイ! でもでも、志歩ちゃんから見たイメージが知りたいな~♪ |
志歩 | イメージ、か。それなら…… |
えむ | うんうん! |
志歩 | ……タンバリン |
えむ | わぁ……! タンバリン大好き! タンタン♪ シャラシャラシャラシャラ~♪ |
志歩 | (……うん、イメージぴったり) |
一歌 | 草薙さんって、他の人にも歌を教えてるの? |
寧々 | ううん、えむにはたまに、アドバイスしてって 言われることがあるけどね |
一歌 | へぇ。じゃあ、今度は3人で歌の練習するのはどうかな |
寧々 | えむがいるとうるさくなりそうだけど。 それでもいいなら…… |
一歌 | うん、全然いいよ |
寧々 | それじゃあ、えむに話しとくね。 えっと……つ、次もよろしく |
咲希 | ねねちゃん、ぬいぐるみ取ってくれてありがとう! クレーンゲーム、あんなに上手なんて思わなかった! |
寧々 | 別にあれくらい普通。 うまい人は、もっと少ない回数で取るだろうし |
咲希 | そうなんだ。 じゃあとーやくんって、ものすごく上手なのかも……! |
寧々 | トーヤクン? 誰、それ |
咲希 | お兄ちゃんの友達で、昔からの知り合いなんだけど、 大きいぬいぐるみも、だいたい3回くらいで取っちゃうの! |
寧々 | へえ、すごいね |
咲希 | ねねちゃんと同じ神高の1年生だから、 どこかで会ってるかもね! |
寧々 | (司の知り合いで、同じ神高の1年で、トーヤクン? それ、ひょっとして……) |
志歩 | あ、草薙さん? それ、ゲームセンターの景品? |
寧々 | う、うん。クレーンゲームでとったお菓子 |
志歩 | へぇ。もしかして、ゲームセンターよく行くの? |
寧々 | たまに、かな。ゲームやるなら、 アプリとかオンラインのほうが好きだし |
志歩 | そうなんだ。じゃあ、育成ゲームとかもしてたりする? うさぎとか、ハムスターとか |
寧々 | えっと、そういうのはあんまり……対戦系が好きだから |
志歩 | そっか…… |
寧々 | (あ……もしかして、育成系のゲームが好きなのかな。 ちょっと意外……) |
えむ | 穂波ちゃん、これあげる☆ |
穂波 | え? たい焼き……? |
えむ | うん! 前にアップルパイをご馳走してもらったから、 そのお礼! |
穂波 | ああ、わたしが全部買っちゃった時の……。 そんなの気にしなくていいのに |
穂波 | あ、えむちゃんの分は大丈夫? |
えむ | 実はあたしも買ってきたんだ! 穂波ちゃんと一緒に食べようと思って☆ |
穂波 | ふふ、それじゃあ一緒に食べよっか |
穂波 | 久しぶりにここで遊べて、すごく楽しかったです。 昔遊んだ時のこともだんだん思い出してきて…… |
寧々 | 正直わたしは、そこまで深い思い入れはないけど……。 えむは、それ聞いたら喜ぶと思う |
寧々 | おじいちゃんとの、思い出とかもあるみたいだし |
穂波 | そうですね。学校でもよく話してくれるんですよ |
穂波 | 遊園地のことはもちろん、 ワンダーステージのショーを見たら、 絶対に笑顔になれるよって |
寧々 | そうなんだ。えむらしいね |
穂波 | はい。それにえむちゃんの言うとおり、 本当にたくさん笑顔をもらっちゃいました |
寧々 | ……そっか。よかった…… |
奏 | あ…… |
穂波 | あ!宵崎さん、こんにちは |
奏 | CD、買いに来たの? |
穂波 | いえ、今、お会計に行っちゃってるんですけど 友達の付き添いです |
穂波 | ふふ。でも、街で出会えるなんてなんだか嬉しいです。 同じ街に住んでるんだなっていう感じがして |
奏 | もしかしたら今までも どこかですれ違っていたりしたのかもしれないね |
穂波 | そう思うと、ちょっと不思議ですね。 こうやってわたし達が知り合いになるのって |
奏 | うん |
奏 | (家事代行を頼んでくれたおばあちゃんに感謝、かな) |
穂波 | すみません、宵崎さん。 お買い物手伝ってもらっちゃって |
奏 | たまたまほしい物があったから |
奏 | それにサークル仲間から 『食事を作る時は、なんでもいいって言われるのが 一番困るんだよ』って言われて…… |
奏 | 今日くらい、自分の目で見て、 食べたい物をリクエストしようと思ったんだけど…… |
穂波 | ふふ。いいんですよ。 何を作るか考えるのも楽しいですから |
穂波 | それに、宵崎さんの好み、 最近ちょっとわかってきた気がしますし |
奏 | え、本当?自分ではよく分からないんだけど…… |
穂波 | ふふ。予想が正しいかどうかもう少し検証できたら、 お話しますね |
穂波 | あ!こんにちは宵崎さん。 お出かけですか? |
奏 | うん、ちょっとサークルのメンバーと 待ち合わせしてて…… |
奏 | 望月さんも、どこかに出かけるところ? |
穂波 | はい。あ……そういえばお話しましたっけ? わたし、幼馴染みの子達とバンドをやっていて……。 これからその練習に行くところなんです |
奏 | うん。話は一度、聞かせてもらった気がする。 望月さんがどんな演奏をするのか、 ちょっと聞いてみたいな |
穂波 | 本当ですか?まだまだつたない演奏なので ちょっと恥ずかしいですけど…… |
穂波 | 今度おうちにお邪魔する時に、 音合わせした時の音源を持って行きますね |
奏 | うん。楽しみにしてる |
ミク | ………… |
リン | ……ミク、どうしたの? なんだか、嬉しそうだけど |
ミク | なんでもない。ただ……。 隣に誰かがいるの、いいな |
リン | そう……。うん……そうだね |
リン | ――♪ ――♪ |
リン | あ……この辺り、ちょっと歌の響きかたが違う |
リン | 他の場所でも違うのかな? いい響きになるところ、探してみようかな |
リン | ここ、本当にミク以外誰もいないし、何もない…… |
リン | でも……今はわたしがいる |
リン | これから、またちょっとずつ変わっていくのかな |
リン | どうしたの、瑞希。 人の顔見てニコニコして…… |
瑞希 | リンが来てくれて、ホントよかったなーって思ってさ |
瑞希 | ボク達たまにしかここに来られないから、 その間ミクひとりぼっちだったけど。 もうその心配いらないでしょ? |
リン | ……ふうん、そっか。 |
リン | (そうやってみんなが気にかけてたなら、 ミク、そんなに寂しくなかったんじゃないかな) |
奏 | リンは、このセカイのことどう思う? |
リン | ……別にどうも思わないよ |
奏 | じゃあ、まふゆのことは? |
リン | ときどき苦しそう。でも…… |
リン | 奏達に見つけてもらう前の苦しさとはちょっと違うみたい。 きっと、探してるんだと思う。失くしちゃったものを |
リン | だから、これからも一緒に探してあげて |
奏 | うん、そうする。 ありがとう、リン |
まふゆ | ………… |
リン | ――♪ ――♪ |
まふゆ | ………… |
リン | ――♪ ――………… |
まふゆ | ……もう、歌わないの? |
リン | もっと、歌ってほしい? |
まふゆ | ……そんな気がする |
リン | じゃあ、もう少しだけ歌ってあげる |
絵名 | はぁ…… |
リン | 絵名? 顔、暗いね |
絵名 | 久しぶりにエゴサしちゃったら、ちょっとね……。 って、エゴサなんて言ってもわかんないか |
リン | ………… |
リン | ――♪ ――♪ |
絵名 | リン……? もしかして、慰めてくれてる? |
リン | 別に。わたしが歌いたいから、歌うだけ。 ――♪ ――♪ |
絵名 | ……じゃあ私も、聴きたいから勝手に聴いてることにするね |
リン | ルカちゃん、聞いて! 次のライブなんだけど、 わたしソロでやろうと思うんだ♪ |
ルカ | えっ、ソロ!? そう……ソロなのね |
ルカ | 私、きっと誘ってもらえると思って こっそり練習してたのに……しくしく…… |
リン | そうだったの!? ど、どうしよう……。 ごめんね、ルカちゃん! わたしそうだって知らなくて……! |
ルカ | うふふ、冗談よ。 練習したっていうのは本当だけどね♪ |
リン | もー、びっくりしたぁ。 ん、あれ? でもじゃあ、練習ってなんの練習? |
ルカ | 応援の練習よ。みのりちゃんにたくさん教えてもらったから、 リンちゃんのソロライブ、全力で応援するわね♪ |
ルカ | ルカちゃんって呼んでってお願いして、本当によかったわ♪ みんなとあっという間に仲良くなれた気がするもの |
ルカ | この調子で、もっともっと仲良くなりたいわ |
ルカ | 明日のMCはどんなことを話そうかしら? 自分の話でもいいけれど…… |
ルカ | せっかくミクちゃんやリンちゃんとライブをするんだもの、 3人で楽しくお話したいわ |
ルカ | あ、そうだ。3人でセトリを考えた時の話はどうかしら? ふふ、ミクちゃんとリンちゃんに相談しに行かなくちゃ♪ |
ルカ | ミクちゃんとリンちゃんは、普段どうやって練習してるの? |
ミク | えっと。曲をかけて一緒に歌って踊って、 お互いの動きとかを確認し合ったりして |
ミク | あ。でも最近は、みのりちゃん達がよく来てくれるから、 合同練習をすることも多いよ! |
ルカ | あら、みんなそろっての練習なんて楽しそうね♪ |
ミク | うん。いつもあっという間に時間が過ぎちゃうの! |
ルカ | それだけ充実した練習ができてるってことね! 早く私も参加したいわ |
ルカ | リンちゃんから聞いたんだけど、 みのりちゃんって、毎日日記を書いているのよね? 今も続けているの? |
みのり | もちろん! その日の練習の反省点とか、 忘れないようにしっかりメモするんだよ |
みのり | それと、配信が始まってからは、 気になるコメントもメモするようにしたの! |
ルカ | コメントを? どうして? |
みのり | わたし達にやってほしいことや見たい企画を 書きこんでくれてる人がたくさんいてね、 いつかやれたらいいなって思って! |
みのり | あ。メモを提案してくれたのは、遥ちゃんなんだけどね |
ルカ | そうなの。でも、しっかり続けているみのりちゃんは偉いわ。 本当に、頑張り屋さんね♪ |
遥 | ……ルカちゃん |
ルカ | なあに、遥ちゃん♪ |
遥 | あっ! えっと……『ルカちゃん』って呼んでほしいって言われたから、 私もそうしたほうがいいかなって思ったんだけど…… |
遥 | ごめん、やっぱりルカって呼んでもいいかな? 『ちゃん』ってつけるの、なんだか恥ずかしくて |
ルカ | あら、残念。でも、そう呼んでくれてもいいわよ♪ 遥ちゃんの照れ顔、また見たいもの |
遥 | もう、ルカってば…… |
愛莉 | ねぇ、ルカ。ルカも、ミクやリンとは ユニットを組んでるわけじゃないのよね? |
ルカ | ええ。だってソロのほうが、 愛莉ちゃん達のライブに遊びにいきやすいでしょう? |
ルカ | それに私達は、いろんな子といろんな歌を歌いたいから、 形にはあまりこだわらないの |
愛莉 | いろんな子といろんな歌を、か。たしかにそれなら、 ユニットっていうくくりはないほうが便利よね |
ルカ | そういうことね。でも結局、ミクちゃんやリンちゃんと 3人で歌うことが多いんだけどね♪ |
愛莉 | ふふ、わかる気がするわ。 仲間って、そういうものだもんね |
雫 | 生放送でうまく話すコツはないかしら…… |
ルカ | あら、雫ちゃんはトーク苦手なの? |
雫 | ええ、今までは台本を作ってもらったり、 他の子に任せっきりにしちゃったりしてたから |
雫 | でも、これからは私も配信を盛り上げていきたいの |
ルカ | その気持ちがあれば大丈夫♪ それにトークなら、 愛莉ちゃんにコツを教えてもらえばいいんじゃないかしら? |
ルカ | 焦らず、ゆっくり慣れていきましょう |
雫 | そうね! ありがとう、ルカちゃん |
ミク | カ~イト♪ ぬいぐるみのみんなの練習見てきたんでしょ? どうだったー? |
KAITO | とても良かったよ。 この調子なら、きっと成功すると思うよ |
ミク | わぁ……! 楽しみだなぁ! 初めての、ぬいぐるみのみんなだけのショー! |
KAITO | そうだね。あ、ショーのタイトルは、 『出航! ぬいぐるみ海賊団!』にするみたいだよ |
ミク | おお~っ☆ ねえねえ、どんなお話!? ちょ~っとだけでいいから、教えて~! |
KAITO | んー。まだみんなには内緒って約束したからなぁ |
KAITO | 『海賊団』をヒントに、いろいろ想像しながら 公開日を待っていてほしいな |
ミク | そっか! 想像するの楽しそうだねっ☆ よーし! リンやレンと一緒に考えてみよ~っと! |
寧々 | ……あ。このアップルパイの店、 前にえむが美味しいって教えてくれたとこだよね。 すごい行列ができてる |
えむ | うん! えへへっ、どこかに穂波ちゃんいないかなぁ? |
寧々 | 望月さん? なんで? |
えむ | 穂波ちゃん、アップルパイがす~~~っごく好きで、 いつも10個とか20個とか買っていくんだよ♪ |
寧々 | あ……その話、前にも聞いたような…… |
寧々 | そっか。同じクラスのアップルパイが大好きな子って、 望月さんだったんだ |
寧々 | 並ぶのちょっと大変そうだけど、 そんなに美味しいならわたしも食べてみようかな |
類 | へえ。ここが、えむくんがおじいさんと よく来ていたというたい焼き屋かい? |
えむ | うん! みんなで食べよ~♪ いっただっきまーす! がぶっ☆ |
司 | なっ!? は、腹から? 頭でもしっぽでもなく!? |
えむ | だって、真ん中がいっちばんあんこ たくさん入ってるんだよ? |
えむ | それに食べると……ほら! ひとつのたい焼きが、ふたつになっちゃうんだよ♪ |
寧々 | まあ、得した気持ちになるってことね。 あ……類も割ってる |
類 | 熱々のあんこで火傷したくないからね。 ちなみに、寧々と司くんはどこから食べるんだい? |
司 | ん? オレは頭からだな。 最後にあんこの入っていないしっぽで口直ししたいしな |
寧々 | わたしは逆で、しっぽから食べる。 最後の一口もあんこ残っててほしいし |
類 | 食べかたひとつにも、意外と性格が出るものだね |
えむ | ほえ? なんほはらひ? (ほえ? なんの話?) |
司 | こら、えむ。もぐもぐしながらしゃべるんじゃない! |
寧々 | ていうか、口の端にあんこついてるし。ほらティッシュ |
類 | (フフ。司くんも寧々も食べ方は逆でも、 こういうところはちょっと似てきたかな?) |
えむ | 司くんって、尊敬してる人っている? あたしはね~ |
司 | どうせ、おじいちゃんだよっ☆とか言うんだろ? |
えむ | おおっ☆ だいせいか~い♪ なんでわかったの!? |
司 | この前、お前から『憧れている人はいるか』と聞かれた時、 なぜかオレの返答も待たずに 勝手にペラペラしゃべっていただろう |
司 | ま、オレも憧れている人と尊敬している人は同じだからな、 お前もそうじゃないかと名推理をしたわけだ! |
えむ | ほえ~ |
司 | ほえ~ではない! 今日こそはオレの憧れのスターの話も聞いてもらうからな! |
えむ | うん、いいよ~♪ えへへ、あたしもまた おじいちゃんの話したいから、あとで聞いてねっ☆ |
えむ | 類くん類くん! 今日ね、ワンダーステージがお花畑になってる夢を見たんだっ☆ |
類 | へえ、それは素敵な夢じゃないか。ぜひ、正夢にしたいね |
えむ | え……! もしかして、お花畑つくれるの!? |
類 | フフフ、お望みとあらば |
類 | ちなみに、イメージ図があると助かるんだけれど、 描いてもらってもいいかな? |
えむ | うん! まっかせて~♪ |
えむ | えへへ♪ ステージいっぱいフラワー作戦、開始だーっ☆ |
ミク | 見て見てっ、ルカ! 類くんが作ってくれたよーっ☆ |
ルカ | あら~? これって……大砲? |
ミク | そーっ♪ バネと空気の力で、人を遠くまで飛ばせるんだって! しかも、とっても安全っ! |
ルカ | まあ、すごいわねえ。すっごく楽しそう♪ |
ミク | でしょでしょっ? 今からミクがこれに入るから、ルカには このスイッチを押してほしいの! |
ルカ | わかったわ。じゃあ、いくわよ。 ……ぽちっ |
ミク | いえーい! わんだほーいっ!!!! |
ルカ | あらあら、ずいぶん遠くまで飛んでいったわねえ。 それに、ミクったら、上手に着地してるわ~ |
ルカ | うふふ、わたしもやってみようかしら~♪ |
ルカ | すぴー……すぴー……んん……? |
ルカ | あらー、わたしったらいつの間に寝ちゃったのかしら? |
ルカ | あ……。 ふふっ、どこかでリンとレンが遊んでるのかしら。 とっても楽しそうねぇ |
ルカ | 今日もこのセカイは、とっても明るくて楽しくて……。 ふぁ……。あと、もうちょっとだけ……すーすー…… |
ルカ | あ、そうだ。今日はショーの公演日だわぁ。 今のうちに、ストレッチをしておかなくちゃね |
ルカ | いちにーさんしー……ごーろくしっちはーち…… ふふっ、体を伸ばすのって気持ちが……いい…… |
ルカ | ぐー………… |
ルカ | あ! えむちゃん、こんにちは~ |
えむ | ルカお姉さんだ! やっほっほーいっ☆ 今日は、おねむじゃないんだね? |
ルカ | ふふっ。えむちゃんに見てほしいものがあって、 がんばって起きていたのよ |
ルカ | 見ててね? ――わんだほーい♪ |
えむ | わあ……! ルカお姉さんが、わんだほいやってくれた! |
ルカ | リンとレンが教えてくれたの。 どう? 上手にできたかしらー? |
えむ | うんっ☆ バッチリ~! 200点満点わんだほいっ☆だったよ! |
ルカ | 本当? うふふっ、 えむちゃんの笑顔も見れたし、練習してよかったわぁ |
ルカ | ごろ~ごろごろ~ |
類 | おや? ルカさん、何やら楽しそうだねえ |
ルカ | 今ね、芝生の寝心地を確かめていたのー。 ここはあんまりチクチクしてなくて、ごろごろしやすいわぁ |
類 | へえ、セカイの芝生でも場所によって寝心地が違うんだね。 なるほど、これは新しい発見だよ |
ルカ | うふふっ。類くんは司くんとは違う反応をするのねぇ |
ルカ | 司くんはね。わたしが倒れてるのかと思ったって、 心配してくれたり、掛ける物を持って来てくれたりするのよ |
類 | ……フフ。それはとても、司くんらしいね |
ルカ | ええ。本当に、いいお兄ちゃんよねぇ |
MEIKO | ルカ! 起きてちょうだい! |
ルカ | んん……? どうしたの、めーちゃん……? わたし、ちょっと忙しいんだけど…… |
MEIKO | 忙しいって言っても、寝てるだけでしょ? |
MEIKO | ほら、この前言ってた歌の練習、始めるわよ! |
ルカ | ええ、まだ眠い…… |
MEIKO | たくさん寝たんだから、もういいでしょ! さあさあ、まずは発声練習から始めましょうね! |
ルカ | もう~強引なんだから~ |
MEIKO | あ! 探したのよ~、座長さん♪ |
KAITO | え……! な、なんだい……? |
MEIKO | あははっ! そんなに身構えないでよー! 今度のショーの練習につきあってほしいだけ♪ ね、ルカ! |
ルカ | ええ。わたし達、一緒に出るシーンが多いからー |
KAITO | なんだ、そういうことか。『座長さん』なんて呼ぶから、 今度は何を頼まれるのかと思ったよ |
ルカ | あらぁ。めーちゃん、カイトくんに そーんなに大変なお願いをしたことがあるの? |
MEIKO | え? んー……。 100メートルのクリスマスツリーが欲しいって言ったこと? |
ルカ | あらぁ、とってもステキね |
MEIKO | でしょ? あとは……空中でショーをやりたいから 飛べるようにしてほしいって言ったこととか? |
KAITO | あはは……だいたいその辺りかな。 結局どれも、メイコがやりたいものとは 違う形になってしまったよね |
MEIKO | いいのよ! やってみようって 思ってくれただけでも、嬉しかったもの♪ |
KAITO | そうかい? それならよかった |
MEIKO | ええ! だから、これからもよろしくね! 座長さん♪ |
KAITO | ルカ、ミクを見なかったかい? |
ルカ | ううん、見てないわ~ |
KAITO | そうか……。困ったな、 次のショーの打ち合わせをするって言ってたのに |
ルカ | あらー、そうなの? じゃあわたしも一緒に探そうかしらぁ |
KAITO | え、いいのかい? |
ルカ | もちろんよぉ。 カイトくんにはいつも起こしてもらってるんだもの。 困ってる時はお互い様よ~ |
KAITO | ふふ、そう言ってもらえると嬉しいな。 ありがとう、ルカ |
司 | おーい、ルカ。どこだー? カイトが次のショーのことで話がしたいと…… |
ルカ | すー……すー…… |
司 | やはり、寝てしまっていたか。 とりあえずカイトには場所を知らせるとして…… |
司 | うーむ。このままでは風邪をひきそうだな。 ああいや、そういう概念などないかもしれんが…… |
ルカ | むにゃむにゃ……ぐー |
司 | ……どうせカイトに知らせに行くしな。 何か掛ける物を持って来るとするか |
寧々 | ……ルカさん、歌の練習につきあってくれてありがとう |
ルカ | あらぁ。いいのよ? わたし、歌うの大好きだもの♪ |
寧々 | ふふ。やっぱりそうなんだね |
ルカ | あ、そうだわ。次に練習する時はショーの曲だけじゃなくて、 寧々ちゃんが好きな曲も歌いたいわ |
寧々 | わたしの好きな曲? |
ルカ | ええ。そうしたら寧々ちゃんと、 もっともっといっぱい仲良しになれそうだものー |
寧々 | え…… |
寧々 | まあ、そういうことなら……。 今度、いくつか選んでおくね |
咲希 | むむむむ……! |
司 | ……いい加減決めたらどうだ、咲希。 もう30分も悩んでいるぞ? |
咲希 | だって、このアイシャドウかわいいんだもん! ラメ入りのピンク、挑戦してみたいなぁ……。 でも王道のブラウンもいいし……! |
司 | はぁ。すまんな冬弥。 こうなると咲希はなかなか動かなくてな…… |
冬弥 | いえ、大丈夫です。 それに、少し微笑ましい気持ちになります |
司 | 微笑ましい? |
冬弥 | はい。ひな人形を選んでいる時の司先輩にそっくりで |
司 | そうか? オレはそこまで待たせてはいないはずだが…… |
咲希 | 決めた! キラキラしてるほうがかわいいよねっ♪ これくださーいっ! |
冬弥 | ……やっぱり、似てますね |
咲希 | あ、お兄ちゃん見て見て! あそこのアクセサリーショップ、 桃の花のアクセサリーがあるよ! |
司 | ああ、あれは桃の花だったのか。 桜の花かと思ったぞ。よくわかったな? |
咲希 | えへへ。昔いっちゃんに教えてもらったからね♪ |
咲希 | わぁ、お店の中にもお花のアクセサリーがいっぱい! お兄ちゃん、ちょっと寄ってもいい? |
司 | もちろんいいぞ。迷ったらオレも 咲希に似合いそうなものを選んでやろう! |
咲希 | ありがとう! じゃあお兄ちゃんのも一緒に探しちゃおーっと♪ |
司 | ん? オレが付けるのはさすがに……。 いやしかし、スターならばなんでも似合うはずだ! |
咲希 | うんうん! それじゃあレッツゴー! |
司 | おお冬弥! 偶然だな! また本を買っていたのか? |
冬弥 | 司先輩……! はい。最近は気になる新刊が多くて |
司 | 冬弥は昔から読書家だな。 それで、今日はどんな本を買ったんだ? |
冬弥 | 失踪シリーズというミステリー小説です。 語り手が複数人いるんですが、 その中のひとりが犯人で…… |
司 | ん、どうした? 急に笑って |
冬弥 | いえ。司先輩と会ってから不思議と、 人を探すような本ばかり読んでいるなと思って |
司 | ああ、たしかに。 特にしましまシャツのあの主人公は、幾度となく探したな! これぞ、三つ子の魂百まで、だな! |
リン | ねえねえ! せっかく3人になったんだし、 ちょっとユニットっぽいことしてみない? |
ミク | ユニットっぽいこと? |
リン | たとえば……3人で歌う時のユニット名を決めるとか! |
ルカ | あら、楽しそう♪ ちょっと考えてみようかしら…… |
ミク | うん! ……あ。単純だけど、 名前の一文字目をとって『ミリル』なんてどうかな? |
リン | わぁ……! かわいい感じの響きでいいかも! |
ルカ | あ、見た目の雰囲気から考えるのもよさそうね! 私達3人なら……『Traffic Light』? |
リン | えっ! ごめん、発音が本格的すぎてわからなかった。 今、なんて言ったの? |
ルカ | トラフィック・ライトよ。 訳すと、信号機♪ |
リン | あはは、本当だ! わたし達、信号機の色だね~ |
ルカ | 私より赤が似合う子が、他にいるけどね♪ |
ミク | ふふふっ。名前を考えるの、すっごく楽しいね! |
リン | うん! この調子で、もっといっぱい考えてみようよ♪ |
ルカ | みのりちゃんが自己紹介でよく言ってる、 『みのりんりん♪』ってとってもかわいいわね♪ |
リン | うんうん! わたしもそういうのほしいなぁ。 何かいいのないかな……。 ん~、鏡音リン……リン…… |
ミク | そういえば、リンちゃんはよく 『みんなに笑顔を届ける』って言ってるよね? それも絡めたらいいんじゃないかな? |
リン | なるほど……! |
ルカ | あら、それなら『りんりり~ん♪ お届けものです!』 って始まるの面白そうじゃない♪ |
リン | そうだね! あ、あとあと! お客さんのレスポンスが入るのも楽しそうかも! |
リン | ミクちゃん、ルカちゃん、わたしがお届けものですって言ったら、 『なんですか?』って聞いて! |
ミク | うん! 任せて! |
リン | いくよ……! りんりり~ん♪ お届けものです! |
ミク・ルカ | 『なんですか~?』 |
リン | 両手い~っぱいのスマイルだよ♪ 勇気も凛々♪ 鏡音リンです! |
ルカ | あら。とってもかわいい♪ |
ミク | うん、リンちゃんにぴったり! わたしもキャッチフレーズほしくなってきちゃった! |
ルカ | 私もよ♪ 一緒に考えて、 今度みんなでライブで使いましょ? |
ミク・リン | 『さんせ~い♪』 |
みのり | ダンスの練習つきあってくれてありがとう! 雫ちゃんのおかげで、ダメだったところほとんど直せたよ! |
雫 | ううん、私は何もしてないわ。 みのりちゃんがそれだけ頑張ったからよ |
雫 | でも……よかったわ。間にあって…… |
みのり | え? もしかして、今日何か用事あった? |
雫 | いいえ……。でも私……もうすぐ消えちゃうの |
みのり | ええっ!? き、消えちゃうってどういうこと!? |
雫 | それは……。あ、もう残りが1%に……。 ダメ、もう消えちゃうわ! |
みのり | えっ、も、もしかしてスマホの充電切れ!? |
みのり | 雫ちゃーん! セカイで練習がある時は、 ちゃんと充電しておかなきゃダメだよー! |
雫 | はぁ……。ここのステップ、すごく難しいわ…… |
愛莉 | 泣きごと言ってる暇なんてないわよ! アンタは体で覚えるタイプなんだから、 とにかく動いて、正確なステップを覚える! いい? |
雫 | ええ! ……そういえば、みのりちゃん達のほうはどうかしら? |
みのり | わわっ! う~ん、また自分の足に引っかかっちゃった |
遥 | でも、入りはすごく良くなってたよ。 この調子なら、コツもすぐつかめると思う。 一緒に頑張ろう? |
みのり | 遥ちゃん……! うん! わたしがんばる! |
雫 | …………。 ……愛莉ちゃん、私、褒めたら伸びるタイプだと思う |
愛莉 | 急に真顔で何言いだすのよ。 ……うちはうち、よそはよそ。 褒めて伸ばしてほしいなら、遥達と練習したら? |
雫 | でも……。私、愛莉ちゃんに褒めてほしいの |
愛莉 | ……はぁ。しょうがないわね…… |
愛莉 | 雫、さっきのステップ途中で失敗しちゃってたけど、 雫らしい可愛らしさがでてて、 最後まで見たいって思えたわ。だからがんばって! |
雫 | 愛莉ちゃん……! うん! 私、頑張るわ! |
愛莉 | はいはい。 ……まったく、現金ねぇ |
愛莉 | あ! あそこ見て、猫がひなたぼっこしてるわ。 かわいい…… |
みのり | ほんとだ! 白い毛がもふもふしてて、 サモちゃんみたいだなぁ |
みのり | ハッ! そ、そういえば、 愛莉ちゃんって猫アレルギーなんだよね。 もしかして、犬もダメだったりする!? |
愛莉 | え? 急にどうしたのよ |
みのり | だ、だって……わたし、おっきな犬飼ってるし、 わたしがそばに寄ったらアレルギーが……! |
愛莉 | ……バカね。今までさんざん一緒にいたじゃないの |
愛莉 | 安心しなさい。猫のほうももともと症状軽めだし、 犬はほとんど症状でないから。 飼ってる人と一緒にいるくらい平気よ |
みのり | ほんと!? よかったぁ……! |
愛莉 | まったく……。 心配してくれてありがとね、みのり |
雫 | 愛莉ちゃん、なんだか元気ないね……。 私でよければ、話聞くよ? |
愛莉 | 大したことじゃないわ。 学校に来る途中、かわいい三毛猫がいてね |
愛莉 | せっかく寄って来てくれたのに、 アレルギーがあるから、わたしは近寄れなくて…… |
愛莉 | 撫でてもらえないとわかった、あの三毛猫の寂しそうな顔……。 見ててほんっとうに申し訳なくなったわ |
雫 | (……愛莉ちゃん、つらそう。 私にできることは……) |
雫 | にゃーん♪ |
愛莉 | な、何やってんの、雫…… |
雫 | 私が猫さんになって、 愛莉ちゃんを慰められたらいいなって思って |
雫 | ふふ、どうかな? にゃ~ん♪ |
愛莉 | 気持ちは嬉しいけど……! 誰かに見られる前にやめなさいね!? |
みのり | あ……この店! |
遥 | 前に、一緒に寄ったよね。 ……シュークリーム、どれも美味しかったなぁ |
みのり | そ、そうだね |
みのり | (あの時は、遥ちゃんが全種類2個ずつ頼んでくれたけど、 結局わたしは食べきれなくて、 残りを遥ちゃんにあげたんだよね……) |
みのり | あ、隣にワッフルのお店もできてるね! |
遥 | 本当だ……。 ふふ、またふたりで寄ってみる? |
みのり | いいの!? じゃあ、ぜひ! |
みのり | わぁ……いっぱい種類がある! ハッ! こ、この流れはまさか! |
遥 | すみませーん。全部ふたつずつください |
みのり | やっぱりっ!? は、遥ちゃん! わたしはそんなに食べられないよ~! |
レン | ねえ、彰人。リンから聞いたよ~? 彰人って、ブラックコーヒー飲めないんだって? |
彰人 | あー。わざわざ飲まないってだけで、 別に飲めねえわけじゃねえよ |
冬弥 | 彰人は甘党だからな |
彰人 | まあな。つーか、なんでリンが オレのコーヒーの好み知ってんだ? |
冬弥 | 多分、俺が話したからだな |
冬弥 | 前に、コーヒーの好みについてのアンケートに協力したんだ。 その時、俺以外の好みも聞かれたから答えた。 『彰人は砂糖もミルクも使う」と |
レン | ほら~、やっぱりブラックは飲めないんじゃん? |
彰人 | だから……わざわざブラックじゃ飲まないってだけだ。 ていうか、そういうお前だって…… |
レン | オレ、飲めるようになったもんね~ |
彰人 | え……。マジか…… |
杏 | こはねがメイコさんのお店でいれてくれたコーヒー、 すっごく美味しかった! |
杏 | いつの間に、あんなに美味しいコーヒーを いれられるようになったの? |
こはね | 実は、メイコさんにこっそり教わってたんだ |
MEIKO | ええ。杏ちゃんが紅茶をいれてくれるから、 自分はコーヒーをいれられるようになるんだって言ってね |
杏 | そうだったんだ! じゃあ今度はさ。 紅茶とコーヒーのいれかたを、教えあうっていうのはどう? |
こはね | わぁ……! 楽しそう! |
MEIKO | ふふ。うちの店でよければスペース貸すわよ |
杏 | 本当ですか? ぜひお願いしまーす! |
絵名 | あ、いたいた。ねえ、彰人 |
彰人 | あーあー。何も聞こえねえ! |
絵名 | ちょっと行ってみたいお店があるから、 土曜か日曜つきあってよ |
彰人 | 聞こえねえっつってんだろ。 つーか、そういうのは暁山を誘えよ |
絵名 | 聞こえてるじゃん! ……ふん。瑞希ならあんたよりも先に誘ってますー |
彰人 | あ? ……ああ、そうか。 断られてやんの |
絵名 | ~~~~っ! 先約があるって言われただけだし! |
彰人 | 悪ぃな。オレも土日両方、先約があるんだよ。 どっかの誰かさんと違って、忙しいんでな |
絵名 | あっ! ちょっと! |
絵名 | 彰人……! 覚えてなさいよ! |
絵名 | あ…… |
彰人 | げっ…… |
絵名 | ちょっと、姉の顔見て そんなリアクションするのおかしいでしょ |
彰人 | あ? 日頃の自分を振り返ってみてから言え。 じゃあな――……っ! |
彰人 | ……おい。何、腕掴んでんだよ |
絵名 | あそこ行くんでしょ、行きつけのライブ&カフェバー。 私も―― |
彰人 | 絶対、連れてかねえからな |
絵名 | そう言われると余計に行きたくなるんだよね~。 たしか、ビビッドストリートていうところにあるんだっけ? |
彰人 | ノーコメント |
絵名 | もう……。本当、口固いんだから |
杏 | ねえ、こはねの家で飼ってるパール伯爵ってさ、 なんかかっこいい名前だよね、 メスのヘビにつけそうにない名前だし |
こはね | 私のお父さんがつけたんだけど……。 お父さんってば、ネーミングセンスちょっと変わってるから |
杏 | あ、もしかして……、 『こはね』っていう名前を考えたのもお父さん? |
こはね | うん。私は自分の名前好きだけど、 でもやっぱり変わってるよね |
杏 | そんなことないよ! だって、こはねを見てると、 『あ~“こはね”だなぁ』って感じするし! |
杏 | 私も『こはね』っていう名前、大好き! |
こはね | 本当? えへへ……ありがとう、杏ちゃん |
ミク | ねえ、一歌達が次に練習したいって言ってた曲、 私達も練習しておかない? |
MEIKO | いいけど……。あ、さては今のうちに練習して、 一歌達に自慢するんでしょ |
ミク | もう、そんなことしないよ。 アドバイスできるようになっておきたいなって思ったの |
MEIKO | あはは、冗談だって。 ごめんごめん! |
ミク | 本当に反省してるー? |
ミク | ルカからも何か言ってやってよ |
ルカ | ふふ、メイコにも困ったものね。 あんまりミクをいじめちゃダメよ? |
MEIKO | えっ、ズルいなぁ。今日はそっちの味方ってわけ? |
ルカ | あら? 私はいつでも大事な後輩の味方よ? |
MEIKO | そういえば、このセカイって花とか咲いてるの? |
ミク | 校庭とか中庭に出たら咲いてるかもしれないけど……。 急にどうしたの? |
MEIKO | 前に、ルカが花を飾ってるのを見かけたんだよね。 花はともかく、ちゃんとした花瓶があるなんてびっくりした |
ルカ | ふふ。花瓶があるのはそんなにおかしいことじゃないわ |
ルカ | 咲希が入院していた頃は、 一歌がよくお見舞いの花を届けてたみたいだから |
MEIKO | なるほど……。ねえ、その花瓶、 どっちの想いでセカイに生まれたんだろうね? |
ミク | それはもちろん。一歌と咲希、両方じゃない? |
MEIKO | あ。やっぱり? |
ルカ | ええ、きっとね |
MEIKO | 一歌、さっき弾いたパート、いい感じだったよ! |
ミク | うん、探り探り弾いてたところが、 しっかり表情がつくようになったね |
一歌 | 本当? よかった……。 ミクにいろいろアドバイスもらったところだったし、 昨日も家で猛練習してきたんだ |
MEIKO | へえ、アドバイスね……。 やるじゃない、ミク先輩? |
ミク | 私は別に……。一歌が頑張った結果だよ |
MEIKO | あはは。そういうわりに照れてるみたいだけど? |
ミク | ……そんなことない |
一歌 | ふふっ。私からも照れてるように見えるな |
ミク | えっ! い、一歌まで何言ってるの? もう…… |
一歌・MEIKO | 『ふふっ』 |
一歌 | んー、どれがいいかな…… |
ルカ | あら。今日はCDをたくさん持って来たのね |
一歌 | あ、うん。最近知り合った友達から借りたんだけど、 どれから聴こうかなって迷っちゃって |
MEIKO | 見せて見せて! ……へぇ! アイドルの曲に……こっちはヒップホップか! |
一歌 | うん。ふたりの友達から、オススメのCDを借りたんだ |
ルカ | それでジャンルもいろいろあるのね。 ふふ。私も一緒に聴いてみたいわ |
MEIKO | 私も! ……あ、そうだ。私達がCDを選ぶから、 一歌は何番目の曲を聴くか言うっていうのはどう? |
一歌 | たしかに、いつまでも迷うくらいなら そういう選びかたもいいかも |
一歌 | ルカ、メイコ、お願いしてもいいかな? それで、一緒に聴こうよ |
ルカ | ええ。そうしましょう |
こはね | あ、こんにちは。 一歌ちゃんも購買にお昼ご飯買いに来たの? |
一歌 | あ、うん。買い物は済ませたんだけど、 これをもらっちゃって…… |
こはね | 『購買部の商品に関するアンケート』……。 『欲しい商品や、既存の商品に関するご意見、ご要望を ご記入ください』……? |
一歌 | うん。私、焼きそばパンが好きなんだけど、 ときどき、マヨネーズもかけたくなるんだよね |
一歌 | だから『小袋のマヨネーズも買えるようにしてください』 って書くつもりなんだけど……どう思う? こんな自分勝手なこと書いちゃっていいのかな? |
こはね | ふふっ。いいんじゃないかな? お客さんの素直な要望が知りたいんだと思うし |
こはね | あ、サラダをマヨネーズで食べたい人もいるかもしれないよ。 だから、マヨネーズが買えるようになったら、 そういう人達も喜ぶかも! |
一歌 | こはね……。うん、ありがとう! じゃあ、正直に要望出してみるね! |
こはね | ふん、ふふふん♪ |
みのり | こはねちゃん、なんだか楽しそうだね! どうしたの? |
こはね | えへへ。今度、神山通りに新しいライブハウスが オープンするんだけどね? |
こはね | そこのオーナーさんが友達のお父さんの知り合いでね。 プレオープンで歌ってくれないかって、チームで招待されたの |
一歌 | 招待? すごいね……! |
みのり | こはねちゃん達、ストリート音楽してる人達のあいだで 結構有名なんだって! |
こはね | わっ! みのりちゃん、メンバーのみんながすごいだけで、 私はまだまだだよ…… |
一歌 | え……。あんなにうまいのに? |
一歌 | ……こはね達のライブ、私も見てみたいな |
こはね | 結構あっちこっちでしてるから、 予定があえば見に来られると思うよ。 えっと……次に歌う場所が決まったら、教えようか? |
一歌 | ……! うん、お願い! |
こはね | あれ? みのりちゃん、今日はお弁当の日じゃなかったっけ? |
みのり | うん。作ったんだけど……。 家に置いてきちゃったみたい |
みのり | さっきお母さんから、『美味しかったよ』って メッセージが来て、それで気がついて…… |
みのり | うう……お財布も家に置いてきちゃってるし……。 お母さん、なぜ届けてくれなかったのですかっ……! |
こはね | あはは……。 よかったら、お弁当半分こする? |
みのり | えっ! だ、ダメだよ! こはねちゃんのご飯が足りなくなっちゃう! |
こはね | 大丈夫だよ。放課後は友達のお父さんがやってるカフェに 行く予定なんだ。 だから、もしお腹すいちゃったらそこでご飯食べられるし |
こはね | あ、お箸だけ購買でもらって来ないとだね! |
みのり | こはねちゃん……! ありがとう! このご恩は一生忘れません!! |
一歌 | さっきはびっくりしたね。 外国の人に道聞かれたの初めてだよ |
寧々 | う、うん。わたしも…… |
一歌 | 話しかけられたのが草薙さんと一緒にいる時でよかった。 私ひとりだったら、 スマホの翻訳機能のこと思いつかなかっただろうし |
寧々 | ま、わたしちょっとクセで、こういう機械系を買う時は ひととおりスペックを確認するからね |
寧々 | それに、自分で話さなくていいから、 この機能には前から目をつけてたんだよね |
一歌 | そうなんだ…… |
一歌 | (それだけ人見知りっていうことだよね。 でも、こうやって普通に話せるようになれて嬉しいな) |
みのり | 一歌ちゃん、こっちこっちー! |
一歌 | おまたせ、みのり、こはね! 今日はよろしくね |
こはね | うん! この3人でお出かけって初めてだね。 えへへ、楽しみだなぁ |
みのり | 最初どこに行こっか! センター街? ショッピングモール? |
一歌 | んー。私は『ここ』っていう行きたいところもないし……。 ふたりはどう? どこか行きたいところある? |
こはね | じゃあ……ショッピングモールはどうかな? 最近、新しいアパレルショップが入ったって、 同じチームの人が教えてくれたんだ! |
こはね | ストリート風のかっこいい服がいろいろあるんだって! |
みのり | わぁ! いいね、かっこいい服! わたしに似合うのあるかなぁ |
一歌 | 私も、だいたいいつも似た感じの服ばっかり買っちゃうし、 ちょっと違う雰囲気の服にも挑戦してみようかな |
みのり | じゃあ決まりだね! みんなでこはねちゃんオススメのお店に、レッツゴー! |
みのり | あっ、見て見て! 大道芸をやってる人がいるよ |
こはね | 本当だ……! あんなに大きな箱で ジャグリングするなんてすごいね! |
みのり | うん! お客さん達の視線も釘づけで……。 ハッ……! |
こはね | ……みのりちゃん? |
みのり | 今度の動画配信の時、ジャグリングをしながら登場したら、 遥ちゃん達のアイドルオーラにも負けないんじゃ……! |
こはね | えっと……。多分全力で止められると思うな…… |
みのり | あはは……。だよね |
こはね | あ、この曲って…… |
一歌 | 曲? |
こはね | あ、えっと……あのお店から流れてる曲、友達が前に おすすめしてくれたやつだったから、気になっちゃって |
一歌 | そうなんだ。たしかこういうの ミクスチャー・ロックっていうんだよね |
こはね | そうそう……! もしかして、一歌ちゃん詳しいの? |
一歌 | そういうわけじゃないんだけど、最近ちょっと勉強してて |
一歌 | ……あ、そうだ。もしよかったら、 一緒にCDショップに行かない? |
一歌 | せっかく友達になったし、 こはねがどんな音楽が好きなのか教えてほしいな |
こはね | うん! よかったら、 私にも一歌ちゃんの好きな音楽教えてね! |
リン | ……ここ、相変わらず静かだね |
MEIKO | いいことじゃない。 考えごとがはかどるわ |
リン | メイコはね…… |
ミク | ……リン。絵名達が来なくて、寂しい? |
リン | ………… |
リン | 別に |
ミク・MEIKO | (寂しいんだね) |
奏 | 最近、ヘッドホンから変な音が聴こえるんだよね。 長く使ってるし、そろそろ買い替え時なのかな |
まふゆ | ……変な音がし始めたの、いつから? |
奏 | え? みんなと旅行に行ったあとくらいだけど…… |
奏 | ……っ! ま、まさか ラップ音っていうやつだったりする!? |
奏 | 祟られてたり、とり憑かれてたりしたらどうしよう……!? |
まふゆ | 一回ここで使ってみたら? それでも変な音がするなら、ただの寿命だと思う |
奏 | そ、そうだね! すぐ試してみる! ありがとう、まふゆ |
MEIKO | 誰の姿もなく、何もないセカイ――だったこの場所 |
MEIKO | でも今は、寂しさはあるけど、悲しさは感じない…… |
MEIKO | ここから、あの子は……。 あの子達は、どう変わるのかしら |
瑞希 | あ、見てよ! このCDのジャケ絵すごく良くない? |
絵名 | あ……。やっぱり。 これ描いたイラストレーター、 去年、有名な賞獲った人じゃん |
瑞希 | へえ! どうりで遠くからも目をひくなーって 思ったんだよね |
絵名 | ……ねえ。それってさ、色が鮮やかだから? それとも構図が斬新だから? |
瑞希 | へ? えっと…… |
絵名 | どうして気になったの? ちょっと参考にしたいから、もっと詳しく教えてよ |
瑞希 | はいはい。順番に答えるから、ちょっと待ってってばー |
瑞希 | (絵名って、こういうところすっごく勉強熱心だよね~) |
瑞希 | 4人でそろってCDショップに来られるなんてね! |
瑞希 | あ、でも前に絵名と買い物してる時、 ここでまふゆと会ったんだっけ? |
まふゆ | 私が、奏から聞いたアーティストのCDを探してた時だね |
絵名 | あー、あったね、そんなこと ・・・・・・あっ! |
絵名 | CD探したお礼だって、あんたが教えてくれたアーティスト、 結構気に入っててさ。今もたまに聴いてる |
まふゆ | そうなんだ |
瑞希 | ん? 待ってよ。ボク、それ知らないんだけど~ |
絵名 | それはそうでしょ。だって瑞希ってば、CDにつく特典、 どれにしようかってレジで延々と悩んでたし |
まふゆ | うん。すごく待たされた |
瑞希 | あ~、あの時かぁ……。 あはは。そっか、ごめーん |
奏 | ……まふゆのおすすめのアーティスト、 わたしも興味あるな |
まふゆ | この前来た時はコーナーができてたけど……。 見に行ってみる? |
奏 | うん、お願い |
瑞希 | まふゆって、メイクしたらすっごく映えそうだよね♪ ほら、このアイシャドウとか絶対似合うよ! |
まふゆ | ……そう? メイクなんて普段しないからわからない |
瑞希 | 宮女ってメイクしてっちゃダメなんだったっけ……? |
瑞希 | まあ学校には無理でも、ボク達だけで会う時とかどう? 奏も絵名もきっとびっくりするよ! もちろんいい意味で♪ |
まふゆ | ……じゃあ、機会があったら |
瑞希 | お、いいね! じゃあその時がきたら、 ボクもいろいろアドバイスするね♪ |
奏 | ……おまたせ |
絵名 | あ、奏……って、今日もそのジャージなんだ? |
奏 | デザインはいつもと一緒だけど、 これ、実はおろしたてなんだ |
絵名 | ふふ。そういえば奏って、同じデザインのジャージを いくつも持ってるんだっけ |
奏 | うん。あ……こういうの、ヘビロテって言うんでしょ? 瑞希が教えてくれた |
絵名 | えっと。間違ってはないけど…… |
絵名 | 奏なら……ほら、あのお店にあるみたいなシックな服とか、 あっちのお店のカジュアルな服だって、きっと似合うのに |
奏 | そうかな? でもおしゃれな服って、汚したら大変だし、 洗濯する時も気を付けないといけないことたくさんだし…… |
奏 | でもジャージならそういうこと考えなくていいし 動きやすいしいつでも着られるから、 わたしには一番優しいオシャレかな |
絵名 | そっか。もったいない気もするけど、 着たい服を着るのが一番だよね |
瑞希 | 欲しかったアニメ雑誌も買えたし、 ゲームのサントラもフラゲできたし、今日もいい日だな~! |
奏 | …………あ。瑞希! |
瑞希 | え、奏!? |
瑞希 | どうしたの、そんな細い路地に入っちゃって。 なんか隠れてるみたいだったけど…… |
奏 | うん……。髪を切らせてくれとか、 ヘアモデルにならないかって声をかけられて……。 どうしたらいいかわからなくて隠れてた |
瑞希 | あはは……なるほど |
瑞希 | 途中まで一緒に行く? もし声かけられたら、ボクが適当にあしらっちゃうからさ |
奏 | ありがとう。 そうしてもらえるとすごく助かる |
咲希 | 見て見て!しほちゃんがやってる育成アプリ、アタシも始めてみたの! |
穂波 | あ、うさぎと犬を選んだんだね。かわいい |
咲希 | でしょー?でも、思ってたよりお世話大変だね |
咲希 | さっき休み時間に犬をお散歩させてあげたんだけど、時間が足りてなかったみたいで、 なつき度やっと3になったのにまた2に戻っちゃった…… |
一歌 | あー、私もちょこちょこやってるんだけど……。 飼ってる子達みんな3くらいで、まだ全然なついてないなぁ |
穂波 | ねえ、志歩ちゃん。このなつき度ってどこまで上がるの? |
志歩 | 15まで上がるよ。でも最大にするには、飼い始めてからの日数とか、 なつき度10以降でたまに見つかるレアアイテムがないとムリ |
一歌 | そうなんだ。ちなみに、志歩はどこまで上げたの? |
志歩 | 最初に飼い始めたうさぎは15。 他の子達もあともうちょっとって感じ |
志歩 | ちなみに、なつき度が5以上になると、 フレンドのペットと一緒に遊べる機能が解放されるよ |
一歌 | え!なにそれ、知らなかった |
咲希 | アタシも!いいなぁ、それやりたい! |
穂波 | ふふ。じゃあみんなでお世話頑張らないとね |
咲希 | うん!ねえ、しほちゃん、 なつき度上げるコツとかあったら教えて! |
志歩 | はいはい。動物ごとにいろいろあるから、順番にね |
咲希 | ねえねえ、しほちゃん! スーパームーンとかブルームーンの話をしたこと覚えてる? |
志歩 | え? ああ、穂波と一緒に月の画像いろいろ検索した時の…… |
咲希 | うん! じゃあこれは覚えてる? 『そんなに月の名前が出てくるなんて、 ほなちゃん、星に詳しいね』ってアタシが言ったら―― |
咲希 | しほちゃん、『月は星じゃない』って言ったよね |
志歩 | んー……言ったような気もするけど、 それがどうしたの? |
咲希 | ふっふっふっ。しほちゃん、月は地球の“衛星”だから、 広い意味ではちゃ~んとお星さまなんだよ! |
志歩 | そんなこと、どや顔で言われても…… |
志歩 | ……わぁ、そうだったんだぁ。 咲希すごいねー |
咲希 | えへへ! |
雫 | あ、しぃちゃん!今からお昼ご飯? よかったら一緒に食べない? |
志歩 | ……いいよ |
雫 | …………!? 『話しかけないで』『くっつかないで』『次は無視するから』って言っていたあのしぃちゃんが……! |
雫 | 嬉しいわ、しぃちゃん! |
志歩 | はいはい |
志歩 | (どうせ断っても、数日間はまわりをうろうろされるしね) |
雫 | ふふふっ |
志歩 | (ま、1回くらい素直につきあったほうがいいよね) |
志歩 | 穂波、昨日の美化委員会でお姉ちゃんと何か話した? |
穂波 | え?『バンドの練習どう?』って聞かれたから、 毎日仲良く頑張ってますって話したけど……。 わたし、何か余計なこと言っちゃったかな? |
志歩 | あ、ううん。多分穂波のせいじゃないんだけど…… |
志歩 | なんか昨日、かえってすぐ人の部屋に押しかけて来て、 『いい幼馴染を持ったね』とか『これからもずっと仲良しでいてね』とか言って泣き出した |
穂波 | 雫先輩、前もわたし達のこと気にしてくれてたから、 また前みたいなことが起きたらどうしようって、 心配してくれたのかもね |
志歩 | そうだろうけど……。夜、急に人の部屋に乗り込んで 顔見るなり号泣する姉ってどうなの? |
穂波 | もちろん、いいお姉さんだよ。 ふふ。志歩ちゃん、本当に大切にされてるね |
志歩 | ……一歌、最初の頃と比べて、 歌にも演奏にも表情とか情感がつくようになって、 すごくいい演奏になってきてる |
一歌 | えっ……!? し、志歩がストレートに褒めて、くれた……!? |
志歩 | ……ふーん。 そっか、一歌は飴なしでビシバシやってほしいんだ? |
一歌 | ご、ごめん! 褒められ慣れてなくて。 飴は欲しい。できればいっぱい! |
志歩 | いっぱいあげられるかどうかは、一歌次第かな |
一歌 | うん! もっとうまくなるために、頑張るよ |
リン | えーっと……最初に歌ったら、上手の方にはけて。 レンのこのセリフのあとに。ステージに出てきて…… |
リン | うーん。セリフを覚えるより、 どっちから出たり戻ったりすればいいかを 覚えるほうが難しいなぁ |
リン | ちょっと不安だし、レンと一緒に確認しよーっと! |
レン | メイコ! 今度のショーはメイコも一緒に出るんだよね! |
MEIKO | ええ。でも、ショーの時に着る衣装とかどうするのかしら? |
レン | もちろん、作るんだよ。ボク達でね! ぬいぐるみくん達がショーで着てる衣装も全部そうだよ |
MEIKO | 舞台のセットだけじゃ無くて、衣装も手作りなんてスゴイわね! ふふ、ますます楽しみになってきたわ! |
MEIKO | 衣装作りって、私も手伝っていいのかしら? |
レン | もちろん! みんなでカッコイイ衣装作ろうよ! |
ルカ | めーちゃんやリンと一緒に乗ったメリーゴーランド、 すごく楽しかったわ~ |
ルカ | お馬さん達が急に、あっちへこっちへって走っていくから、 びっくりして……あら? |
ルカ | 今のは夢の話だったわねー。ふふふっ |
MEIKO | ミクやカイト達だけじゃなくて、レンやリンもいるのね! |
MEIKO | みんなでショーを作るのもすっごく楽しそうだし、 これだけ賑やかならまず退屈なんてしないわね! |
MEIKO | よーし。私もちょっと張り切っちゃおうかな♪ |
MEIKO | 演技って初めてやってみたけど、 『違う自分になる』っていう感じでおもしろいわね |
MEIKO | 今は、練習がてら演じやすい役をもらってるけど、 そのうち、性格が正反対の役とかに挑戦してみたいわ! |
MEIKO | ミクもえむちゃんもすごいわよね。 側転とかバク宙とかを軽々やれるなんて |
MEIKO | どういうことを意識してやってるの? |
ミク | ん~。ミクは跳ぶ瞬間とリズムかなっ☆ ピョンッ、くるくるくるっ、シュタッ! ってやるとうまくできるんだ♪ |
ミク | でもね、ぴょん、くるくるだとダメなんだよ |
MEIKO | そうね。勢いがなかったらくるくる回れないものね |
ミク | うん! ねえねえ、メイコもくるくるしようよ! 最近、レンもたくさんくるくるできるようになったんだ♪ |
MEIKO | あら、そうなの? じゃあ、試しにやってみようかしら! |
KAITO | ふぅ…… |
MEIKO | あら? ため息なんかついちゃってどうしたの? |
KAITO | 今日1日、ミクやぬいぐるみくん達と遊んだんだけど…… |
KAITO | 遊んでる最中は僕も楽しんでいて、全然気にならないんだけど、 終わったあとは気が抜けてしまってね |
MEIKO | それでため息ついてぐったりしてたのね。 ふふ。家族サービスで力尽きた休日のお父さんみたいね! |
KAITO | う……絶妙なたとえだけど、 せめてお兄さんにしてほしいなぁ |
KAITO | ~♪ ~♪ ……うん。いい感じのミックスができそうだ |
KAITO | おっと、そろそろリンとレンとの待ちあわせの時間か。 んー、調子いいしこのまま作業したいけど…… |
KAITO | あはは、遅れると怒られちゃうからなぁ。 仕方ない、出かけようかな |
KAITO | それじゃあ、カイトのDJ教室始めるよ~。 今日はスクラッチとジャグリングの話をしようかな |
リン | はーい、せんせー。スクラッチは、 キュッキュッてこするやつってわかるけど、ジャグリングって? |
KAITO | それはもちろん、両手にボールやピンを持って、 空中にトスする―― |
レン | ちょっと、カイト。それは大道芸のほうでしょ |
リン | せんせー、真面目にやってくれないなら帰っちゃうよ? |
レン | ねー。彰人達のほうがかまってくれるし、 そっちに行っちゃおうかなー |
KAITO | ああっ、待って待って! 真面目にやるから、ボクにもかまってよ。ね? |
冬弥 | ……彰人、どうした? なんだか浮かない顔だが…… |
彰人 | いや、テスト面倒くせえなって思って。 はぁ……せめて回数がもっと減ってくれればな |
冬弥 | そうは言っても、宮女よりは少ないんじゃないか? 小豆沢から聞いたが、定期試験のほかに 何度か学力テストもあるらしいしな |
彰人 | げっ、マジかよ。 ……それなら神高でいいや |
冬弥 | ……彰人、そもそも宮女は女子校だから、 選びたくても選べないぞ? |
彰人 | いや、さすがにわかってるっての…… |
こはね | ふんふん♪ あ。東雲くん、こんにちは。東雲くんも買い物? |
彰人 | いや、バイト |
彰人 | つーか、やけに嬉しそうだな。 いいもんでも買えたのか? |
こはね | うん! パール伯爵のケースに敷いてあげる床材なんだけど、 取り寄せになってたのがようやく届いたんだ |
こはね | 伯爵お気に入りの床材だから、 きっと喜んでくれるって思ったら嬉しくって |
彰人 | 喜ぶ、ねえ……。けど、ヘビだろ? そういう表情ってか、考えてることわかるもんなのか? |
こはね | もちろん! だって家族だもん |
彰人 | ああ……。それもそうか |
彰人 | ――♪ ――♪ |
杏 | あっ! 人が集まってるなーって思ったら、彰人だったんだ。 ひとりで自主練中? |
彰人 | まあな。最近調子いいし、次のイベントまでキープしときたくてな |
杏 | ふーん。そういうことなら、私も混ざりたいんだけどいい? |
彰人 | どうせそのつもりで声かけたんだろ。 好きにしろよ |
杏 | やった! じゃあ、お邪魔しまーす! |
ルカ | どうしたの、雫ちゃん。なんだか浮かないお顔ね? |
雫 | それが、配信している時、 ひとり30秒くらいで企画の感想を最後に話すんだけど…… |
雫 | 30秒ってどれくらいかわからなくて、 足りなかったり、オーバーしてしまったりするの |
雫 | 今までは決められた内容を話したり、 編集でカットされたりしていたけれど、 生配信だから自分でできるようにならないといけなくて |
ルカ | そうねえ……。あ、それなら、 曲の間奏をイメージして、リズムを刻んでみるのはどう? |
ルカ | あの曲の間奏がだいたい何秒だから~って、 測る基準にするの! |
雫 | あ……たしかに、たくさん踊ったり歌ったりしてる曲なら、 なんとなく体が覚えているものね |
雫 | ありがとう、ルカちゃん! 今度の配信で、ちょっと試してみるわ! |
ルカ | ええ、頑張って♪ |
ルカ | 一緒にピクニックに行った子……絵名ちゃんだったかしら? 中学の頃からのお友達なのよね |
愛莉 | ええ。高校は別々になっちゃったけど、 たまに電話したり、一緒に買い物とかしたりって感じで、 ずっといい友達でいてくれてるの |
ルカ | ふふ、愛莉ちゃんはそういうお友達たくさんいそうね♪ |
愛莉 | んー、友達はそれなりにいるほうだと思うけど……。 絵名以上に楽につきあえる子はいないわね |
愛莉 | お互い、言いたいことを言いあったりもできるから、 素の自分でいられるの |
愛莉 | まっ、中学の頃は、お互い素直に言いすぎて ケンカすることもしょっちゅうだったけどね…… |
ルカ | あらあら。 でも、そういうお友達がいるってとっても素敵ね♪ |
愛莉 | あ……あそこで流れてるMV、 絵名が好きって言ってたイラストレーターさんが 参加してるやつかも |
雫 | わあ、色がカラフルで可愛いMVだね。 えっと……あ、アイドルグループとのコラボ、だって |
愛莉 | コラボか……。わたし達もいつかやってみたいわね |
雫 | そうだね。絵名ちゃんに絵を描いてもらって、 それから瑞希ちゃんに動画にしてもらったりして! |
愛莉 | ええ! じゃあいつかその日がくるように、 まずはわたし達が活動をがんばらないとね! |
愛莉 | うーん…… |
絵名 | どうしたの、愛莉。難しい顔して |
愛莉 | それがね。今日は、普段買わないジャンルのCDを 買ってみようかなーって思うんだけど…… |
愛莉 | 種類がいろいろありすぎて、 どうやって選ぼうか迷っちゃって |
絵名 | それなら、ジャケ買いとかでいいんじゃない? |
愛莉 | んー、でも……ちゃんとアーティストとか、 曲で選びたいのよね |
愛莉 | ごめん、もうちょっとだけ時間ちょうだい。 店員さんが貼ってるポップを参考にしてみるから |
絵名 | うん、じっくり選んで大丈夫だよ |
絵名 | (そうやって、歌ってる人や曲を大事にするの、 なんだか愛莉らしいなぁ) |
愛莉 | 今日はつきあってくれてありがとう、瑞希! おかげで、いい感じのコーディネートができたわ! |
瑞希 | いえいえ、どーいたしまして♪ |
瑞希 | ボクも眼福だったよ。 ロリータとかゴシックとか、愛莉ちゃんに着てもらえてさ! |
愛莉 | ふふ。ああいうの、一度は着てみたかったのよね |
愛莉 | でも、フリルとかがさすがに派手で、 普段着としてはなかなか使えないから、結局買えなかったけど |
瑞希 | ふっふっふっ。そんなあなたのた・め・に、 『普段使いもできちゃう』がコンセプトの ロリータ系のお店がこの近くにあるんだなぁ~! |
愛莉 | え、本当? ちょっと覗いてみようかしら…… |
瑞希 | うん、ぜひぜひー! では1名様、ごあんな~い♪ |
絵名 | ねえねえ、愛莉。ちょっとダイエットしたいんだけど、 おすすめの方法ある? |
愛莉 | え、ダイエット? 絵名はスタイルいいし、する必要ないと思うけど…… |
絵名 | でも、最近体重が…… |
愛莉 | どうせ昨日と比べてちょこっと増えたくらいでしょ? その程度でダイエットなんて、体に悪いわよ |
愛莉 | そもそも絵名はかなり不規則な生活してるし……。 まずは生活のリズムを整えないと、 ダイエットの効果なんてちーっとも望めないわよ |
絵名 | う……じゃあ、ご飯の量を減らして…… |
愛莉 | それよりおやつの量を減らしたら? あら? でもそうすると これから行くケーキ屋で何も食べられなくなっちゃうわね~ |
絵名 | ――よし、ダイエットはやめよう! さ、ケーキ食べに行こっ! |
愛莉 | ふふっ、そうでなくっちゃね! |
雫 | そういえば、絵名ちゃんには弟さんがいるのよね。 どんな子なの? |
絵名 | んー、とりあえず生意気。あと、口が悪い |
雫 | あら、そうなの? でも、朝起こしてくれたり、 代わりにお買い物行ってくれたりするんでしょう? |
絵名 | え……ま、まあ、そうだけど……。 ちなみに、雫の妹はどんな感じ? |
雫 | あら、しぃちゃん? とっても、とっても可愛いのよ! 顔を見ると、思わずギュッてしたくなっちゃうくらい! |
雫 | でもしぃちゃん照れ屋さんだから、くっつかないでとか、 学校では話しかけないでって言われちゃうの |
絵名 | へえ、そうなんだ! |
絵名 | (ギュッってしたくなっちゃうくらいかわいくて、 でも照れ屋な妹かぁ。 いいなあ、彰人と交換してくれないかな) |
瑞希 | ふぅ……。あのお店のカレーライス、おいしかったなぁ。 いい感じにボリュームもあったし♪ |
雫 | ふふ。瑞希ちゃん、もりもり食べていたわね。 なんだか、妹のしぃちゃんを見ているみたいだったわ |
瑞希 | え? 雫ちゃんの妹も、結構ご飯食べるほうなの? |
雫 | ええ。特にラーメンとハンバーグは大好物だから、 パクパクパクッて、いーっぱい食べるのよ |
瑞希 | あ、わかる! 大好きなものって、 やっぱりたくさん食べたくなっちゃうよね♪ |
瑞希 | (雫ちゃんの妹ちゃんか……。どんな感じの子なんだろう?) |
MEIKO | あーあーあ~♪ ……よし! いい感じね♪ |
MEIKO | 今日はまず……30分のミニライブでしょ。 それからいろんなステージを移動しながら、 1時間ずつライブやって…… |
MEIKO | ふふっ。ひとりライブツアーみたいな感じね! さあ、はりきっていくわよ♪ |
ミク | めーちゃんって、パワフルな曲も歌えるけど、 かわいい曲もすっごくかわいく歌えるよね♪ |
ミク | どうやって練習したら、そういう風になれるの? |
MEIKO | んー。練習というか、曲に合わせた雰囲気作りは大事にしてるかも |
MEIKO | パワフルな曲だったら、 振り付けや衣装もそれっぽくなるでしょう? |
ミク | うん。けどそれって……形から入るっていうこと? |
MEIKO | そうとも言うわね♪ ほら、やっぱり気分って大事じゃない。 わたしかっこいい! わたし可愛い! みたいな? |
ミク | ふふっ。きっと、そういうノリのよさとか素直なところとか、 めーちゃんのいいところも合わさってのスタイルなんだね♪ |
MEIKO | リン、ライブお疲れさま! |
リン | めーちゃん! 見に来てくれてたんだ! |
MEIKO | ええ。とっても楽しいライブだったわね♪ 曲も、元気いっぱいで可愛らしくて、 リンだからできるセトリって感じで! |
リン | えへへ。実はあのセトリ、愛莉ちゃんが一緒に考えてくれたの! |
リン | みんなに元気いっぱいになってもらえるライブがしたいなって 相談したら、わたしが歌ってる曲いっぱい聞いてきてくれて、 提案してくれたんだ♪ |
MEIKO | あら、そうだったのね |
リン | 愛莉ちゃんはい~っぱいアイドルのこと研究してるから、 ライブのセトリを考えるコツとかにも詳しいんだよ♪ |
MEIKO | あら、それは頼もしいわね! わたしもちょうどライブのセトリを考えてるところだし、 相談してみようかしら♪ |
MEIKO | ル~カっ♪ |
ルカ | ふにゃ? めーひゃん、ほっへ、ふにふにひへ、ほーひはほ? |
MEIKO | 理由はないわ。なんとなくぷにぷにしたくなっただけ♪ |
ルカ | ふふっ。じゃあ、私もお返しのぷにぷによ。 えいっ! |
MEIKO | ひゃっ! こ、こら、やるならほっぺでしょ! ちょっ、あははっ! わ、脇はダメ! くすぐったいってばー! |
みのり | 遥ちゃん! あ、あの…… ひとつお願いを聞いてもらえないでしょうか! |
遥 | どうしたの? そんな改まって……。 遠慮しないで言ってみて? |
みのり | う、うん! えっと……。 い、一緒に勉強会がしたいです! |
みのり | もうすぐテストだし、クラスの友達とも一緒に勉強してるけど、 遥ちゃんともできたらいいなぁーって……! |
遥 | 勉強会、か。昔、友達として以来だなぁ。 ふふ、いいよ。やろっか |
みのり | 本当!? やったー! よーし、まずは部屋を片づけておかなくちゃ♪ |
遥 | 愛莉、新しい企画の案を作ってみたから、 見てほしいんだけど、いいかな? |
愛莉 | ええ、もちろんいいけど…… |
愛莉 | アンタ、昨日は早めに休むって言ってたわよね。 本当に休んだ? |
遥 | うん。いつもより2時間は早く寝たよ。 企画は朝、いつものジョギングしてる時に思いついたの |
愛莉 | まあ、いつもより多く寝てるなら大丈夫かしら…… |
愛莉 | その調子で、休める時にしっかり休んでおきなさいよ。 そのほうが頭も体もパフォーマンス発揮してくれるだろうしね |
遥 | うん、そうするね。ありがとう、愛莉 |
雫 | 遥ちゃんって、いつからペンギンが好きなの? |
遥 | んー、小学校の頃からかな。 よちよち歩きなのが可愛くって |
雫 | ふふ。そんなに前から好きだったのね |
遥 | うん。ペンギングッズによくあるまん丸なフォルムが 見てて可愛くて、癒されるっていう感じで |
遥 | でも、本物のペンギンも好きだよ。 気持ちよさそうに泳ぐ姿はずっと見てても飽きないなぁ |
雫 | あ、その気持ちちょっとわかるわ。 私も、しぃちゃんのことならずーっと見ていられると思うから |
雫 | でも本当にしたら、怒られちゃうかもしれないわ。 ……はぁ、残念 |
みのり | あ、雫ちゃんからメッセージの返事きた! えーっと……。 『今日はお母さんに起こされる前に起きれたよ』 あとはニコニコ笑顔のスタンプっと…… |
雫 | あら。みのりちゃん、相変わらず反応が早いわ。 それに、可愛いスタンプね! じゃあ、私も……えっとたしかここを…… |
遥 | ………… |
愛莉 | ……ねえ、みのり、雫。 4人で作ったメッセージのグループについて、 ちょっと話があるんだけど |
みのり | 『あ、うん! ごめんね、昨日寝落ちしちゃって』 |
愛莉 | それはいいのよ。夜更かしはお肌の敵だし…… |
雫 | ……『じゃあ、話って』……。 あ、また途中で送っちゃったわ。えっと『ごめんなさ……』 |
愛莉 | 雫ストーップ! どうせまた誤字やら誤爆やらするんだから いちいち打たなくていいわよ |
愛莉 | ていうか今、全員目の前にいるんだから、 口で話しなさいよ! |
みのり・雫 | 『はっ……!』 |
みのり | そ、そうだよね! ごめん、スタンプとか押すの楽しくってつい! |
遥 | みのり、いろんな種類のスタンプ持ってるもんね |
雫 | ええ。私も、頑張って使ってみてるけど、 どれを使うか考えるのがすごく楽しいわ |
愛莉 | いや、アンタはスタンプのタイミングとか、 誤爆をまずなくすところから……ってそうじゃなくて! |
愛莉 | アンタ達! メッセージは お互い離れてる時に使いなさい! |
ミク | メイコ、今日はひとりで叩いていたの? |
MEIKO | まあね。ときどき、 めちゃくちゃに叩きたくなっちゃう瞬間があって…… |
MEIKO | でも気づかないうちに、8ビートとか、 16ビートを刻んじゃってるんだけどね! |
ミク | それわかるかも。コード進行を無視して いろいろ弾いてみるんだけど、 最後は元のところに戻ってきちゃう |
MEIKO | やっぱり、弾いてて気持ちのいいリズムとかメロディーがあるし、どうしてもそこに戻ってくるよね |
ミク | うん。音楽って、 冒険しようと思えばいくらでもできるけど、 ちゃんと帰る家もあるって感じでいいよね! |
MEIKO | ドラム、ベース、ギターにシンセサイザー……。 これだけあると、どれもやりたくなるな |
MEIKO | そういえば、ルカはどの楽器も演奏できるって 言ってたっけ |
MEIKO | それなら私も、オールラウンダーってことで全部やっちゃおう! |
MEIKO | あ。ギターの音がする。ミクがどこかで練習してるんだ |
MEIKO | んー、セッションしに行きたいけど、どこの教室かな |
MEIKO | 学校なんだから当たり前だけど、 教室たくさんあって、探すの結構大変なんだよね |
MEIKO | このセカイ……というか、学校か。 いろいろな教室があるみたいだね |
ルカ | ふふ。それじゃあ、ちょっと探検に行ってみる? |
MEIKO | あ、いいねそれ。 お薦めの探検コースとかあったら知りたいな |
ルカ | それなら、音楽室は外せないわね。 それから…… |
ルカ | あとは行ってからのお楽しみにしましょうか? |
MEIKO | えっ、すっごく気になる! ねえ、早く行きましょう! |
MEIKO | ねえ、一歌達の周りでは、今どんな歌が流行ってるの? |
一歌 | えっと……。ごめん、私あんまり詳しくなくて…… |
MEIKO | そうなの? よく音楽を聴いてるみたいって ミクが言ってたから、詳しいんだと思ってた |
一歌 | 実は、聴いてるのはミクが歌ってる曲が多くて。 そっちなら新しく配信された曲とかもわかるんだけど…… |
MEIKO | へえ、好きなジャンルを一途に追いかけてるんだ。 なんだか一歌らしいね |
MEIKO | そういえば、一歌と穂波のことはあだ名で呼ぶけど、 志歩のことはあだ名で呼ばないんだね |
咲希 | あ。実はしほちゃんのことも、 昔は別の呼びかたしてたんですよ |
MEIKO | へえ。どんな風に呼んでたの? |
咲希 | しぃちゃんです! しほちゃんのお姉さんも そう呼んでるのでマネしたんですけど…… |
咲希 | 『恥ずかしいからダメ』『次呼んだら絶交だから』 なんて言われちゃって。仕方なくあきらめたんです |
MEIKO | あはは! 可愛いのにね、『しぃちゃん』! |
咲希 | ですよね! うーん。しほちゃんのお姉さんみたいに、 あきらめずに呼び続けてたらよかったのかなぁ |
MEIKO | この窓際に置いてあるぬいぐるみって、 志歩達の思い出のものなんでしょ? |
志歩 | まあね。小さい頃、フェニックスワンダーランドっていう 遊園地に行った時に、お揃いで買ったの |
MEIKO | たしか、名前がついてるんだっけ |
志歩 | うん。フェニーくんっていって…… |
MEIKO | この黄色い子が、咲希フェニー。それから、 赤っぽい子が穂波フェニーで、青が一歌フェニーだよね |
志歩 | なっ!? なんでそれ……! |
MEIKO | 穂波から聞いたんだ。志歩が大事にしてくれてるって、 すっごく嬉しそうに教えてくれてね! |
志歩 | (ほ、穂波……っ!!) |
穂波 | ふぁ……ん…… |
MEIKO | 穂波? なんだか眠そうだね |
穂波 | あ、メイコさん。 実は、家でアップルパイを食べすぎちゃって…… |
穂波 | って、ダメですよね! 食べたあとすぐ寝ちゃうなんて、 お腹のまわりが大変なことに! |
MEIKO | あはは。お肉なんてちょっとくらいついたって平気だよ。 ドラムだって、太い方が重くていい音するし! |
穂波 | そ、そうですよね……! ちょっとくらい……ちょっとくらいなら、平気ですよね! |
レン | ねえねえ、類くん! 今度はいつ部品とか買いに行く? |
類 | そうだね……通販で取り寄せしたばかりだから、 しばらくは行く予定がないな |
レン | そっかぁ。残念…… |
類 | ……ああ、そうだ。週末、ネネロボのメンテナンスが あるんだけど、それを見に来るというのはどうだろう? |
レン | えっ! いいの!? |
類 | かまわないよ。ただ、作るのではなくてメンテナンスだから、 それほど面白くはないかもしれないけれど…… |
レン | そんなことないよ! ネネロボちゃんがどうなってるのかすっごく知りたいし! |
類 | では決まりだね。 寧々と話して、時間が決まったら知らせるよ |
レン | うんっ! 類くん、ありがとう! ボク楽しみにしてるねっ☆ |
彰人 | あ…… |
類 | やあ、東雲くんじゃないか |
彰人 | ……どーも |
類 | おや? 今日は逃げなくていいのかい? |
彰人 | いや……ここまでがっつり目があってんのに逃げるって、 さすがにそんなことできないでしょ |
類 | へえ…… |
類 | (意外とお人好し……いや、真摯なんだね、彼は) |
冬弥 | 神代先輩、少しいいですか? |
類 | おや、君のほうから声をかけてくれるなんてね。 どうしたんだい? |
冬弥 | 実は、図書室の蔵書の整理をしていたら、 シェイクスピアの翻訳者が違う物がいくつか出てきて…… |
冬弥 | しばらく開架としておかれるので、読み比べとか、 もしご興味があれば、お薦めしようかと思って |
類 | なるほど。翻訳の読み比べができるというのは たしかに面白そうだ |
類 | ありがとう。今日の放課後にでも借りに行くよ |
冬弥 | はい、ぜひ。俺もちょうど貸し出しの当番なので、 お待ちしています |
類 | そういえば、君は瑞希と知りあいみたいだったけれど、 仲いいのかい? |
彰人 | オレがっていうより姉貴のほうですけどね |
類 | お姉さん? ……ああ、だから瑞希は君を『弟くん』と呼ぶのか |
彰人 | そうっすね。……名前で普通に呼べっつってんのに |
類 | フフ。君がいい反応をしてくれるから、 ついからかってしまうんだろうねえ |
彰人 | ……ってことは、リアクションさえしなければ 飽きてやめますかね? |
類 | おそらくは |
類 | (ただ……、我慢できなくなって 結局反応してしまう君の姿が、容易に想像できるけどね) |
類 | 君は、司くんとずいぶん昔からの知りあいのようだね |
冬弥 | はい。親同士がもともと知りあいだったようで、 その縁で、小さい頃はたまに先輩の家にお邪魔して、 遊んでもらっていました |
類 | へぇ。ちなみに、司くんは昔から ああいう自信に満ちあふれた感じだったのかい? |
冬弥 | あ……昔は意識的にそうしていたのではないかと。 妹の咲希さんを勇気づけるために、 自分が胸を張っていなければとおっしゃっていたので |
類 | なるほど。それがもう染みついて、 いつの間にか素になったと…… |
冬弥 | そうかもしれませんね |
類 | フフ。司くんは、本当にいいお兄さんなんだね |
こはね | 見て、杏ちゃん! 結婚式場のCM流れてるよ |
杏 | わぁ……素敵なチャペルだね! それに、花嫁さんのウエディングドレスも綺麗! |
こはね | うん! うちのお母さんも、CMの人が着てるみたいな お姫様っぽいドレス着てたなぁ |
杏 | あ、ひょっとして、こはねのお父さんが撮った写真? |
こはね | うん、そういう写真いっぱいあってね。 お母さんの誕生日に、ドレス姿の写真集とかも プレゼントしたことがあるみたい |
杏 | 写真集!? ふふっ、こはねのお父さんって、 こはねだけじゃなくてこはねのお母さんも大好きなんだね! |
杏 | んー。うちはそういうの残ってるのかな? |
杏 | なんかおもしろそうだし、 母さんに聞いてみちゃおうっかな! |
彰人 | お前、なんか最近楽しそうだな |
冬弥 | ……楽しいのかはわからないが、 穏やかな気持ちではあるな |
冬弥 | 多分、父さんと音楽のことで、口論しなくなったからだと思う |
冬弥 | おかげで、家に帰るのが昔ほど嫌じゃなくなった |
彰人 | そっか。よかったな |
リン | 寧々ちゃん☆ えむちゃん☆ まっだかなぁ~♪ |
リン | 歌もダンスも、ミクと一緒にたっくさん練習したし! セリフもバッチリ♪ |
リン | えへへっ、1日限定・女の子だけのショータイム☆ 早く始めたいな~♪ |
リン | ねえねえ、レンはアクロバットの練習しないの? ミクがよくやってるくるくる回るやつ! |
レン | んー。ボクもいつかやりたいなって思ってるよ。 でも! 今は、殺陣ができるようになりたいな♪ |
リン | 殺陣って、ていっやあって戦う、あれだよね? |
レン | うん! 練習用の剣で、カイトと練習中なんだ! |
リン | そっか! じゃあ、私もアクロバットを練習してるし、 どっちが先にできるようになるか勝負だね♪ |
レン | わ、それおもしろそう! よーし、負けないぞー! |
リン | あ、いたいた! ね、カイト。ちょっと鬼さんになってー! |
KAITO | 鬼? ……ああ。そういえば、 ぬいぐるみくん達とかくれんぼをするって言っていたね |
KAITO | 今日はショーもお休みだし、 僕でよければ鬼をやるよ |
リン | わーい! ありがとう、カイト♪ それじゃ、リンもかくれてくるね~☆ |
リン | あ、そうそう! かくれる場所は このセカイぜ~んぶだからね☆ |
KAITO | えっ、このセカイ全部!? うーん……今日中に全員見つけられるかなぁ |
えむ | ねえねえ、リンちゃん! リンちゃんは、このセカイをあっちこっち探検してたんだよね! |
リン | えへへ、そうだよ♪ ここからじゃ見えないアトラクションとかにも ぜーんぶ乗って遊んできたんだ~♪ |
えむ | す、すごーい……! |
えむ | どんなアトラクションがあったの? 教えてー! |
リン | うん、いーよ☆ あ……でも、 せっかくだし一緒に乗りに行こーよ♪ |
えむ | 乗る……!? あたしも乗れるの!? |
リン | もっちろーん! 他のみんなを誘ってもいいし♪ みんなでいーっぱい遊んじゃお☆ |
えむ | うん! 絶対絶対、みんなで乗りに行こーう♪ |
類 | やあ、司くん! 最近、刺激は足りているかな? |
司 | は? 唐突にお前は何を―― |
類 | そうかいそうかい! まったく刺激が足りていないと! そう言うんだね! |
司 | おい! オレはまだ何も言ってない―― |
類 | そんな、毎日にもの足りなさを感じている君には……これだ! |
司 | だから人の話を……って、これは、 ネット記事のコピーのようだが…… |
司 | 『ストーリーと舞台、その両方にトリッキーな 仕掛けを持つと話題の劇団が、初のシブヤ公演を敢行?』 |
類 | ああ。というわけで、えむくんや寧々も誘って、 みんなで見に行かないかい? |
司 | ……そうならそうと最初に言え。まどろっこしい |
類 | フフフ。だって、それじゃあつまらないじゃないか。 それで、どうするんだい? |
司 | まあ面白そうだし、いいんじゃないか? オレはかまわないぞ |
類 | ありがとう。じゃあ、えむくんと寧々にも聞いておくよ |
えむ | 練習♪ 練習♪ 楽しい練習♪ わっくわっくドッキドッキらんらんら~ん♪ |
司 | えむのヤツ、やたらテンションが高いな |
寧々 | やっぱ、フェニラン関係のごたごたが とりあえず解決したからじゃない? |
司 | そうだな。何はともあれ、 あいつが笑顔になってくれてよかった |
えむ | 司くーん、寧々ちゃーん、類くーん! 早くワンダーステージ行こうよ~♪ |
司 | わかったから、そんな大声で叫ぶんじゃない! |
寧々 | って言いながら、アンタだって叫んでるし |
類 | まあまあ。えむくんも待っていることだし、 みんなで行こうじゃないか、僕達のステージへ |
えむ | ねえねえ、司くん! あたしも司くんみたいな、 かっこいい自己紹介考えたから聞いてほしいな♪ |
司 | ほう! いいだろう、聞かせてみろ! |
えむ | うんっ☆ いっくよー! |
えむ | まっかな翼がメーラメラっ☆ いつでも笑顔をみんなにお届け! その名も、フェニックスえむ! |
司 | 自己紹介というか……。 名乗り口上だな、戦隊ものの…… |
司 | まあ、何を伝えたいのかはだいたいわかったし、 そこまで悪くはないな! |
司 | よし! さらなるクオリティアップのために、 オレの天才的なセンスと知恵を貸してやってもいいぞ! |
えむ | えーっ、一緒に考えてくれるのー!? やったー! 司くん、ありがとー♪ |
寧々 | 司、ちょうどいいところに……。 えむどこ行ったか知らない? ステージに行ったら、類しかいなくて…… |
司 | そういえば今日はまだ見ていないな。 何かえむに用事があるのか? |
寧々 | ちょっと美味しそうなたい焼きを見つけたの |
寧々 | それで、みんなの分も買ってきたから、 一緒に食べようと思って |
司 | オレや類の分まで、だと!? |
司 | お前がそんなことをするとは……! もしや……明日、世界が終わるのか? |
寧々 | はいはい。終わんないから……。 ていうか、暇なら探すの手伝ってよ。たい焼きが冷めちゃう |
司 | 仕方がない。とりあえず、オレはぐるりと園内を見てこよう。 お前はワンダーステージの周りを重点的に探してくれ |
寧々 | あ、うん。よろしく…… |
寧々 | (本当に手伝ってくれるなんて思わなかった。 ……もしかして、司もたい焼き食べたかったとか?) |
ルカ | ここには、何もない……。 けれど、私達がいる |
ルカ | 少しずつだけれど、セカイが……あの子が、 変化を受け入れているということかしら |
ルカ | ここはこれからどうなっていくのかしらね? 楽しみだわ |
ミク | あ……ルカ。ちょうどよかった…… |
ミク | まふゆが、お菓子を持って来てくれた。 一緒に食べる? |
ルカ | あの子が、お菓子を? 何かあったの? |
ミク | ううん。味がしなくて、食べてもムダだからって、 たまに持って来てくれる |
ルカ | そういうこと……。 じゃあせっかくだし、いただこうかしら |
リン | ……今日は、まだ誰も来ない |
ルカ | あら、退屈そうねリン。 じゃあ、しりとりでもする? |
リン | え、別に…… |
ルカ | 私からいくわね。『月』 |
リン | き……『季節』 |
ルカ | 『積木』 |
リン | き……き……。あ、『キツネ』! |
ルカ | 『ねじまき』 |
リン | ま、また、き? ……ルカ、わざとやってるでしょ |
ルカ | うふふ。ただしりとりするだけより、 こっちのほうがおもしろいもの |
ルカ | こんにちは、メイコ |
MEIKO | ……何か用? |
ルカ | あら。用がないと、声をかけてはいけない? |
MEIKO | はぁ……。暇をつぶしに来たのね |
ルカ | ええ。それでしばらく前からあなたを見ていたのだけれど、 全然動かないから幻でも見ているのかしらって思って、 声をかけたの |
MEIKO | ……本当に、暇なのね |
ルカ | そういうあなただって、人のこと言えないでしょう? |
絵名 | 奏! 珍しいね、買い物に来てたの? |
奏 | うん。着まわしてたジャージが、 ちょっとくたびれてきてたから、新しいのを買いに |
絵名 | そっか。あ、じゃあ福引券、奏ももらったんじゃない? |
奏 | そういえば……1枚もらったかも |
絵名 | 私もさっき買い物してもらったんだ。 一緒に引きに行かない? 特賞は、有名スイーツ店のケーキ食べ放題らしいよ |
奏 | わたしはそういうの別にいいんだけど…… |
絵名 | せっかくだし、引きに行こうよ! そういう無欲な人のほうが当たるっていうし! ね! |
奏 | 今日はつきあってくれてありがとう、まふゆ。 おかげでおもしろそうな小説見つけられたよ |
まふゆ | いいよ、別に。でも、絵や映画じゃなくて、 読書でインプットがしたいなんて珍しいね |
奏 | うん、今までは目が疲れると思って、 あんまりしてこなかったんだけど…… |
奏 | でも本って、わたし自身はどこにも行かないで、 いろんな場所で、いろんなことを体験できるでしょ? |
奏 | だから、実はすごく効率的なインプットが できるんじゃないかって気づいたんだ |
まふゆ | (それ、ただ部屋から出たくないだけじゃないのかな……) |
奏 | チークやアイシャドウとかって、見てる分には カラフルで綺麗だったりするけど…… |
奏 | 紫なんて使ってる人いるの? 塗ったら、顔色悪くなりそうだけど…… |
瑞希 | そんなことないよ。むしろお肌の透明感を アップさせてくれる結構大事な色だしね♪ |
瑞希 | 他の明るめのチークと合わせて使えば カワイくてつやつやなほっぺに大変身♪ |
奏 | へぇ……使わなさそうな色にも、 ちゃんと役割があるんだね |
瑞希 | そういうこと! じゃあ、物は試しってことで、 実際に、奏のほっぺで試してみよ~う♪ さあさあ、こっちこっち! |
奏 | え、それは別に……あ、ちょっと、瑞希!? |
奏 | はぁ…… |
絵名 | 奏、大丈夫? なんだか疲れてるみたいだけど…… |
奏 | ……うん。久しぶりにいっぱい歩いたから |
瑞希 | いっぱいって……ファミレス行って、 打ち上げして戻って来ただけなんだけど…… |
まふゆ | 奏、ほとんど外に出ないしね |
まふゆ | ……セカイでランニングをしたら? 果てがなさそうだし、どこまででも走っていけるよ。永遠に |
絵名 | ちょっと、言いかた! なんか怖くない、それ…… |
奏 | でも、たしかに運動不足だし……ランニングは無理でも、 部屋の中で軽くウォーキングとかしてみようかな |
瑞希 | 部屋の中で? 奏の部屋ってウォーキングできるくらい広いの? |
奏 | ううん。いろいろ物が置いてあるし 歩けるのはベッドと机のまわりだけ |
瑞希 | え……? それ、むしろ歩けないよね…… |
奏 | そうかな? 疲れないしちょうどいいと思ったんだけど |
瑞希 | ええー! それじゃ運動の意味がないよー!? |
穂波 | それでは、本日の星座講座は以上になります。 ご清聴ありがとうございました |
MEIKO | 穂波、ありがとう! おかげで、いろいろ学べちゃった! |
MEIKO | 前から知りたかったんだよねー。 バンドの名前の由来になったしし座のこととか、星のこととか! |
穂波 | お役に立ててよかったです。 実は、話したいことがたくさんあって、 ちゃんとまとまってるか心配だったんですけど…… |
一歌 | え、そうなの? すごくわかりやすくておもしろかったよ |
MEIKO | ええ! でも、志歩と咲希が来れなかったのは残念だね |
一歌 | あ、それなら大丈夫。 咲希に頼まれて、スマホで録画してたから |
MEIKO | 本当だ。いい感じで撮れてるじゃない! |
穂波 | あはは……撮られてるのが気になって たまにカメラ目線になっちゃってる |
一歌 | 私はいいと思うな。照れてる穂波も、 楽しそうに星のことを話してる穂波も両方撮れたし |
MEIKO | そうそう! 咲希も志歩も、きっと喜ぶよ |
ルカ | ワン、ツー、スリー、フォー♪ |
雫 | ルカちゃんのダンス、いつ見てもすごいわ |
遥 | うん。途中でジャンプが入っても軸がぶれないし、 ジャンプもすごく軽やかに見える…… |
遥 | ねえ、ルカ。よかったら今のダンスのコツを 教えてもらえないかな? |
ルカ | そうねえ。まずジャンプは、 自分が雲になったつもりで跳ぶのがいいわ♪ |
雫 | 雲? |
ルカ | ええ。ふわふわ~って跳んで、同じようにふわふわ~って つま先から着地するの |
遥 | なるほど……。 あれだけ綺麗に流れるようなダンスをしてる中で、 そういう注意も払ってるなんて…… |
ルカ | ふふ。慣れれば簡単よ♪ まずはあんまり高くジャンプしないで、 着地のフォームを意識してみて? |
雫 | ええ、わかったわ! 遥ちゃん、やってみましょう? |
遥 | うん、そうだね! |
ルカ | (ふふ。みのりちゃんや愛莉ちゃんもだけど、 みんな勉強熱心ね。だからこそ、応援したくなっちゃうわ♪) |
愛莉 | みのり、最近ちょっと体やわらかくなった? |
みのり | あ、わかる? みんなを見習って、 毎日お風呂上りにストレッチ始めたんだ♪ |
みのり | たしか……体がやわらかいほうが、 ダンスの緩急をつける時とか、体重移動の時とかに、 筋を痛めにくくなるんだよね? |
愛莉 | ええ、そうよ。それに動きの幅が広がれば、 ダンスの表現の幅も広がるの! |
愛莉 | よーし、がんばり屋のみのりのために、 楽にできて、でもちゃんと効く とっておきのストレッチを教えてあげるわ! |
みのり | いいの? ありがとう、愛莉ちゃん! ぜひ、お願いします! |
みのり | おはよう、遥ちゃん! |
遥 | あ、おはよう、みのり。 ……あれ? |
遥 | みのり、前髪ちょっと切った? |
みのり | ……! うん! ダンスの時、ちらついて気になるなーって思ったから、 とりあえずお母さんに切ってもらったんだ |
遥 | そうなんだ。すごく自然な感じでまとまってるし、 お母さん、切るの上手なんだね |
みのり | えへへ、ありがとう! |
みのり | (まさか遥ちゃんが気づいてくれるなんて……! 今日の練習、いっぱいがんばれそう!) |
リン | あ、サッキー! 貸してくれた雑誌にのってた、 このタピオカミルクティーってやつ、サッキー飲んだことある? |
咲希 | もちろん! お店ごとにタピオカの食感とか違って、 飲み比べ……というか、食べ比べするのも楽しいよ♪ |
リン | そうなんだー! いいなぁ、あたしもタピオカミルクティー飲んでみたいな…… |
咲希 | それじゃあ今日の練習のあと、一緒に買いに行く? たしか、ホログラムでならあっちに出てこられるんだよね? |
リン | そうだけど、いいの!? |
咲希 | うん! 好きなトッピングもいろいろ選んでほしいし! そのあとこっちに戻って、一緒にタピろうっ♪ |
リン | わぁ……! うん、タピるタピる♪ |
咲希・リン | 『あははっ♪』 |
リン | 昨日はサッキーのシンセを借りたから、 今日はほなっちのドラムセットを借りちゃおっかな♪ |
リン | でも、ギターもベースもやりたいし……! |
リン | わーん! あたしの腕が10本くらいあったら、 全部一緒に弾けちゃうのになーっ! |
リン | ミクぴょん、一緒にセッションしよ~っ♪ |
ミク | うん、いいよ |
ミク | ところで、リン。 本当にずっとその呼びかたを続ける気なの? |
リン | そのつもりだよっ☆ だってかわいいでしょ? |
ミク | かわいい、か…… |
リン | あれ、どーしたの? もしかして、嫌だった? |
ミク | 嫌っていうわけじゃないけど、慣れないっていうか…… |
リン | あ、そういうことかぁ! じゃあ早く慣れてもらえるように、 たくさんミクぴょんって呼ぶね♪ ミクぴょん♪ |
ミク | え、あ……うん |
ミク | (あはは。これ、完全にやぶへびだったね……) |
穂波 | 咲希ちゃん、最近お弁当が多いね |
咲希 | 実はちょっと早起きして、手作りしてるんだ! お父さんとお兄ちゃんの分も、アタシが作ってるんだよ♪ |
穂波 | そうなんだね! ふたりとも、すごく喜んでくれたんじゃない? |
咲希 | うん! 最初に渡した時なんて、そろって泣き出しちゃって! |
穂波 | ふふ、やっぱり |
咲希 | でも、レパートリーが少なくって、 炒め物とか卵焼きとか、いっつも同じになっちゃうんだよね |
穂波 | それなら、ちょっとアレンジをしてみるのはどうかな? 同じ炒め物でも、味つけとかを変えるだけで 3種類くらいはレパートリー増やせるよ |
咲希 | 3種類!? す、すごい、さすがほなちゃん! それ、ぜひアタシに教えてください! |
穂波 | うん、喜んで! |
咲希 | はぁ…… |
一歌 | ……? 咲希、ため息なんてついてどうしたの? |
咲希 | んー、バンドはすっごい充実してるんだけど、 最近、学校行事全然ないなーって思って |
咲希 | はぁ。また体育祭実行委員みたいなことしたいなー |
一歌 | まあ、行事はそのうちまた絶対あるんだし、 今はバンドに集中できる時期だって思えばいいんじゃないかな? |
咲希 | あ、それもそっか。じゃあ、学校が忙しくないうちに、 バンドの練習しっかりしておこーっと! |
穂波 | ねえ、志歩ちゃん。今度の休みの日の練習なんだけど、 ちょっとだけ早く来られる? |
志歩 | 別に大丈夫だけど、なんで? |
穂波 | えっと……。またリズム隊の秘密の特訓をしたくて…… |
志歩 | なるほどね。じゃあ……3時間くらい前でいい? |
穂波 | え! そんなに時間もらっちゃって大丈夫? |
志歩 | だって、特訓でしょ。 それくらいみっちりやらなきゃね? |
穂波 | な、なんだか想像以上に大変そうな予感がするけど……。 でも、ありがとう! よろしくね、志歩ちゃん! |
志歩 | うん、こっちこそよろしく |
咲希 | い~っちゃん♪ 今日のバンド練習のあと、ちょっと時間ある? |
一歌 | え? 大丈夫だけど、どうしたの? |
咲希 | えへへ、実は試してみたいヘアアレンジがあるんだけど、 自分でやろうとすると、まだうまくできなくて…… |
咲希 | だからまず、いっちゃんの髪で練習させてもらいたいなーって♪ ね、いいかな? |
一歌 | うん、いいよ。ちなみに、どんな髪型? |
咲希 | ふっふっふっ。その名も、タマネギくるりんぱ! |
一歌 | ……あ、ごめん咲希。 やっぱり今日用事があったんだった |
咲希 | えっ、あ、待っていっちゃん! おもしろい名前だけど、 ホントにちゃんとしたヘアアレンジだから! いっちゃんで遊ぼうとしてるわけじゃないから~っ! |
穂波 | 咲希ちゃん。 ずっと足元を気にしてるみたいだけど、どうしたの? |
咲希 | あ、気づいちゃった? |
咲希 | 実は、スタジオまで白線からはみ出さないように行けたら、 アタシ達はプロデビューできる!っていう、願掛けをしてるの! |
志歩 | それ、小さい頃にも駄菓子屋行く時に 同じようなのやってなかった? |
志歩 | お菓子のおまけで欲しいやつが出るようにって |
一歌 | ふふ、やってたやってた |
咲希 | あの時は、それで欲しいおまけちゃーんとあてたよ! |
咲希 | だから、この願掛けは結構効果が……って、ああっ!! 歩道に車が止まってる! |
穂波 | あ……スタジオまであともうちょっとだったけど、 これじゃあ、白線の上は歩けないね |
咲希 | そ、そんなぁ! アタシ達のプロデビューがっ! |
志歩 | いや、こんなことでダメになったりしないから |
一歌 | ねえ、その願掛けって、咲希が足をつかなければ 白線から出てもセーフだよね? |
一歌 | だったら、私がおんぶしよっか? それなら足をつかずに車をよけられるよ |
咲希 | い、いっちゃん……! ありがとう! いっちゃんは神様だよ! |
志歩 | またそうやって咲希を甘やかすんだから……。 はぁ……一歌、ギターケース貸して。持つから |
穂波 | 志歩ちゃんも、そうやってよく甘やかしちゃうよね |
志歩 | 別に。変にケガとかされても困るから |
穂波 | ふふ。じゃあ、そういうことにしておこっか |
ミク | カイト、最近ずっとカフェに入り浸ってるね |
KAITO | え、ダメなのかい? |
ミク | そうじゃないよ。ただ、レンにDJのこと教えるの サボってるんじゃないかと思っただけ |
MEIKO | 言われてみれば……最近、教えてるところ全然見ないわね |
KAITO | ああ、それなら大丈夫。 ちょっとした課題を出して、頑張ってもらってるところなんだ |
KAITO | ボクだって、熱心な弟子にはちゃーんといろいろ 伝授してあげたいって思ってるしね |
ミク | へえ、やっぱり音楽のことに関してはちゃんとしてるんだね |
MEIKO | そうね。音楽のことに関してだけはね |
KAITO | ええー。だけっていうのはひどいなぁー |
KAITO | はぁ……どうしようかなぁ |
杏 | カイトさん、こんにちは。 なんだか困ってるみたいですけど、どうかしたんですか? |
KAITO | いつもお世話になってるメイコに、 ちょっとしたお返しがしたいんだけど、見当がつかなくてね |
こはね | あ、お店のお手伝いはどうですか? カイトさんなら、コーヒーも上手にいれられるし |
KAITO | うん、それはボクも考えたんだけど……。 リンやレンもしてるから、目新しさがないんだよね~ |
KAITO | もっとこう……! ちゃんと『カイト、ありがとう!』って、 ボクだからありがたがってもらえる何かがしたいんだ! |
杏 | あはは……。 それ、お世話になってるお返しをするっていうのと、 目的が違ってきてるような…… |
こはね | ふふ。でも、自分だからできる何かで 喜んでもらいたいっていう気持ちは、すごくわかるなぁ |
KAITO | いらっしゃい、ふたりとも! よかったら、一緒にアイスでも食べないかい? |
冬弥 | え、いいんですか? |
彰人 | ……一応、聞きますけど、 それ、誰かのアイスじゃないっすよね? |
KAITO | あはは、大丈夫大丈夫! さっきボクが自分で作ったアイスだから! |
冬弥 | 自分で? すごいですね |
KAITO | 結構簡単に作れるんだよ。 ま、材料はカフェの冷蔵庫にあるもので十分だし |
彰人 | で、メイコさんには冷蔵庫の物使うって、 ちゃんと言ってあるんすか? |
KAITO | え? えっと……言ったような、言ってないような…… |
冬弥 | それは……。早めに、かつ正直に言うことをお勧めします |
彰人 | はぁ。危うく共犯者にされるとこだった |
こはね | あ、青柳くん。こんにちは! 青柳くんも、本を買いに来たの? |
冬弥 | ああ。……それにしても、大荷物だな。 その紙袋の中身、全部本なのか? |
こはね | うん。クラスの友達が教えてくれたマンガなんだけど、 読んでみたらおもしろくって! |
こはね | 絶対、続きが気になっちゃうって思って、 今出てる分全部買っちゃった |
冬弥 | その気持ちは俺もわかる。 続きが気になってしまうと、夜眠れないからな |
冬弥 | まあ、次の日の学校がちょっと大変だけどな |
こはね | ふふっ。それがわかってても、読むのやめられないんだよね |
こはね | あの、東雲くん。ちょっとお願いがあるんだけど、いいかな? |
彰人 | ん? また、おすすめのCD教えてくれってヤツか? |
こはね | あ、ううん?最近友達になった子達と、 パンケーキのお店に行きたいんだけど、 東雲くんのおすすめのお店教えてもらえないかなーって |
彰人 | ああ、そっちか。別にいいぞ |
こはね | 本当!? ありがとう、東雲くん! |
彰人 | で、どういう店がいいんだ? 多少並んででもうまいもん食いたいのか、 気軽に行けるとこがいいとか…… |
こはね | 気軽に楽しめるところがいいな! |
彰人 | じゃ、次。内装はポップなとこと、ナチュラルなとこと、 綺麗めだったらどれがいいんだ? |
こはね | あ、えっと、ナチュラルなところ、かな |
彰人 | んじゃ、次は…… |
こはね | ま、まだあるの!? |
こはね | (東雲くん、本当にたくさんのお店知ってるんだなぁ) |
杏 | あ、こはね。髪、片方だけちょっと結び目下がってるよ |
こはね | え、本当? 帽子かぶる時にズレちゃったのかな |
杏 | 後ろ向いて。私が直してあげる! |
こはね | うん、ありがとう! |
杏 | ――……はい、これでOK! そういえば、ちょっと髪伸びてきたね。前みたいに伸ばすの? |
こはね | ううん。この髪型が気に入ってるから、 このままにするつもりだよ |
杏 | そっか。私も髪を切る予定はないけど……。 ふふ。いつか、ふたりでおそろいの髪型とかに できたらおもしろそうだよね! |
こはね | おそろい……! うん、そうだね! |
レン | ダンス楽しかったなー! 次は何に挑戦しよう? ねえ、なんかいいものある? |
彰人 | そう言われてもな……。 すぐには出てこねえよ |
冬弥 | そうだな……。あ、ダンスが体育会系だったから、 今度は文化系の何かをやってみるというのはどうだろう? |
レン | なるほど! あ、じゃあ、絵とかやってみようかなー! |
彰人 | 言っとくが、教えねえぞ |
レン | ええー、まだ何も言ってないのに! |
彰人 | いや、絵って言う前にオレを見ただろ。 つーか、目が合ってから絵って言っただろ |
レン | ちぇー。じゃあ、もうちょっと自分で考えてみよーっと |
レン | けど、ふたりもオススメのものとか見つけたら、 すぐに教えてね! |
彰人 | わかったわかった。そん時はちゃんと連絡する |
レン | うん! 約束だからね! |
奏 | あ、絵名。こっちに来てたんだね |
絵名 | うん。ちょっとリンに見せたい絵があって! ふふ、これなんだけど…… |
まふゆ | これ……歌ってる時の、リンの似顔絵? |
絵名 | そう。このあいだ歌ってるところをちょっと撮らせてもらって、 それを参考に描いてみたの |
絵名 | ねえ、どうかな? 自分では結構いい感じに描けてると思うんだけど…… |
奏 | うん、すごくいいと思う。表情の描写もすごく繊細で、 どんな雰囲気の歌を、どんな気持ちで歌ってるのかも 見ただけで伝わってくるよ |
絵名 | でしょ! ね、まふゆはどう? |
まふゆ | 何を描きたいのかがわかりやすくて、いいと思う |
絵名 | ふふ、でしょー! |
まふゆ | いつものイラストも、 これくらいわかりやすかったらいいのに |
絵名 | それはそれ! なんでもわかりやすけりゃいいってわけじゃないんだから |
奏 | リン、喜んでくれるといいね |
絵名 | うん。ま、絶対素直には喜ばないと思うけど、 見せるの楽しみだな |
絵名 | ねえ、ミクはお祭りに興味ある? |
ミク | お祭り? |
絵名 | そう。ちょっと前みんなでお祭り行ったんだけど、 その話、まだしてなかったなって思って |
ミク | みんな……。じゃあ、まふゆも一緒に行ったの? |
まふゆ | うん。その日は、予備校も早く済んだから |
ミク | ……そうなんだ。まふゆ、楽しかった? |
まふゆ | ……悪くはなかったかな |
ミク | ………… |
絵名 | あ、そうだ! 写真とかあるから、それ見ながら話さない? |
ミク | うん。ありがとう、絵名 |
絵名 | ふふ。どういたしまして! |
彰人 | そういやダンスの練習の時に思ったんだが、 お前、意外と体柔らかいんだな |
冬弥 | そうだろうか? 人並みくらいだと思うが…… |
彰人 | いや、そうだけどさ。全然運動させてもらえなかったって 聞いてたから、もっとガッチガチだと思ってた |
冬弥 | ああ、なるほど……おそらく、 ピアノの練習のあとにやっていたストレッチのおかげだろうな |
冬弥 | ずっと同じ姿勢でいると、体が変にかたまってしまうから 特に小さい頃は、母親と欠かさずやっていたんだ |
彰人 | (ほんとこいつの両親、そういうとこ徹底してたんだな。 まあ、そんだけ本気でクラシックの道に進ませたかったんだろうが……) |
冬弥 | ……? どうかしたのか? |
彰人 | 別に |
彰人 | (お前が、自分のやりたいことちゃんとできるようになって 本当によかったよ) |
雫 | 今日のお買い物もとっても楽しかったわ。 ありがとう、絵名ちゃん |
絵名 | うん、私も楽しかったよ |
絵名 | けど、大丈夫なの? こんなに何度も誘ってもらっちゃって。 ふたりとも、配信とか普段の練習とか大変なのに…… |
愛莉 | そっちの心配なら大丈夫。 毎日、みっちり練習してるから |
愛莉 | それに、ちゃんと休みの日っていうのを作らないと、オフモードになれない……というか、 意識しないと休めない子もいるし |
雫 | ええ。だからこうやって、 定期的にお休みの日を作るようにしたの |
絵名 | わざわざそういう日を作らないと休めないなんて、 アイドルって本当に大変なんだね |
愛莉 | まあ、その子はちょっと特殊なのよね。 アイドルでいることもそのための努力をするのも大好きっていう子だから |
雫 | そうねえ。毎日、朝と夕方に分けて 2回もランニングをしてるって聞いた時はびっくりしたわ |
愛莉 | オマケに家に帰ったら帰ったで自主トレに筋トレでしょ? それをデビューしてから何年もずっと続けてるっていうんだから、ホントすごい子よね |
絵名 | え、何年も!? |
絵名 | (やっぱりアイドルって、見えないところで すっごい努力をしてる人達ばっかりなんだなぁ。 ……私には絶対ムリ) |
絵名 | ねえ、彰人。りんご飴の専門店っていうのが あるみたいなんだけど…… |
彰人 | オレは行かねえぞ。行きたきゃ、暁山と行けよ |
絵名 | それは……そうしたいけど…… |
絵名 | 最近、ちょっと強引にあちこち誘いすぎてるし、 さすがにウザがられてるかなって思って…… |
彰人 | ふーん。強引に誘ってるっていう自覚はあったんだな |
絵名 | それは、まあ…… |
彰人 | ちなみに、今オレもすげー強引な誘われかたしてるんだが? |
絵名 | あんたはいいでしょ、別に |
彰人 | ちっともよくねえ! |
彰人 | あ…… |
愛莉 | あら! 彰人くん、久しぶり。 元気そうでよかったわ |
彰人 | ありがとうございます。桃井さんのほうも……、 今は新しいグループで活躍されてるみたいっすね |
愛莉 | ええ。いろいろあって、ファンのみんなや家族、 それに友達や知りあいにも心配かけちゃった時期もあったけどね |
愛莉 | そういえば……絵名、そのことに全然触れないんだけど、 やっぱり、気をつかわせちゃってるのかしら |
彰人 | まあ、多少は……そうだと思います |
愛莉 | そりゃそうよねー。ごめんなさい、変なこと聞いちゃって |
彰人 | いえ、別に。 こっちこそ、絵名のヤツがいつもすみません |
愛莉 | ううん。わたしのほうこそ、絵名には助けてもらってるもの! |
愛莉 | (それにしても、彰人くんって本当によくできた弟よね) |
瑞希 | 皆さん、本日は弟くんのバイト先見学ツアーにご参加いただき、 ありがとうございまーす♪ |
彰人 | はいはい。行くならとっとと行くぞ |
瑞希 | えー! テンション低いな~。 もっと楽しんでいこうよ♪ ね、冬弥くん! |
冬弥 | ああ。今まではよく待ちあわせ場所として使わせてもらっていたが、 ここしばらく行っていなかったから楽しみだ |
彰人 | そういやそうだな。4人で練習するようになってからは、 公園で待ちあわせすることが多くなったし…… |
瑞希 | ほらー! 楽しみにする理由、ちゃんとあるじゃん! |
瑞希 | あとボク、普段ストリートファッションしないから、 弟くんにコーディネートしてみてほしいんだよね~ |
彰人 | は? するのはかまわねえけど、お前の好み全然知らねえぞ? |
瑞希 | いいのいいの♪ 純粋に弟くんのオススメが知りたいんだから。 さ、行こう! |
冬弥 | ああ |
みのり | めーちゃんのライブ、見学させてくれてありがとう! MCとかファンサとか、すごく勉強になったよ |
MEIKO | どういたしまして♪ いつかみのりちゃんが ステージに立った時にでも、役立ててね! |
みのり | うん! あ、でもそのためには、 まずライブができるようにならないといけないのか…… |
MEIKO | そういえば、フリーで活動しているから みのりちゃん達がライブをするのって結構大変なのよね |
みのり | うん。少し前に合同ライブはやらせてもらったことがあるけど、 自分達ではまだやれてないし…… |
MEIKO | ――大丈夫! みんな毎日頑張ってるんだもの。 きっといつか、チャンスはやってくるわ |
みのり | めーちゃん…… |
みのり | そうだね。みんなに希望を届けるアイドルなんだから、 まず自分が希望を持ってなくっちゃ! |
MEIKO | ええ、その意気よ! |
MEIKO | 遥ちゃん、最近調子はどう? |
遥 | うん、いつもどおり特に問題ないよ |
MEIKO | あら、さすがね♪ ちなみに、ちゃーんとお休みも取れてる? |
遥 | 前よりは意識的に取れてると思うよ。 またみんなを心配させたくないしね |
MEIKO | そう、それならよかった! |
MEIKO | (ふふ、そうやって柔軟に対応できるのも、本当にさすがね!) |
愛莉 | こんにちは、メイコ |
MEIKO | あら、やっぱりめーちゃんって呼んでくれないのね |
愛莉 | え? んー、『なんとかちゃん』っていう呼びかた、 わたしのガラじゃないっていうか、照れるっていうか…… |
MEIKO | あら、そうなのね。 ごめん、困らせるつもりはなかったの |
愛莉 | ううん、こっちこそごめんなさい。 気軽に接してほしいっていう、メイコの気持ちは ちゃんと受け取ってるつもりよ |
MEIKO | それならよかった! ありがとう、愛莉ちゃん |
MEIKO | 雫ちゃんって、方向音痴って聞いたけど、 どれくらい道で迷っちゃったりするの? |
雫 | そうね……。 毎日使ってる通学路はもう大丈夫なんだけど…… |
雫 | 初めてとおる道や、あまり使ったことのない道だと もう駄目ね。ちょっと気を抜くと、 今自分がどっちから来たのかもわからなくなっちゃうから |
MEIKO | え? 今歩いてきた道なのに? |
雫 | ええ。本当に不思議よねぇ。 それからスマホの地図で自分がどこにいるのか調べるんだけど、 ときどき日本にいなかったりするの |
雫 | きっと私の操作がおぼつかないせいだと思うんだけど……。 だいたいいつも、近くの人に道を教えてもらってどうにかしているわ |
MEIKO | なるほど…… |
MEIKO | (わかってはいたけど、 雫ちゃんをセカイでひとりにしちゃダメそうね……) |
リン | 寧々ちゃん達のステージ衣装って、 すっごくかわいいよね! |
寧々 | ありがとう。リンの衣装も、 リンにすごくあってると思う |
リン | うれしいな~、この衣装すっごくお気に入りなんだ♪ ねえねえ、寧々ちゃんもおそろいにしてみない? |
寧々 | おそろい? 試してみたい気もするけど…… |
リン | やった~☆ じゃあさっそくお着がえしよ~♪ |
寧々 | えっ! ちょ、ちょっと、今から……!? |
リン | 類くん、類くん♪ 寧々ちゃん知らない? |
類 | 寧々なら、家の用事があってまだこちらには来ていないよ |
リン | ガーン!! そうなんだ……。 一緒に歌いたかったのになぁ |
類 | もうしばらくすれば来ると思うよ。 それまで、僕のとっておきのバルーンアートはいかがかな? |
類 | 花、動物、食べ物。なんでも作ってみせるよ |
リン | なんでも!? すごーい! じゃあ、じゃあ! わんちゃんかお馬さんがいいな♪ |
類 | いいとも。ではまず犬からいこうか。 フフ。どんな風にできあがるか―― では、ご期待くださいお客様 |
寧々 | あれ、類? 購買の前でボーっとしてるけど、 パン争奪戦に乗り遅れたの? |
類 | いいや、ちょっと観察中といったところさ |
寧々 | 観察? |
類 | 自らの生存のために、我先にとパンを奪いあう人々―― ……カタストロフィ、いわゆる世界の破滅を描く際の 参考になるかと思ってね |
類 | いつものことながら、 生々しい人間の様子が観察できて面白いんだ |
寧々 | 何それ……。 ていうか、いつもそんなことしてるわけ……? |
類 | フフフ、ご想像にお任せするよ |
類 | ところで、寧々。今からお昼を食べるなら 司くんとえむくんを誘ってセカイに行かないかい? |
類 | ちょうど、次のショーの演出について いくつか案が浮かんでいてね。意見が聞きたいんだ |
寧々 | あ、別にいいよ。じゃあ、そっちは司を呼んできてよ。 えむにはわたしから連絡しておくから |
類 | ああ。頼んだよ、寧々 |
司 | 探したい曲があると言うから来てやったが……。 一体どんな曲なんだ? |
えむ | あのね、昔おじいちゃんのショーでも流れてた曲で、 クラシックの曲だったと思うんだけど…… |
えむ | デュルデュン~~~♪ デュデュン~~~♪ デュデュン~~~♪ ……っていう感じの始まりかたする曲だよ! |
司 | いや、ちっともわからん。 曲に関する他の情報はないのか? |
えむ | あ、じゃあ続きを歌うね! デュデュデュデュ~ドゥ♪ デュデュデュデュ~ドゥ♪ デュデュデュ~ドゥ♪っていう感じ! |
司 | ん!? 今のフレーズは聴き覚えがある気がするぞ! |
司 | くっ、冬弥ならばおそらく一発でわかるんだろうが……。 いやいや! 冬弥に聞くのは最終手段だ |
司 | えむ、続きを歌ってくれ! こうなったらとことん聴いてやる! |
えむ | はーい☆ では、全力で歌いまーす♪ |
レン | ぬいぐるみ達がやってた海賊のショー、 すっごくかっこよかったね |
リン | うんっ! いいなぁ、リンも海賊やってみたいなぁ |
ミク | それじゃあ、3人で海賊ごっこしてみようよっ☆ |
レン | あ、いいね! よーし……『はっはっはっ! オレは 泣く子も黙る海賊船の船長だぞー!』 |
リン | じゃあ、リンも! 『あっはっはっ! わたしも こわいこわーい海賊船の船長だぞー!』 |
ミク | 『ふっふっふっ! わたしだって、海賊船の船長だぞ~』 |
レン | あははっ、船長ばっかりじゃん! |
リン | だって、一番かっこいい役なんだもん♪ |
ミク | えへへっ☆ それじゃあ、 誰が一番かっこいい船長になれるか競争だね♪ |
えむ | あ、穂波ちゃんだー! わんだほーい♪ |
穂波 | えむちゃん、こんにちは。えむちゃんもお買い物? |
えむ | うん♪ お姉ちゃんと一緒に服とかくつとか買いに来たの |
穂波 | あ、そっか。えむちゃんはお姉ちゃんがいるんだったね。 それと……お兄さんもいるんだったっけ? |
えむ | うん、お兄ちゃんはふたりいるよっ☆ 穂波ちゃんも、弟がいるんだよね? 一緒にお買い物したりしないの? |
穂波 | うーん、わたしは一緒にしてもいいんだけど……。 照れちゃうお年頃っていうのかな。 誘っても、つーんってされちゃうの |
穂波 | そこが可愛いところでもあるんだけどね |
えむ | あははっ。うちのお兄ちゃん達もつーんな時あるから、 ちょっとわかるかも! |
えむ | あ、お姉ちゃんが呼んでる! また今度ゆっくり話そうね~♪ |
穂波 | うん、またね! |
咲希 | こはねちゃんって、本当に歌が上手だね! 高校に入ってから練習し始めたなんて、びっくり! |
こはね | ありがとう。でも、私だけの力で うまくなれたんじゃないと思う |
こはね | 同じチームの人や、私を相棒って言ってくれる子が 私のことを信じてくれて…… |
こはね | それで、頑張らなくちゃって! |
咲希 | そっかぁ。やっぱり、一緒にがんばってくれる人の 存在って大きいよね |
咲希 | アタシもいっちゃん達がいてくれてるから、 難しいこともやってみるぞっていう気になれるし! |
こはね | うん。仲間がいてくれるって、本当に心強いよね |
こはね | ねえ、えむちゃん。フェニックスワンダーランドを全部 使ってやったショーって、えむちゃん達が考えたんだよね |
えむ | うん♪ 類くんや司くんや寧々ちゃん、 みんなで考えたんだっ☆ |
えむ | あ、こはねちゃんも見てくれたの? |
こはね | SNSにあがってた動画は少しだけ……。 あの日はイベントに出てて、フェニランがトレンドに 上がってたって知ったのも次の日だったから |
えむ | そうだったんだ! あのショー、これからもやるよ! すっごくきれいなフェニックスワンダーランドも見られるし、 よかったら見に来てほしいな♪ |
こはね | うん! うちのお父さんも、 ショーとライトアップ、両方見たがってたから 今度、家族で絶対見に行くね |
えむ | わーいっ☆ あたしも楽しみに待ってるね♪ |
咲希 | ペンギン♪ ペンギン♪ ペンペン、ペンギン♪ |
遥 | ふふ。天馬さん、ノリノリだね |
一歌 | 待ちに待ったペンギンカフェだからね |
遥 | そうだね。私も、最初にペンギンカフェを教えてくれたのは 天馬さん達だったから、いつか一緒に行きたいって思ってたの |
遥 | あ……そうだ。お店に行く前にひとつだけいいかな? |
咲希 | うん、どうしたの? |
遥 | えっと……私、お店に入ったら ちょっとはしゃいじゃうかもしれなくって……。 だから、驚かせちゃうかも |
咲希 | おおー! つまり、遥ちゃんがはしゃいじゃうくらい、 ものすごくテンションが上がっちゃうカフェっていうこと!? ますます楽しみー! |
一歌 | ふふ。桐谷さんが言いたいのは、多分、 そうじゃないと思うんだけど |
咲希 | もちろん、わかってるよ♪ |
咲希 | でも、イメージと違うかもっていう自分を アタシ達になら見せてもいいってことでしょ? もしそうなら、すっごく嬉しいな! |
遥 | そうだね。ふたりは私の友達だから。 特別、かな |
咲希 | おおー! いっちゃん聞いた? 特別だって♪ |
一歌 | はいはい。嬉しいのはわかったから、前見て歩かないとね |
咲希 | え~。いっちゃんだって嬉しいくせに~ |
遥 | ふふ…… |
咲希 | おお~、ここがえむちゃんが大好きなたい焼き屋さんなんだね! |
えむ | うんっ☆ 普通のたい焼きもあるし、カスタードクリームが 入ってるあま~いたい焼きもあるよ♪ |
咲希 | わぁ、それおいしそう! それじゃあ両方買ってって、 お兄ちゃんやお母さん達と一緒に食べよーっと♪ |
えむ | ねえねえ、咲希ちゃんがお菓子をよく買いに行くお店も、 この近くにあるんだよね! あたし、そこ行ってみたいなっ☆ |
咲希 | オッケー! オススメのお菓子、ぜーんぶ教えちゃうね♪ |
えむ | やったー! えへへ、お互いの好きがいっぱい知れて、 もっともっと好きになっちゃうね! |
咲希 | うん! 目指せ、だいだい大好きっ♪ なんちゃって |
咲希・えむ | 『あははっ!』 |
みのり | この3人でライブイベント見に行くの久しぶりだね! |
こはね | うん! 志歩ちゃん、一緒に来てくれてありがとう |
志歩 | 別に。私も興味あるバンドだし。 初めてのワンマンライブには行きたいって思ってたから |
こはね | ふふ、楽しみだなぁ。今日のために、志歩ちゃんが 教えてくれた曲はちゃんと予習してきたんだ |
みのり | わたしもー! でも、コールの勉強まではしてないから、 うまく合わせられる自信ないな |
志歩 | コールって……。アイドルのライブじゃないんだから、 さすがにそこはあんまり気にしなくて大丈夫でしょ |
志歩 | ま、こういうイベントってその場のノリが大事だし。 それに楽しく乗れればいいんじゃない? |
みのり | はーい! それじゃあ、3人で乗りまくろー! |
こはね | おー! |
こはね | えへへ、臨海学校のおかげで ようやく穂波ちゃんと友達になれて嬉しいな |
こはね | 実は、みのりちゃんや志歩ちゃんから話はいろいろ聞いてて、 いつかお話ししたいなって思ってたんだ |
穂波 | そうだったんだ。 ちなみに、どんな話を聞いたの? |
こはね | みのりちゃんからは、お散歩友達だよっていう話で、 志歩ちゃんからはバンドの話とか、 星に詳しいっていう話を聞いたよ |
こはね | 前に、お父さんと一緒に星空の写真を撮りに行ったことが あってね。星座を見つけるのが難しかったって言ったら、 得意な子がいるよーって |
穂波 | ふふ、そうなんだ。 いつでも星の見かたとか探しかたとか教えるよ? |
こはね | え、本当? ありがとう! 今度、ぜひお願いします! |
ミク | このセカイも、だいぶ賑やかになってきたね! |
ルカ | ええ♪ みんなと一緒にライブをやる機会も増えて、 とっても楽しいわ |
MEIKO | わたしもよ! これだけメンバーがいるんだから、 持ち歌をシャッフルして歌うのも楽しそうね! |
ミク | あ、いいねそれ! 歌うメンバーが違ったら、 曲の雰囲気もきっと変わるだろうし! |
ルカ | ふふ、本当にいいアイディアね~。 実は私、ちょうどめーちゃんと歌いたい曲があったの♪ |
MEIKO | あら、偶然ね! わたしもよ♪ |
ミク | わぁ、どの曲だろう? ねえ、ふたりとも せっかくだし、今から歌ってみるのはどうかな? |
ルカ・MEIKO | 『さんせ~い♪』 |
レン | 髪、よし。身だしなみも、よし―― |
レン | それじゃあ、今日もファンのみんなに 夢のように楽しいライブを届けないとね! |
レン | うーん。ソロライブは、ファンのみんなと しっかり向きあえるって感じがすごく好きだけど、 やっぱりやれることにも限りがでてきちゃうな |
レン | ミクちゃん達はどういう工夫してるんだろう…… |
レン | よし、もっともっといいライブをするためにも、 話を聞きに行ってみようかな! |
レン | え? ライブがうまくなるコツ? |
リン | うん! えっと、たとえば……ファンのみんなと、 もっと一体感を出すっていうか…… |
レン | 一体感を出す工夫なら、僕よりめーちゃんのほうが 詳しいけど……、んー、そうだなぁ |
レン | ファンのみんなが覚えやすいコール&レスポンスを作って、 一緒に楽しめる曲を増やす、とかどうかな? |
リン | あ、そっか! そうやって、一緒にライブを 作るっていう感じをだすんだね! |
リン | ありがとう、レン! 次のライブでさっそく試してみる! |
レン | うん、また困ったことがあったらいつでも相談してね |
愛莉 | みのり、最近いい感じに動けてるわね! ダンスのキレも、指先まで意識するっていうのも、 しっかりできるようになってきたじゃない! |
みのり | 本当!? よかったぁ、 わたしもちゃんと成長してるってことだね! |
愛莉 | そりゃもちろんよ。もしわたし達がダンスを教え始めた時期の 動画とか残ってたら、見てみたら? 動き、全然違うから |
みのり | え、そんなに? たぶんスマホに残ってるから、 あとで見てみようかな! |
愛莉 | (ま、わたしも経験済みだけど……。 あまりのできてなさに、恥ずかしくて悶絶するかもね) |
愛莉 | ……あ! このCDのアイドルグループの子、 なんか見覚えがあるわ |
遥 | 最近テレビにも出始めたグループだね。 たしか、センターの子が思ったことをはっきり言う子で、 それが見てて気持ちがいい、みたいな感じで…… |
愛莉 | 思ったことをはっきり……あっ! 思い出した! |
愛莉 | オーディションでイヤ~な質問ばかりしてくる面接官に、 たんかきって出て行った子だわ! |
遥 | え、それは……なかなか強烈な子だったんだね |
愛莉 | ホントよ。あの性格じゃ相当苦労したと思うけど……。 こうやってデビューできたってことは、 いい事務所に巡りあえたのかしら? |
遥 | うん、きっとね |
愛莉 | ふふ。よーし、お布施代わりにCD買わなくっちゃ! |
愛莉 | スポーツシューズは……あった、ここね! よかった、デザインもサイズも充実してるわ! |
雫 | うん。今度からここに買いに来れば、 いいシューズが買えそうだね |
雫 | それにしても、毎日レッスンをしていると、 すぐにシューズを履きつぶしちゃうね |
愛莉 | それだけしっかり練習してるってことだし、仕方がないわ |
愛莉 | それに、履きつぶしたシューズの数だけ 夢に近づいてるって思えるじゃない |
雫 | 夢、か……。ふふ、そうだね |
雫 | じゃあもっともっと近づけるように、 このシューズ、10足買っちゃおうかな |
愛莉 | アンタね、本当にわたしの話聞いてた? 買った数じゃなくて履きつぶした数だからね? |
みのり | それでは、今日は張りきって休もーう! |
雫 | おー! |
愛莉 | 張りきるのか休むのかどっちなのよ。 ていうか、周りの人に迷惑だから大声出すのはやめなさいよね |
遥 | ふふ、でも楽しみだね。 わたあめの専門店に、りんご飴の専門店……、 どっちも珍しいお店だし |
みのり | ほんとだね! でも、どうしてこのお店にしたの? |
愛莉 | しばらく前に、雫とたまたま夏祭りに行ったんだけど、 久しぶりに食べたわたあめやりんご飴がおいしかったのよね |
雫 | それに、そのお祭りには遥ちゃんとみのりちゃんとは 一緒に行けなかったから、 その代わりにって今日のお店を選んだの |
遥 | そうだったんだ。ふたりとも、わざわざありがとう |
愛莉 | いいのよ別に。特にりんご飴のお店のほうは、 知りあいから聞いて、行ってみたかったお店だし |
愛莉 | さあ、今日は1日楽しむわよ! |
遥 | おー! ふふっ |
寧々 | あ、こんにちは |
ルカ | すー……すー…… |
寧々 | ……って、やっぱり寝てる |
ルカ | むにゃ……そんな、ことも……あるわね…… |
寧々 | えっ? |
ルカ | すー……すー…… |
寧々 | えっと……。今のはさすがにただの寝言、だよね? |
MEIKO | ねえ、カイト! 悪いんだけど、 ちょっと座長をクビになってもらえない? |
KAITO | えっ、またかい!? ちなみに、今度はなんでクビになるのかな? |
ルカ | うふふっ。実は、リンとレンが、 座長になってやりたいショーがあるんですって~ |
KAITO | ああ、なるほど。そういうことか。 もちろん、かまわないよ |
KAITO | けど、毎回僕をクビにしなくてもいいような…… |
MEIKO | 何言ってるのよ! クビにしないと、 あれこれ気になってす~ぐ口をだしちゃうじゃないの |
MEIKO | ああいうのは本人達が考えて頑張らないと意味ないんだから、 口出しはよっぽどのことがない限りは禁止! |
KAITO | あはは……了解。肝に銘じておくよ |
ルカ | ふふ。それじゃあカイトくん、 な~んにもしないでいられるように、一緒にお昼寝しましょ? |
MEIKO | こら、ルカ。あなたはショーの手伝いがあるでしょ? 寝るのはカイトにバトンタッチ |
ルカ | ええ~、そんなぁ…… |
リン | ショーを作るって大変だね。 お話考えて、台本作って、みんなで練習して…… |
レン | 衣装も必要だし、背景とか小道具も必要だし、 どれができてて、どれができてないのか、 すぐわかんなくなっちゃうよねー |
リン | うんうん! これ、いつもは ぜーんぶカイトがひとりでやってるの? |
KAITO | そんなことはないよ。ミクやぬいぐるみ達も頼りになるし、 最近はよくメイコも助けてくれるからね |
KAITO | ショーはみんなで作るものだしね。ひとりじゃ難しいことは 積極的に仲間を頼るようにしているよ |
レン | みんなで作る、か…… |
リン | じゃあ、カイト! リンやレンのことも頼ってくれる? |
KAITO | もちろん。あ、早速なんだけど、 これからぬいぐるみ達の衣装を確認しに行くんだ。 手伝ってくれるかい? |
リン・レン | 『うん!』 |
寧々 | えむ、買いたい物があるって言ってたけど、 何が買いたいの? |
えむ | 前にお姉ちゃんが教えてくれた、 ブロックみたいに組み合わせるチョコが欲しいんだ♪ |
寧々 | え、何それ。おもちゃみたいなチョコってこと? |
えむ | えっとね~、ひとつひとつがぜーんぶ味が違うチョコだから、 組み合わせるチョコで、いろんな味にできるの! |
寧々 | んー。全然想像つかないけど、おもしろそうだね |
えむ | でしょー! お姉ちゃんと食べた時もすっごく おもしろかったから、寧々ちゃんとも一緒に食べたくって♪ |
寧々 | じゃあ、頑張って探さないとね |
えむ | うんっ☆ 絶対見つけるぞー! |
えむ | みんなー、見て見て♪ プロジェクトワンダーと宣伝大使のポスターができたんだって♪ |
司 | む、ポスターだと? いつの間にそんなもの準備していたんだ? |
類 | さあ? でもきっと、テレビCMの代わりの 宣伝ツールとして準備したんだろうね |
寧々 | ふーん……。あ、ショーの写真もいい感じに入ってる |
司 | おお! 宣伝大使のポスターのほうは 人魚姫のショーの時の写真か! |
司 | しかし、言ってくれれば、 ポスター用の写真を撮るくらいの時間も作ったし、 撮影用のポーズも披露したんだがな |
えむ | えっ、撮影用のポーズがあるの!? |
司 | フッ、無論だ。スターたる者、 専用のポーズのひとつや100程度、持っているものだぞ |
寧々 | いや、100は多すぎでしょ |
類 | フフ。面白そうだから、 その中のトップ5を是非見せてもらいたいね |
えむ | わぁ! 見たい見たーい! 司くん、やってやってー! |
司 | いいだろう! では5位からいくぞ! |
寧々 | え、ちょ、ちょっと! 今ここでやるの!? 恥ずかしいから、もっとあっちでやってよ |
寧々 | ネネロボがひとりでもステージに立てるようになって、 ストーリーとか演出の幅がちょっと広がった感じするよね |
類 | そうだね。人数の関係でいったん置きの状態になった台本も、 いくつかは復活できるかもしれないな |
寧々 | うん。この際、ひとりふた役を売りにしたショーとして やってみるのもいいかもね |
類 | ああ、メンバーが少ないという事実を、 ポジティブに見せることができるしね |
類 | みんなショー作りにも、複数の公演にも慣れて 気持ち的な余裕も持てるようになってきているし、 挑戦してみるのもよさそうだ |
寧々 | うん。じゃあ司とえむが来たら、相談しないとね |
司 | 寧々、最近はショーの終盤でも、 序盤と変わらず、バテずにしっかり歌えているな |
寧々 | まあね。体力バカなアンタやえむに負けていられないから |
司 | む、バカは余計だが……いい心がけだな! |
司 | この調子で頼むぞ! ワンダーランズ×ショウタイムの歌姫よ! |
寧々 | え……。ま、まあ、別にアンタに言われなくても頑張るし…… |
杏 | ねえ、彰人。次のテスト、ちょっと勝負しない? |
彰人 | 勝負? |
杏 | そう! 最近、こはねや冬弥を心配させちゃってたからさ。 大丈夫だよってところを見せたいんだけど…… |
杏 | それだけだと張りあいがちょっと足りないっていうか。 だから、勝負するのはどうかなって考えたわけ! |
彰人 | ……まあ、たしかにここしばらく、心配されすぎてて ちょっと悪い気もしてたしな |
彰人 | よし、乗った |
杏 | オッケー! じゃあ、全教科の合計点で勝負ってことで! |
彰人 | おう。負けたほうは WEEKEND GARAGEのメニュー1品おごりな |
杏 | いいよ。絶対、負けないから! |
杏 | ねえ、冬弥って今身長いくつなんだっけ? |
冬弥 | ……変わっていなければ178、だな |
杏 | んー、身長が高いってなんかそれだけでうらやましいなぁ |
冬弥 | そうなのか? |
杏 | ほら、私バスケやってたじゃん? 身長が高いと、それだけでも結構有利だったんだよねー |
杏 | それに、店のキッチンの戸棚とかさ。 父さんの身長にあわせて作られてるから、 台がないと届かないし |
杏 | はぁ、やっぱ身長高いっていいなぁ。 冬弥を見てる感じ、損することなんてなさそうだし |
冬弥 | いや、損することならあるぞ |
杏 | え、本当? |
冬弥 | ああ。電車のつり革がよく顔にぶつかる。 あれは地味に痛い |
杏 | あー、なるほど……。 たしかに、それはちょっと嫌かも |
瑞希 | あ…… |
絵名 | あ……瑞希。こんなところで何してるわけ? |
瑞希 | そっちこそ。……って、その手に持ってるチラシ。 もしかしなくても、今日オープンのコスメショップのだよね |
絵名 | 瑞希も同じの持ってるってことは……。 そっちも、先着でもらえるっていう限定お試しセット狙い? |
瑞希 | 正解♪ な~んか、前にもこうやって 鉢合わせしたことあったよね~ |
絵名 | そういえば、そんなこともあったっけ…… |
絵名 | (ていうか、最近誘いすぎてるなぁって思ったから 声掛けなかったのに……。意味ないじゃん) |
絵名 | ま、せっかく会えたんだし、一緒に行かない? どうせ、列に並んでるあいだ暇だし、 話し相手が欲しかったんだよね |
瑞希 | 同じく。じゃ、行こっか! |
奏 | はぁ………… |
瑞希 | ん? あれー、奏じゃん? なんか真っ白な顔してるけど、大丈夫? |
奏 | あ、瑞希。ちょっと太陽がまぶしすぎて、 目を慣らしてたところ |
瑞希 | それだけ? 体調は悪くないの? |
奏 | え? うん、目が痛いだけだよ |
瑞希 | それならよかった……いやいや、よくないよ! 真っ白すぎだよ、奏! |
瑞希 | もっとちゃんとお日さまに当たらないと! ほら、陰にいないでこっちこっち! |
奏 | あ、待って瑞希。 そんな明るいところに出たら目が潰れちゃうから……! |
絵名 | あっ、まふゆ! そっちは今、帰り? |
まふゆ | うん。絵名はこれから登校? |
絵名 | そっ。けど……ちょっと損してる気分になるなぁ |
まふゆ | 何が? |
絵名 | だってみんなが帰ってく中、私だけ登校するんだよ? なんかねー |
まふゆ | じゃあ、全日制にすれば? |
絵名 | う……今さら朝ちゃんと起きる生活に戻るなんて、 ハードル高すぎ |
絵名 | はぁ。やっぱ今のほうがよっぽど気楽かも。 じゃ、行くね。また夜に |
まふゆ | うん。ナイトコードで |
まふゆ | あ……奏? 珍しいね、外に出てるなんて |
奏 | うん、今日はお父さんの病院に出かける日だったから。 まふゆはこれから予備校? |
まふゆ | ううん。……アクアリウムの水草が枯れそうだったから、 新しいのを買いに行くところ |
奏 | そうなんだ。……ねえ、まふゆ。 それ、わたしもついていっていいかな? |
まふゆ | いいけど、どうして? |
奏 | まふゆが好きな物について知りたいし、 それに、音楽以外のこともいろいろインプットしたくて |
まふゆ | そう……。けど、別に好きかどうかはわからないんだけど…… |
奏 | そうだとしても、興味がなかったら 水草を買い換えるなんてしないと思うし |
まふゆ | そう、なのかな…… |
奏 | うん。きっと、そうだと思う |
瑞希 | あ、杏だ! やっほー♪ 今から歌いに行くところ? |
杏 | まあね! そっちはショッピング? |
瑞希 | ううん、これからバイトだよ。 にしても、よく会うなぁ…… |
杏 | ん? どうしたの? |
瑞希 | 実はさ、しばらく前にも この辺りで冬弥くんに会ったんだよね~。 朝練の帰りって言ってた |
杏 | ああ、私達が練習で使ってる公園が近くにあるからね。 それに、うちの父さんの店がある通りも近いから、 この辺で彰人や冬弥とばったりなんてこと、結構あるよ |
瑞希 | そうなんだ。じゃあたまたま会ったっていうよりは、 会うべくして会ったって感じなんだね! |
杏 | 多分ね! それに冬弥はそこのゲーセンが好きで、 暇つぶしにふらっと行くみたいだし、 一番会う確率高いんじゃない? |
瑞希 | あはは! そういえばよく行くって話も、前に聞いたなぁ。 じゃあ、今度とおりかかったらのぞいてみよっかな♪ |
ミク | 咲希から聞いたんだけど、 志歩のお母さんって、琴の先生やってるんだね。 志歩も弾けたりするの? |
志歩 | 少しだけね。あ、でも最後に弾いたのだいぶ前だし、 もううろ覚えだよ |
ルカ | そうなのね。 でも、機会があったら聴いてみたいわ、志歩の琴 |
志歩 | それは別にいいけど…… |
志歩 | せっかく聴いてもらうんなら、 納得ができる演奏になってから聴いてもらいたいな |
ルカ | ふふ。そういうところが、志歩よね |
ミク | そうだね |
MEIKO | 雫ちゃんのダンス、動きが柔らかくてどこか優雅よね |
ミク | 姿勢もきれいだから、つい見とれちゃうね♪ |
雫 | 本当? ふたりにそう言ってもらえると嬉しいわ |
雫 | ふふ。きっと、愛莉ちゃんの特訓のおかげね |
MEIKO | 特訓? |
雫 | ええ、研究生の頃に猛特訓したのよ |
雫 | あの頃、愛莉ちゃんと一緒に基礎的なことを しっかり身につけられたから、今の私がいると思うの |
MEIKO | そうだったの……。 ふふ、その頃からふたりは支えあってきたのね |
咲希 | しほちゃんってときどき アタシ達が誰も知らないアイドルのこと 知ってたりするよね! |
一歌 | たしかに……。 雫先輩、志歩とそういう話ってしたりするんですか? |
雫 | いつもっていうわけじゃないわ。 でも『この子、歌がすごいのよ』って薦めると、 ちゃーんと聴いてくれるのよ |
咲希 | そうなんですね! それでしほちゃん、 アイドルにもちょっと詳しかったんだ! |
雫 | ふふ。それとね、しぃちゃんのオススメのアーティストさんを 教えてくれたりもするの |
穂波 | 好きなものって、誰かに紹介したり、 誰かと話したりしたくなりますもんね |
雫 | ふふ、そうねえ |
雫 | あ、そうだわ。 よかったら、みんなが好きなアーティストさんや 曲についても教えてほしいわ |
一歌 | 私も、雫先輩が好きなアイドルやアーティスト、 知りたいです |
咲希 | アタシも知りたいです! |
雫 | それじゃあ、また今度ゆっくり、みんなでお話しましょうね |
雫 | しぃちゃん。今日はお弁当だし、また一緒に―― |
志歩 | 食べないよ |
雫 | ええっ!? ま、前はいいよって言ってくれたのに……! |
志歩 | あの時はあの時だから……。 それに、今日は先約があるの |
雫 | あ、それじゃあ私もそこにお邪魔していいかしら? |
志歩 | ダメ、また今度ね。じゃあ |
雫 | え! そんなー! 待って、しぃちゃーん! |
みのり | えへへ、志歩ちゃんと遥ちゃんと一緒に お昼食べられるなんて嬉しいなぁ |
遥 | そういえば日野森さん、雫が一緒にお昼を食べたがってたけど、 こっちに来ちゃってよかったの? |
志歩 | いい。どうせ家では一緒にご飯食べてるんだし |
みのり | でも、おうちで食べるのと学校で食べるのとじゃ 気分が違うんじゃないかな? |
みのり | あ、そうだ! 雫ちゃんも入れて4人で―― |
志歩 | 桐谷さん、あっちでふたりで食べよっか |
みのり | ええー!? |
志歩 | ……冗談だよ |
志歩 | もともと、今日は3人で食べようって約束してたでしょ。 だから、ちゃんと約束は守りたい |
志歩 | それにお姉ちゃんなら、家でご飯食べる時に 3人でした話とかして、フォローしておくから気にしないで |
遥 | ふふ、そっか。 じゃあ雫には悪いけど、今日はこの3人で食べようか。 ゆっくり話してみたかったし |
みのり | うん! それじゃあ、行こ行こっ! |
まふゆ | 日野森さんって、よく水筒を持ってきてるね。 中身はお茶とか、スポーツドリンク? |
雫 | 夏の時期はお茶をいれていることが多いけど、 冬はお味噌汁をいれているのよ |
まふゆ | え……お味噌汁? |
雫 | ええ! とっても美味しいの。 それにお味噌は健康にもいいから、疲れた体にぴったりよ! |
まふゆ | ……水分補給にお味噌汁っていうのは初めて聞いたけど。 たしかに塩分も程よく入ってるし、 汗をかいたあとに飲むの、いいかもしれないね |
雫 | ……朝比奈さん! |
雫 | 嬉しい……! 愛莉ちゃん達以外で、 そう言ってくれる人があんまりいなくて |
まふゆ | たしかに、ちょっと珍しいよね。 でも、なんとなく日野森さんに合ってるような気がするし、 いいんじゃないかな |
雫 | あっ、あったわよ。しぃちゃんが好きなバンドのCD! |
志歩 | 別に自分で探せるんだけど…… |
雫 | ふふ。だってふたりで探したほうが、 一緒にお買い物してる感じがするでしょう? |
雫 | あら。このCD、試聴コーナーにもあるみたい。 せっかくだし、聴いてみたいけど…… |
志歩 | どうしたの? |
雫 | 試聴コーナーにはヘッドホンしかないでしょう? イヤホンだったら、 片方ずつ使って一緒に聴けるのになって思って…… |
志歩 | いや、もしイヤホンでもそんなの絶対しないから |
みのり | あっ、志歩ちゃん! 偶然だね |
志歩 | あれ? 今日、4人で出かけるって お姉ちゃんから聞いてたんですけど。 もしかして、お姉ちゃん…… |
愛莉 | ええ。また道に迷ってるみたいね。 さっき、ちょっと遅れちゃいそうって連絡が来たの |
志歩 | ……連絡はちゃんとできたんだ |
遥 | 一緒に送られてきたスタンプは 『ありがとう』になってたけどね |
みのり | んー、雫ちゃん、地図とかGPSとか使えたらいいんだけど…… |
愛莉 | それ、教えたことあるけどダメだったわ。 どっちを向いて歩いたらいいのか全然わからないみたいで、 その場でずっとぐるぐるしてたわ |
志歩 | お姉ちゃん…… |
遥 | じゃあ、私達が雫に電話して、探すほうが早そうだね |
愛莉 | ええ、そうしましょ |
志歩 | ……いつもすみません |
愛莉 | ふふっ、いいのよ! 雫は任せて! |
KAITO | ……ここの視聴覚室、 一歌達が持ってきた映画が置いてあるらしいけど…… |
KAITO | メイコが言ってた、バンドが主役の映画ってどれだろ。 生演奏してて迫力あったって言ってたから、 見てみたかったんだけど…… |
KAITO | …………どれかわからないし、あとでみんなに聞こう |
リン | ミクぴょん、カイト兄! 3人で“音遊びリレー”しよっ☆ |
ミク | 音遊びリレー? |
リン | そうっ☆ 気持ちいいーっ!とかノリノリだーっ! ってフレーズを順番にどんどんつなげて弾くの♪ |
KAITO | ……フレーズをつなげる、か。 ちょっとおもしろそう |
ミク | じゃあ、やってみよっか。あ、せっかくだし録音もして、 あとでまた聴けるようにしておこうか |
リン | ミクぴょん、サイコー! あははっ! どんな感じになるか、楽しみっ☆ |
ルカ | あら、カイト。何か探し物? |
KAITO | ……ピック。演奏中に、うっかりどこかに飛ばしちゃって…… |
MEIKO | あはは! カイトがピックを飛ばすなんて、 よっぽど激しい曲を弾いてたんだ? |
KAITO | ……たまにはハードな曲も弾きたくて |
ルカ | へえ、どんな曲か気になるわね |
MEIKO | 私も! |
MEIKO | ねえ、カイト。ピック一緒に探すから、 見つかったらその曲聴かせてね! |
KAITO | ……それくらい、いいけど |
MEIKO | じゃあ、決まり! よーし、探そ、探そ! |
一歌 | カイト、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな? |
KAITO | ……俺に? |
一歌 | うん。初めてカイトの演奏を聴かせてもらった時、 すごく演奏に心がひきつけられて…… |
一歌 | どうしたら、私もそんな演奏ができるようになるかな |
KAITO | ……上達の仕方は人それぞれだと思うから、 これって、言えることはないけど…… |
KAITO | たくさん曲を聴いて、どんな演奏をしたら どんな気持ちを表現できる……とか、知ることから……かな |
一歌 | どんな演奏をしたら、どんな気持ちを表現できるか…… |
一歌 | そうだね。イメージどおりの音になかなかならないのも、 どうしたらその音が表現できるのかを、 私が知らないからだろうし…… |
一歌 | ありがとう、カイト。 いろんな曲を聴いて、勉強してみるよ |
KAITO | ……うん。頑張って |
一歌 | 穂波。今日の練習のあと、時間ある? ちょっと聞きたいことがあって |
穂波 | え? うん、大丈夫だよ。 でも、どうしたの? |
一歌 | えっと、犬の飼いかたなんだけど…… |
穂波 | もしかして、一歌ちゃんのおうちも、ワンちゃん飼うの? |
一歌 | あ、ううん。お母さんの知りあいから しばらく預かることになって |
一歌 | お母さんもその知りあいの人からいろいろ教わるって 言ってたけど、しばらく一緒に住むんだし、 ちゃんとお世話できるように、勉強しようと思って |
穂波 | ふふ。優しいね、一歌ちゃん。 わたしでよければ、なんでも聞いて |
一歌 | うん、ありがとう! えっと、まず散歩なんだけど…… |
咲希 | 今日はみんなで、久しぶりのお買い物だ~っ♪ |
穂波 | ふふっ。咲希ちゃん楽しそうだね |
志歩 | 言っとくけど、遊びに来たわけじゃないからね。 ライブでやる曲のレパートリーを増やしに、 楽譜買いに来ただけだから |
咲希 | わかってるって! 大事な曲選びだし、ちゃーんと真面目に…… |
咲希 | ……あっ! 見て見て! かわいい星型のアクセサリーがある! |
志歩 | 言ったそばから…… |
咲希 | ねえ、見て! アタシ達が持ってるフェニーくんの色と おんなじ色が売ってるよ! これおそろいで買って、ライブの時につけようよ! |
穂波 | そういえば、おそろいの何かが欲しいねって、 前に話してたよね |
一歌 | そうだね。ライブ以外の時も ギターケースにつけておけそうだし、いいんじゃないかな |
咲希 | しほちゃん、どうかな? あ、ピンク色もあるし、全員おそろいの色もかわいいかも♪ |
志歩 | ピンクは絶対イヤ。 ……あと、買うなら早くね。楽譜を探すのが目的なんだから |
咲希 | はーい♪ |
咲希 | ああーっ!? あそこのタピオカ屋さん、シャッター閉まってる! |
一歌 | 本当だ。なんか張り紙も貼ってあるね |
咲希 | うぅ……。タピオカの大きさとかモチモチ具合とか、 すっごくお気に入りだったのになぁ…… |
一歌 | あ……。咲希、そんなに落ちこまなくても大丈夫そうだよ。 ほら、張り紙を見て |
咲希 | えっ? ……『リニューアルのため一時休業します』? じゃ、じゃあ……! |
一歌 | うん。ほら、その下に書いてあるけど、 商品展開がドーナツメインになるだけで、 タピオカドリンクのメニューは据え置きみたいだよ |
咲希 | よかったぁー! アタシのタピオカ人生が 終わっちゃったかと思ったよ~ |
一歌 | もう、大げさだなぁ |
一歌 | (あ……。あのラーメン屋さんに並んでるの、志歩だ) |
志歩 | ……あれ、一歌? どこかに出かけるところ? |
一歌 | ううん。バイトが終わって、今から帰るところ。 志歩はこれからお昼? |
志歩 | うん。バイトの休憩時間にちょっと食べに来た |
一歌 | え、でも人、結構並んでるよ? 休憩時間中に食べられるの? |
志歩 | 大丈夫。 ここ回転率いいから、あと5分もすれば入れるよ |
一歌 | そうなんだ! ……どうしよう、 私もお腹すいたし食べていこうかな |
志歩 | いいんじゃない? ちなみに、ここのオススメは こってりをとおり越したって言われてる ドロドロとんこつラーメン |
一歌 | そ、そんなに? じゃあ、それを食べてみようかな |
まふゆ | ……奏って、料理するの? |
奏 | え? あんまりしないけど……。 急にどうしたの? |
まふゆ | すりおろしたリンゴを食べさせてくれたでしょ? だから、すりおろし器があったんだなって思って |
奏 | ああ……。食器や調理道具は、 お母さんがいた頃のままだから、いろいろあるよ |
奏 | たとえば……あ、木でできてて、 先っぽが大きなたわしっていうか、 肩叩くマッサージ器みたいな、変な形した棒とか |
まふゆ | ……それ、パスタサーバーじゃない? 茹でたスパゲッティをすくう道具 |
奏 | ……え? そ、そうなんだ……。 まふゆ、使ったことあるの? |
まふゆ | うん、調理実習で。 その時、大きな櫛って言ってた子はクラスに何人かいたけど、 たわしとかマッサージ器っていう人は初めて見た |
奏 | あ……なるほど櫛か。たしかにそれっぽいね |
まふゆ | ……これ。このあいだ約束してた画集 |
絵名 | 本当に持ってきてくれたの!? ありがとう! じゃ、1週間くらい借りるね |
まふゆ | 返さなくていい。いらないから |
絵名 | はぁ!? あんた、この作家の画集、すごく貴重ってわかってる? 数少ないうえに、値段も結構するんだからね!? |
まふゆ | ……知らない。 それに、お父さんが知り合いにもらったからって 部屋に置いていった本だし、別にいい |
まふゆ | 多分、お父さんはもう そんな本があったことも忘れてると思うし、 私も邪魔だなって思ってたから、絵名がもらって |
絵名 | ……じゃあ、とりあえず私が預かっておくけど絶対返すからね |
まふゆ | ……だから、あげるのに。 絵名って、変なところで律儀だね |
まふゆ | ……瑞希。その持ってる袋、何? |
瑞希 | あ、これ? メイコやルカに似合うかなーって思って 持ってきた髪飾りとか、アクセサリーだよ♪ |
瑞希 | あのメイコもルカも大人っぽいし、 ふたりがつけるとどういう雰囲気になるのか 見てみたいんだよね~ |
まふゆ | ……ルカはわからないけど、 メイコはつけたがらないんじゃない? |
瑞希 | うーん、そこなんだよね~。 ねえ、何かいい作戦ないかな? |
まふゆ | ないよ |
瑞希 | 即答!? もうちょっと一緒に考えてよ~ |
絵名 | ごめん、遅くなっちゃった! デモの試聴、もう始まっちゃった? |
奏 | ううん、ミク達がまだ来てないから、始まってないよ |
絵名 | そっか、よかったぁ |
まふゆ | ……絵名、制服のままだね |
絵名 | うん、授業がいつもより長引いちゃって |
奏 | 制服か……。なんか、懐かしいな。 スカートのひだに、変なしわとか折り目とかを よくつけちゃって大変だった |
瑞希 | ああ、あれね! アイロンかけるにも、スカートのひだが細かければ細かいほど 大変なんだよね~ |
まふゆ | ……リボンも結んだままにしておくと、 変なクセがついて、次に結んだ時に見栄えが悪くなるみたいだね |
絵名 | へえ、リボンもそうなんだ? まあ、うちのはいちいち 結ばなくてもいいヤツだからそこは平気かな |
瑞希 | そういえばさ、宮女は制服を着崩してる人全然見ないねー。 神高はわりとみんな好き勝手してるけど |
まふゆ | ……校則で、していい着かたと駄目な着かたがはっきりしてるし、 合わせるセーターの色とか決まってるから |
絵名 | ふーん、どうせなら制服も 可愛くオシャレに着れるほうがいいのにね |
ミク | ……これが、アクアリウム? |
まふゆ | うん。私の部屋にある物よりは、かなり小さいけど |
奏 | こんな手のひらサイズの物もあるんだ。 でも砂利や水草も入ってて本格的だね |
ミク | ………… |
まふゆ | ……ミク? |
ミク | ……水草、ゆらゆらしてておもしろい |
まふゆ | ……そうなんだ |
ミク | ………… |
奏 | すっかり夢中だね |
まふゆ | ……そうだね |
リン | ――♪ ―――♪ |
まふゆ | ……リン。なんの曲を歌ってるの? |
リン | ……このあいだ、瑞希がここで歌ってた曲。 なんとかレンジャーの歌なんだって |
まふゆ | そうなんだ。 ……リンは、その歌が好きなの? |
リン | ううん、普通 |
リン | でも、瑞希はこれを聴くと元気になるらしいから、 たまに歌うことにした |
まふゆ | そっか |
ルカ | あら、メイコ、リン。おはよう |
リン | え……おはよう? |
MEIKO | ……ここには朝も夜もないはずだけど? |
ルカ | ええ。でも、せっかく顔を合わせたんだから、 挨拶くらいしないと、なんだか味気ないでしょう? |
MEIKO | ……必要だと思えないわ |
ルカ | あら残念。リンはどう? |
リン | ……朝も夜もないのにどうやって おはようとか、こんばんはを使いわけるの? |
ルカ | うふふ、どれでも好きなのを選んでいいんじゃないかしら? |
リン | ……それ、挨拶の意味ある? |
杏 | ううー。xに3を代入して……。 それから…… |
ミク | ……ねえ、メイコ。 杏がさっきからうなってるけど、どうしたの? |
MEIKO | 頑張って数学の宿題をしてるみたいよ |
杏 | ……あぁー、やっと終わったぁ……! |
MEIKO | お疲れさま、杏。 はちみつミルクティーでも入れましょうか? |
杏 | 本当ですか!? お願いしまーす |
ミク | 杏がここに来てまで宿題やってるなんて、 明日は雪が降るかもしれないね |
杏 | あはは。自分の部屋だといろいろ誘惑があって、 負けそうになったから、こっち来たんだ |
ミク | ふふ。ちょっとやそっとじゃ音をあげない杏が そう言うんだから、宿題はよっぽどの強敵みたいだね |
杏 | そう! そうなの! できれば戦いたくないなぁ |
MEIKO | あら、でも将来何が役に立つかわからないわよ? あとになって後悔するより、 必要な分はやっておくのがいいと思うわ |
杏 | うちの母さんもそう言うんですよね……。 はあ、勉強が歌みたいに胸がドキドキする感じだったら、 楽しめるのになぁ |
レン | ――……っていう感じなんだけど、 どうだった? オレ達がサンプリングした曲! |
KAITO | うん、良くできてたよ。ボクからは言うことなし! というわけで、今回の課題はクリアだね! |
リン・レン | 『やったあーっ!』 |
リン | ねえ、カイト! 次の課題は? |
KAITO | 慌てない慌てない。また今度用意しておくよ。 だから、今日のところはメイコのカフェに行こうよ |
KAITO | ここに来る前にちらっとのぞいたら、 プリンを作ってるところだったんだ。きっともう食べ頃だよ |
リン・レン | 『…………』 |
レン | カイト、ひょっとしてプリンが食べたいから、 ささっと終わらせようとしてない? |
リン | もー、わたし達は真剣なんだから! 真面目にやってよー! |
KAITO | ええ!? ボクはいつでも真面目なんだけどなぁ |
KAITO | (ふたりが作ったサンプリングが 良くできてたっていうのも本当だし……) |
レン | ほら、もっとちゃんと教えてよー! |
リン | 納得するまで帰さないんだからー! |
KAITO | あはは……。わかった、わかったよ |
ミク | それではっ☆ ステージをすっごくしちゃおう会議の はじまりはじまり~♪ |
MEIKO | イエーイ♪ |
KAITO | えっと……。ミクに突然連れてこられたんだけど、 すごくしちゃおう会議っていうのは……? |
MEIKO | そのままの意味よ♪ いつも使ってるステージを、 ものすごーくしちゃうの! |
ミク | ぬいぐるみのみんなからも、 『大キナ滑リ台をツケヨウ!』とか、 『海を作ロウ!』とかいっぱいアイディアもらったよ♪ |
MEIKO | 滑り台も楽しそうだし、海を作るっていうのも最高よね! |
KAITO | うーん。滑り台は頑張ればやれる気もするけど、 海はなかなか厳しそうだね |
ミク | うー、お水とお塩、いっぱいいっぱいいるもんね…… |
KAITO | えっと……。 ……うん、そうだね |
ミク | じゃあ次のアイディアいっくよーっ☆ ぐるっと360度回転するステージ♪ |
KAITO | あ……。それは、もしかしたらできるかも?? |
MEIKO | 横だけじゃなくて、縦にも回転する、 世にも不思議なぐるぐるショーができちゃうのよ! |
KAITO | ま、待ってふたりとも! さすがに縦回転はちょっと……! |
KAITO | (このままじゃステージというより アトラクションになっちゃうから、とりあえず止めないと!) |
ルカ | ふわあ……。いいお天気ねえ |
リン | でしょー? それでね、今日は外でショーを?? |
ルカ | ……グー、グー |
レン | あれれ? ルカ、寝ちゃった |
リン | あははっ♪ ぽっかぽかだもんね~ |
レン | うん! すっごく気持ちいいし、 ボクもちょっと寝ちゃおっかな |
リン | あ、じゃあリンも~ |
ルカ | ん……。ふたりとも……おやすみ、なさぁい……。 すー……すー…… |
類 | やあ、司くん。これからお昼かい? |
司 | ああ。……ん? 珍しくお前も弁当なのか |
類 | うん。なぜか今朝、母さんに渡されてね |
類 | 父さんにも渡していたから、きっと昨日の野菜なし餃子を片づけてしまいたかったんだろうね |
司 | 野菜なしの餃子……?それはもう、ただの肉じゃないか? |
類 | 餃子の皮に包んであるんだから、餃子だよ |
司 | まあ、お前がそれでいいならいい……のか? |
えむ | あっ! このあいだみんなで見たミュージカルのポスターが貼ってあるよ♪ |
寧々 | ほんとだ。えっと……ディスク化決定、予約特典のCDには、劇中歌と劇中のBGM集を収録、だって |
寧々 | あのミュージカル、もう1回見たいって思ってたし おこづかいで買っちゃおうかな |
えむ | 主役の俳優さんが歌ってた曲も聴けるんだね!えへへ。あたしも貯まってきたバイト代で買っちゃおうかなっ☆ |
寧々 | へえ。えむ、ちゃんとバイト代を貯めてるんだね |
えむ | もっちろん♪ いっぱい貯めて、いっぱい宝物を増やすんだ♪ |
寧々 | え、どういうこと? |
えむ | お父さんがね、小さい頃に教えてくれたんだ♪ 働いてお金をもらうことは大変だけど、そのお金で買った物は全部宝物のように思えるよって! |
えむ | えへへ、あたし宝物い〜っぱい欲しいから、バイトしたお金でお買い物するんだ〜♪ |
寧々 | そうなんだ……!そんなこと言えるなんて、なんかすごい……。というかかっこいいね、えむのお父さん |
えむ | えっへん! だって、あたしのお父さんだもん♪ |
杏 | 遥と買い物なんて久しぶりだよね〜。まず、どこ行く? |
遥 | とりあえず、服を見たいかな。次のシーズンに向けて、新作が並び始める頃だと思うし |
杏 | 服か……。あ、ナチュラル系のオススメのお店あるけど、そこ行ってみる? |
遥 | ナチュラル系?杏がそういう店を知ってるの、なんだか意外かも…… |
杏 | あははっ。ストリート系の服ばっかり着てるわけじゃないんだよ? |
杏 | まっ、そのお店はたまたま見つけただけなんだけどね。ちょっといつもと気分を変えて、ゆったりファッションにしてみるのもいいかなって思って! |
遥 | そうだね。私もナチュラル系はあんまり着たことないし、試してみようかな |
杏 | じゃあ決まりだね!まずはそのお店にレッツゴー! |
愛莉 | おいしかったわね、あのクレームブリュレのクレープ! |
愛莉 | パリパリのカラメルに、ふわふわの生クリーム、 それともっちもちの生地……どれも最高だったわ! |
絵名 | でしょ? ちょっと前にSNSで見かけて、 いつか食べに行こうって思ってたんだよね |
愛莉 | 教えてくれてありがとう、絵名! 今度は雫達とも来たいわね |
愛莉 | あ、そうだ。美味しいクレープ屋さんを教えてもらったお礼に、 わたしが最近見つけた、アクセサリーショップを紹介するわ |
絵名 | アクセサリーショップ? |
愛莉 | ええ。全部手作りだから、同じ物がないんですって。 趣味で作ってるからって、お値段もすごく安いんだけど 見た目はプロが作ったみたいな感じなの! |
絵名 | へえ、いいじゃん! そのお店教えて、愛莉! |
愛莉 | ええ! じゃあ腹ごなしのついでに、行きましょうか! |
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